ナガバメヤブソテツ(ナガバヤブソテツとメヤブソテツ)
オシダ科 ヤブソテツ属 Cyrtomium×pseudo-caryotideum
生育している環境:照葉樹林の乾燥気味の急斜面の崖に生育する。
観察された特徴:ナガバヤブソテツとメヤブソテツの雑種と推定される。すぐそばではないが半径150m程度の範囲内には両親が生育している。常緑性。葉の大きさは45~55㎝。ナガバヤブソテツに似て葉が厚く光沢がある。またメヤブソテツに似て羽片の辺縁には鋭い細鋸歯を伴う重鋸歯がある。包膜は円腎形で白っぽく包膜の辺縁に鋭い鋸歯がある。
観察された胞子の特徴:顕微鏡下では胞子の大きさは大小さまざまで形が歪なものが多く混ざる。雑種と思われる。雑種かどうか確認する意味で胞子を栽培中。配偶体が発芽するか、さらに胞子体が育つなど継続して調べてみたい。
生育確認数:1地点、1株。大磯町 高麗山。
(1)ナガバメヤブソテツ、葉身
(2)ナガバメヤブソテツ、羽片辺縁の重鋸歯
(1)ナガバメヤブソテツ、羽片辺縁の重鋸歯と胞子嚢群
(2)ナガバメヤブソテツ、包膜
(1)ナガバメヤブソテツ、1つの胞子のうを壊したところ:実体顕微鏡
(2)ナガバメヤブソテツ、1つの胞子のうを壊したところ:生物顕微鏡
以下の画像は、観察会同行の方が栽培および撮影されたものです。
2017年4月18日播種
2017年9月1日 前葉体を観察
(1),(2)ナガバメヤブソテツ 前葉体
2017年9月1日 前葉体を観察
(1)ナガバメヤブソテツ 前葉体
(2)ミズゴケの中に潜り込んでいるナガバメヤブソテツ 前葉体
今年2月19日の高麗山周辺で採取しましたナガバメヤブソテツ(ナガバヤブソテツ×メヤブソテツ)についてです。
何度もカビでやられてしまいましたが、最後に撒き直した分(4月18日播種)が成長したので写真を送ります。
と、言っても前葉体までですが。。。
前葉体はハート型では無く枝分かれで、水苔の中に潜り込んだりしてます。(コケが増えてるだけ?)
2017年11月3日
(1),(2)ナガバメヤブソテツ、前葉体
(3)ナガバメヤブソテツ、前葉体
残念ながら成長しているのは水苔でした。また前葉体の一部から丸くぷっくりした所が伸びてくるようです。