ヤノネシダ Neocheiropteris subhastata
ウラボシ科 クリハラン属
生育している環境:照葉樹が茂る林内の岩場を流れる小さな沢のそば、林床や岩上に生育。
観察された特徴:常緑性。褐色の鱗片に覆われた根茎は長く這う。葉は胞子をつける葉とつけない葉に分かれる。栄養葉は10㎝程度で三角形、胞子葉は12~15㎝、披針形で基部は左右に張り出す。胞子葉は岩上で葉を立ち上げ生育していた。胞子嚢群は葉の裏側全体につく。1つの胞子嚢内に20~28個程度の胞子を形成。胞子は大きくすべてきれいな球形で形が整う。胞子の数からいえば無融合生殖種ではないかと考えてしまうが、いくつか胞子嚢壊して胞子を観察すると充実した胞子(成熟し中に葉緑体を形成している胞子)を含む胞子嚢では、胞子の数は少ないが観察した胞子嚢全てで胞子の大きさ・形がきれいに整い有性生殖種のような趣がある。1胞子嚢内の胞子数が少ないのは限られた広さの胞子嚢内で成長できる分の数の胞子だけが成長するのではないだろうか。
以下の画像および解説は、すべて栽培されている方から頂いたものです。
観察機器
実体顕微鏡 LEICA ES2 ・カメラ オリンパス TG-4
2020年4月8日 播種
(1)ヤノネシダ胞子採取葉1
(2)ヤノネシダ胞子採取葉2
※胞子を採取した葉
(1)ヤノネシダ胞子嚢が弾ける前
(2)ヤノネシダ胞子嚢が弾けた後
(1)ヤノネシダ広範囲1拡大1_1
(2)ヤノネシダ広範囲1拡大1_2
※観察対象
2020年4月13日 観察
(1)ヤノネシダ広範囲1拡大1_1
(2)ヤノネシダ広範囲1拡大1_2
2020年4月21日 観察
ヤノネシダ広範囲1拡大1_2 ※発芽確認
2020年5月12日 観察
(1)ヤノネシダ広範囲1
(2)ヤノネシダ広範囲1拡大1_1