釜無山石灰岩地帯 その1
今回は釜無山周辺、主に標高の低いところから中腹部(標高800~1100m)を歩いた。釜無山周辺の地質は、南は大鹿村周辺まで石灰岩が帯状に走っている。武甲山や奥多摩日原とは離れているが同じ地層で、中央構造線外帯の秩父帯と四万十帯の境(仏像構造線)となる。
林道沿いの周辺には石灰岩がところどころで顔を出し、大きな石灰岩の岩峰も見られる。陽当たりのよい岩峰の1つでは、クロウメモドキ、ハギの仲間、ツクバネ、トダイハハコヤハズハハコ、カワラサイコ、ススキ、クサボタン、イワギボウシ。シダではツルデンダ、クモノスシダ、オウレンシダ、イチョウシダ、イワヒバ、イワイヌワラビなどが見られた。また石灰岩地帯のカラマツ林林床ではタチヒメワラビ、オオヒメワラビ、オウレンシダ、ホソバナライシダ、ヘビノネゴザ、フジシダなどが見られた。カラマツ林内の石灰岩の岩上にはスグリ(日本固有種)が生育。今後、釜無山中腹~上部も歩いていきます。
オオヒメワラビ
イチョウシダ
タチヒメワラビ
イワイヌワラビ
石灰岩の岩峰の周辺部、石灰岩礫が堆積する斜面に生育。葉身はヘビノネゴザに似るがそれよりも細身で葉柄はあまり赤みを帯びない。包膜は三日月形~馬蹄形で辺縁には粗い鈍鋸歯がある。
※当時は変わったヘビノネゴザ程度に考えていましたが、写真を再確認しイワイヌワラビであることが分かりました。2021年7月5日。
石灰岩礫が堆積する斜面に生育するイワイヌワラビ
(1)(2)イワイヌワラビ、胞子嚢群
石灰岩地帯で見られたその他の植物
カワラサイコシオガマの仲間
カワラサイコシオガマの仲間
※詳しい方に教えていただき、訂正いたします。2021年6月28日
トモエシオガマ
トダイハハコヤハズハハコ
クサボタン
ヨモギの仲間か
陽当たりのよい石灰岩の岩峰に生育。
クロウメモドキ
陽当たりのよい石灰岩岩峰に生育。
(1)(2)クロウメモドキ
スグリ(日本固有種)
カラマツ樹林内、クモノスシダが生育する苔むした石灰岩上に生育。ヨーロッパ産西洋スグリ(グーズベリー)とは葉や実の形・刺の数などが異なる。あらためて果実が実っている時に撮影してみたい。
(1)スグリ(日本固有種)、若い茎
(2)スグリ(日本固有種)、刺
ツクバネ
石灰岩の岩峰やその周辺でよく見られる。半寄生植物。