エゾノヒメクラマゴケ Selaginella helvetica
イワヒバ科イワヒバ属
①切り立った石灰岩のザレに生育するエゾノヒメクラマゴケと立ち枯れして残留する胞子をつける枝(右)
生育している環境:石灰岩上や石灰岩のザレ場。ほぼ切り立った岩壁や風化したザレの崖に生育。2地点で点在して群生。
観察された特徴:腹葉の大きさは1,0~1,5㎜、背葉はそれよりも小さい。腹葉は歪な広卵形・背葉は長卵形の2形。明るいところに生育する株は葉を込み合ってつけるが、薄暗いところではやや間隔をあけて葉をつける。腹葉・背葉ともに辺縁にはごく小さな鋸歯がある。腹葉・背葉をつけた茎は長く這い、胞子をつける枝を立ち上げる。胞子をつける枝は長さが2~5㎝、途中で2~3叉し、葉は2形を示さず同形となり、胞子を飛散させた後枯れるが枯れた茎は立ち枯れしたまま残存する。よく似たタチクラマゴケとは以下の点で異なる。①葉がやや小さい。②胞子をつける枝は立ち枯れしたまま残存する。③石灰岩あるいは石灰岩が含まれる岩に生育する。
⑧エゾノヒメクラマゴケ、腹葉の辺縁の鋸歯
⑨エゾノヒメクラマゴケ、背葉の辺縁の鋸歯
⑩エゾノヒメクラマゴケ、胞子をつける枝
⑪エゾノヒメクラマゴケ、胞子のう
⑭エゾノヒメクラマゴケ、新しく伸び始めている胞子をつける枝
⑮エゾノヒメクラマゴケ、枯れた胞子をつける枝と新しく伸び始めている胞子をつける枝