釜無山石灰岩地帯 その1

陽当たりのよい石灰岩の岩壁に生育するイチョウシダ。2018年9月17日 富士見町南部周辺

 今回は釜無山周辺、主に標高の低いところから中腹部(標高800~1100m)を歩いた。釜無山周辺の地質は、南は大鹿村周辺まで石灰岩が帯状に走っている。武甲山や奥多摩日原とは離れているが同じ地層で、中央構造線外帯の秩父帯と四万十帯の境(仏像構造線)となる。
 林道沿いの周辺には石灰岩がところどころで顔を出し、大きな石灰岩の岩峰も見られる。陽当たりのよい岩峰の1つでは、クロウメモドキ、ハギの仲間、ツクバネ、トダイハハコヤハズハハコ、カワラサイコ、ススキ、クサボタン、イワギボウシ。シダではツルデンダ、クモノスシダ、オウレンシダ、イチョウシダ、イワヒバ、イワイヌワラビなどが見られた。また石灰岩地帯のカラマツ林林床ではタチヒメワラビ、オオヒメワラビ、オウレンシダ、ホソバナライシダ、ヘビノネゴザ、フジシダなどが見られた。カラマツ林内の石灰岩の岩上にはスグリ(日本固有種)が生育。今後、釜無山中腹~上部も歩いていきます。




オオヒメワラビ

2018年9月17日 富士見町南部周辺 2018年9月17日 富士見町南部周辺
(1)(2)オオヒメワラビ



イチョウシダ

胞子葉と栄養葉。2018年9月17日 富士見町南部周辺 胞子嚢群。2018年9月17日 富士見町南部周辺
(1)(2)イチョウシダ

石灰岩上に群生するイチョウシダ。2018年9月17日 富士見町南部周辺 同じ岩場にはイワヒバ、ハギの仲間、ヤハズハハコ。2018年9月17日 富士見町南部周辺
(1)(2)イチョウシダ




タチヒメワラビ

基部の地質は石灰岩。カラマツ林内の緩やかな谷筋、腐食が堆積した林床に生育。2018年9月17日 富士見町南部周辺 
タチヒメワラビ

2018年9月17日 富士見町南部周辺 葉の大きさは80㎝に達する。2018年9月17日 富士見町南部周辺
(1)(2)タチヒメワラビ、葉身

タチヒメワラビ、最下羽片基部前側小羽片は発達する。2018年9月17日 富士見町南部周辺 2018年9月17日 富士見町南部周辺
(1)タチヒメワラビ、最下羽片
(2)タチヒメワラビ、羽片

タチヒメワラビ、中軸や羽軸の向軸側には淡褐色の毛が密に生える。2018年9月17日 富士見町南部周辺 
タチヒメワラビ、羽軸基部

タチヒメワラビ、胞子嚢群は辺縁寄りにつく。2018年9月17日 富士見町南部周辺 タチヒメワラビ、胞子嚢群に包膜はない。2018年9月17日 富士見町南部周辺
(1)(2)タチヒメワラビ、胞子嚢群




イワイヌワラビ

石灰岩の岩峰の周辺部、石灰岩礫が堆積する斜面に生育。葉身はヘビノネゴザに似るがそれよりも細身で葉柄はあまり赤みを帯びない。包膜は三日月形~馬蹄形で辺縁には粗い鈍鋸歯がある。
※当時は変わったヘビノネゴザ程度に考えていましたが、写真を再確認しイワイヌワラビであることが分かりました。2021年7月5日。
石灰岩礫が堆積する斜面に生育するイワイヌワラビ。2018年9月17日 富士見町南部周辺 
石灰岩礫が堆積する斜面に生育するイワイヌワラビ

イワイヌワラビ、葉身。2018年9月17日 富士見町南部周辺 イワイヌワラビ、葉身裏側。2018年9月17日 富士見町南部周辺 
(1)イワイヌワラビ、葉身
(2)イワイヌワラビ、葉身裏側

イワイヌワラビ、胞子嚢群。2018年9月17日 富士見町南部周辺 イワイヌワラビ、胞子嚢群。2018年9月17日 富士見町南部周辺 
(1)(2)イワイヌワラビ、胞子嚢群


石灰岩地帯で見られたその他の植物

カワラサイコシオガマの仲間

陽当たりのよい石灰岩の岩峰に生育するカワラサイコ<del>シオガマの仲間</del> 。2018年9月17日 富士見町南部周辺
カワラサイコシオガマの仲間
※詳しい方に教えていただき、訂正いたします。2021年6月28日




トモエシオガマ

カラマツ林林縁に生育。2018年9月17日 富士見町南部周辺 カラマツ林林縁に生育。2018年9月17日 富士見町南部周辺
(1)(2)トモエシオガマ




トダイハハコヤハズハハコ

陽当たりのよい石灰岩の岩峰に生育するトダイハハコ。2018年9月17日 富士見町南部周辺 トダイハハコ。2018年9月17日 富士見町南部周辺
(1)(2)トダイハハコ

トダイハハコ、花。2018年9月17日 富士見町南部周辺
トダイハハコ、花




クサボタン

陽当たりのよい石灰岩の岩峰に生育するクサボタン。2018年9月17日 富士見町南部周辺 クサボタン。2018年9月17日 富士見町南部周辺
(1)(2)クサボタン




ヨモギの仲間か

陽当たりのよい石灰岩の岩峰に生育。

ヨモギの仲間か。2018年9月17日 富士見町南部周辺 ヨモギの仲間か、葉。2018年9月17日 富士見町南部周辺 
(1)(2)ヨモギの仲間か




クロウメモドキ

陽当たりのよい石灰岩岩峰に生育。
陽当たりのよい石灰岩の岩峰に生育するクロウメモドキ。2018年9月17日 富士見町南部周辺 クロウメモドキ。2018年9月17日 富士見町南部周辺
(1)(2)クロウメモドキ




スグリ(日本固有種)

カラマツ樹林内、クモノスシダが生育する苔むした石灰岩上に生育。ヨーロッパ産西洋スグリ(グーズベリー)とは葉や実の形・刺の数などが異なる。あらためて果実が実っている時に撮影してみたい。

カラマツ樹林内背の低い石灰岩上に生育するスグリ(日本固有種)2018年9月17日 富士見町南部周辺 
スグリ(日本固有種)

スグリ(日本固有種)若い茎、1か所に3本の刺が生える。2018年9月17日 富士見町南部周辺 スグリ(日本固有種)1か所に3本の刺が生える。2018年9月17日 富士見町南部周辺
(1)スグリ(日本固有種)、若い茎
(2)スグリ(日本固有種)、刺




ツクバネ

石灰岩の岩峰やその周辺でよく見られる。半寄生植物。

石灰岩の岩峰や林内の石灰岩の崖の周辺に生育するツクバネ。2018年9月17日 富士見町南部周辺 
ツクバネ