ヒメオニヤブソテツ
オシダ科 ヤブソテツ属 Cyrtomium falcatum subsp. littorale
生育している環境:波打ち際の切り立った岩壁や周りと隔絶した海岸岩場の先端。
観察された特徴:葉の大きさは8~15㎝㎝程度。葉は厚く光沢がある。側羽片は4~7対、羽片の形は基部が心形で先端は長く伸びず底辺の広い三角形状、大きさは1~2㎝、辺縁は多少波打ったり凹凸がある。葉の裏側に胞子のう群を密につける。包膜は白色。
生育確認数:2地点。個体数はそれぞれの場所で10~30株程度と思われる。
観察された胞子の特徴:胞子数は60近く確認でき、有性生殖種と考えられる。
(1)ヒメオニヤブソテツ、羽片
(2)ヒメオニヤブソテツ、胞子のう群
胞子数画像
(1)ヒメオニヤブソテツ、胞子数
(2)ヒメオニヤブソテツ、胞子数:左上の標本を光学顕微鏡で見たもの
以下の前葉体および胞子体発芽画像については観察会同行の方が栽培・撮影・解説されているものです。
観察機器
実体顕微鏡 LEICA ES2 ・カメラ オリンパス TG-4
2016年12月26日 胞子の播種
ヒメオニヤブソテツ、胞子を採取した葉
2017年1月30日 配偶体(前葉体)発芽
2017年1月30日 配偶体(前葉体)の発芽
2017年5月15日 胞子体 発芽
2017年5月15日 配偶体(前葉体)から胞子体が発芽
ヒメオニヤブソテツの胞子体が出てきました。(写真中央)まだ途中ですが。その左斜め下の前葉体のしたからも、濃い茶色の根っこが出来きているので、この子も暫くすると芽が出
そうです。
2017年6月23日 胞子体
2017年6月23日 前葉体と胞子体
2017年7月23日 植替え
2017年7月24日 成長した胞子体
(1)2017年7月23日 石粒の栽培培地に移植(上左)
(2)2017年7月23日 ミズゴケの栽培培地に移植(上左)
2017年8月30日
(1)2017年8月30日 石粒の栽培培地
(2)2017年8月30日 ミズゴケの栽培培地
植え替えた石系、水苔共に順調です。
2017年11月3日
(1)ヒメオニヤブソテツ(培地 石系)
(2)ヒメオニヤブソテツ(培地 水苔)
2018年1月21日観察
(1)ヒメオニヤブソテツ(培地 石系)
(2)ヒメオニヤブソテツ(培地 水苔)
2018年8月12日 観察
(1)ヒメオニヤブソテツ、石栽培系
(2)ヒメオニヤブソテツ、水苔栽培系
2019年1月6日 観察
(1)ヒメオニヤブソテツ、石栽培系
(2)ヒメオニヤブソテツ、水苔栽培系
2019年5月12日 観察
ヒメオニヤブソテツ石系
ヒメオニヤブソテツ水苔
2019年7月27日 観察
(1)ヒメオニヤブソテツ石系
(2)ヒメオニヤブソテツ水苔
※単葉の葉から1対の羽状の葉がでました。
(1)ヒメオニヤブソテツ水苔2_1
(2)ヒメオニヤブソテツ水苔2_2
ヒメオニヤブソテツ水苔2_3
※観察対象外個体ですが、胞子播種から2年半ちょっとで胞子をつけた葉が確認できました。
2019年8月2日 観察
(1)ヒメオニヤブソテツ水苔2_1
(2)ヒメオニヤブソテツ水苔2_2
※もう少しで弾け始める?
2019年8月2日 観察
(1)ヒメオニヤブソテツ水苔2_胞子数1
(2)ヒメオニヤブソテツ水苔2_胞子数2
※10個の胞子嚢を観察。すべて60個程度の胞子を確認。
2019年8月12日 観察
(1)ヒメオニヤブソテツ水苔2_1
(2)ヒメオニヤブソテツ水苔2_2