ヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)
ホングウシダ科 エダウチホングウシダ属
以前詳しい方に、写真を見ていただいたとこと「ヒメエダウチホングウシダの雑種ではないか」とのコメントを頂きましたが、今回、胞子を観察し有性生殖種であることが確認されました。再度見ていただいたところ「日本産シダ植物標準図鑑の352ページにヒメエダウチホングウシダモドキという名前があります。これに該当するかもしれません。」とのコメントを頂きました。2021年8月
ヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)
生育している環境:標高の低い森。川沿いの疎林内で生育場所はやや明るい。ウエットな湿地状になった水辺の岩上や土塊上に島状にまとまって狭い範囲に群生。
観察された特徴:根茎はあまり長く這わず混み合って葉をつける。2形性を示し、栄養葉は5~7㎝、葉身下部では2回羽状に分かれる。羽片は2㎝程度。小羽片は0.5㎝程度で形は手のひら状に切れ込む。胞子葉は長さ7~12㎝(葉柄は3~5㎝)・幅は4~5㎝、葉身下部では2回羽状に分かれる。胞子をつけた小羽片は扇形で切れ込まないか1~2回切れ込みが入る。葉の端に沿って包膜がつく。包膜は扇形~半円形で切れ込まないで連続するか1~2回切れ込みが入る。
シンエダウチホングウシダ はずっと大きく、胞子をつける葉は20~30㎝。栄養葉は胞子葉にくらべ小さく、10㎝程度の葉をつけ、羽片(小羽片)の辺縁には浅い鋸歯が見られる。
ヒメホングウシダとも間違いやすいが、ヒメホングウシダは、葉の大きさがもう少し大きく10~20㎝。2回羽状に分かれ小羽片が切れ込み、それぞれの裂片の端に胞子嚢群をつけ、短い(小さい)包膜がつく。モッチョム岳500~600mの山道沿い乾燥気味の林床でやや普通に見られる。
(1)ウエットな環境に群生するヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)
(2)ヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)、栄養葉は羽片が切れ込んでいるが、胞子をつけた葉は円形
(1)ヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)、葉身下部羽片
(2)ヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)、葉身上部羽片
(1)ヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)、羽片
(2)ヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)、胞子嚢群
2021年4月 再訪
シイの落葉と同じ大きさのヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)
(1)(2)やや明るい林内の沢沿いに生育するヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)
(1)(2)ヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)、胞子葉
(1)(2)ヒメエダウチホングウシダモドキかヤクシマシンエダウチホングウシダ(仮称)、胞子葉と栄養葉