ハツキイヌワラビ(ホソバイヌワラビ×タニイヌワラビ)Athyrium x pseudoiseanum
メシダ科 メシダ属
谷沿いのややウエットなスギ・ヒノキ植林地林床に生育するハツキイヌワラビ(ホソバイヌワラビ×タニイヌワラビ)
生育している環境:谷沿いのややウエットなスギヒノキ植林地林床。ホソバイヌワラビやタニイヌワラビが生育するところで見られる。
※この標本は観察会の同行の方が金華山周辺で採取されたものを持参してくださったものである。
観察された特徴:半常緑性、冬でも枯れにくい。葉柄基部の鱗片は両親の中間の黒褐色で辺縁は淡色になることがある。葉の大きさは35~45㎝、黄緑色~鮮緑色。葉の手触りは厚みがあり常緑性のタニイヌワラビに似るが、小羽片には明瞭な鋸歯がありホソバイヌワラビに似、また小羽軸上には短い棘が確認できる。胞子のう群は中肋寄りにつく。胞子のようすを観察すると胞子数は50~60個確認できるが大きさには大小があり形は歪なものが多く雑種の特徴を表している。
②ハツキイヌワラビ(ホソバイヌワラビ×タニイヌワラビ)、葉身
③ハツキイヌワラビ(ホソバイヌワラビ×タニイヌワラビ)、羽片
④⑤ハツキイヌワラビ(ホソバイヌワラビ×タニイヌワラビ)、葉柄基部の鱗片
⑥⑦ハツキイヌワラビ(ホソバイヌワラビ×タニイヌワラビ)、小羽片および小羽軸上の棘
⑧ハツキイヌワラビ(ホソバイヌワラビ×タニイヌワラビ)、羽片裏側
⑨ハツキイヌワラビ(ホソバイヌワラビ×タニイヌワラビ)、胞子のう群