2019年8月3日、三峰・中津川周辺を歩きました。三峰の山の中腹の石灰岩の洞窟(神庭洞窟)はたたみ30畳ほどの広さがあり、眼前には奥秩父の山や谷が見渡せました。
クラマゴケとヤマクラマゴケ
クラマゴケは林床に生育。ヤマクラマゴケは石灰岩と思われる湿った岩壁に生育、クラマゴケにくらべ葉は小さく柔らかい。
(1)スギ林床に生育するクラマゴケ
(2)石灰岩上に生育するヤマクラマゴケ
ヒメウラジロとミヤマウラジロ
石灰岩地帯周辺の石垣に生育。近くに石灰岩の地層がある石垣では両種がよく見られた。雨が降っていないせいか乾燥した石垣では葉が巻き裏側の白が目立った株が遠くからでも確認できた。
(1)(2)ヒメウラジロ
ミヤマウラジロ
クモノスシダ
クモノスシダ
コバノヒノキシダ
林縁の石垣。現地では羽片の長い立派な葉のコバノヒノキシダに混ざって葉の長さは同じだが羽片の短いコバノヒノキシダ似のシダが見られました。現地では雑種ではないかと思い、採取し栽培。胞子を観察したところ、コバノヒノキシダでした。コバノヒノキシダは生育地の環境により形態の変化が大きいですが、同一環境でも羽片の形に変化が見られました。
(1)コバノヒノキシダ、胞子上面
(2)コバノヒノキシダ、胞子側面
(1)コバノヒノキシダ、胞子上面
(2)コバノヒノキシダ、胞子側面
(1)コバノヒノキシダ、胞子上面
(2)コバノヒノキシダ、胞子側面
(1)コバノヒノキシダ、胞子上面
(2)コバノヒノキシダ、胞子側面
エビラシダ
林内の斜面や崖に生育
(1)エビラシダ
(2)エビラシダ、胞子嚢群
クロノキシノブ山地性のノキシノブ
山地林内渓谷沿いの岩上・樹幹に生育。今まで山地性のノキシノブと呼んでいたもの。根茎が長く這い間隔をあけて葉をつける。葉柄は明瞭で2~3㎝えんじ色~黒褐色を帯びる。葉の大きさは20~25㎝葉は濃緑色・革質。葉は平面的で内曲しない。葉面は中肋を中心にかすかにV字形(170°程度)に左右に開くことがある。先端はやや急に尖る。
クロノキシノブ胞子画像
クロノキシノブ
ヒメノキシノブと葉の先が尖ったヒメトガリバノキシノブ(仮称)
ヒメノキシノブは乾燥気味の参道の石灯篭の上に生育。葉の先が尖ったヒメトガリバノキシノブ(仮称)はビロウドシダと共に倒木の上に生育。(この倒木に生時から着生していたものと思われる。)
(1)参道の石灯篭の上に生育するヒメノキシノブ
(2)倒木上に生育するヒメトガリバノキシノブ(仮称)とビロウドシダ(下)
カラクサシダ
渓谷沿いの岩上に群生。もう新芽が出始めているのに枯れずににぶい青銅色に紅葉していた。
サジラン
三峰山への参道沿いでは途中の大木の幹にサジランが着生。着生している木はトチの木が目立った。
トチの木に着生するサジラン