コハイホラゴケ Vandenboschia ×stenosiphon 

コケシノブ科 ハイホラゴケ属

標本1
林内の岩壁に群生するコハイホラゴケ。2020年2月11日 奥湯河原 
林内の岩壁に群生するコハイホラゴケ

※詳しい方に画像を見て頂き、標本2はハイホラゴケからコハイホラゴケの訂正いたしました。また、頂いたコメントを掲載させていただきます。2020年4月18日
標本1はコハイホラゴケでよいと思います。包膜の辺縁が切れ込んでいる状態が固定しているのであれば、何らかのランクで分けてもよいかもしれません。
標本2は、標本1とは異なる形態ですが、これもコハイホラゴケの可能性が高いと思います。ハイホラゴケの可能性はゼロとはいえませんが、形態的にはコハイホラゴケの範疇だと思います。コハイホラゴケ、セイタカホラゴケなどの雑種は形態変異の幅が大きく、“これが同じもの?”と首をかしげることがよくあります。Vandenboschia kalamocarpaハイホラゴケは、今まで見てきた範囲では、葉身があまり波打たず、どちらかといえば扁平で、切れ込みが浅く、裂片も重なり合うことは殆どありません。他方、ヒメハイホラゴケはご承知の通り、よく切れ込み、葉身は立体的で“ふわふわ”した感じがあり、標本にすると重なりあっていることがよく分かります。コハイホラゴケ、ホクリクハイホラゴケ、ミウラハイホラゴケはヒメハイホラゴケの遺伝子を半分持っていますので、多少立体的になりますが、もちろん例外もあります。ご存知の通り、雑種は必ずしも両親種の中間型ではなく、どちらか一方に良く似ている場合があります。オオハイホラゴケはどちらかといえば扁平ですが、葉身のサイズや根茎の太さがハイホラゴケとは全く異なりますので、ハイホラゴケとの区別に迷うことはないと思います。但し、セイタカホラゴケの極端に大型のものはオオハイホラゴケと、小型で切れ込みの浅いものはハイホラゴケと迷うものがあります。このような紛らわしい型は胞子を調べる必要があります。なお、ミウラハイホラゴケ、ホクリクハイホラゴケ、イズハイホラゴケは雑種起源の4倍体種ですから、倍数性が分かればそれぞれの親種(2倍体あるいは3倍体?)との区別は可能です。雑種のままと思われるミツイシハイホラゴケ、コハイホラゴケ、セイタカホラゴケは、形態的にはそれぞれミウラハイホラゴケ、ホクリクハイホラゴケ、イズハイホラゴケとの区別は困難ですが、胞子を丹念に調べることで判断するしかないと思います。

生育している環境:林内、傾斜のきつい谷沿いに露出する岩壁に群生。

観察された特徴:ハイホラゴケとヒメハイホラゴケの雑種と推定される。常緑性。葉は広披針形、葉の大きさは先ほどのハイホラゴケとほぼ同じで10~12㎝。裂片はハイホラゴケにくらべると幅が細く深く切れ込む。包膜の辺縁は多少変化はあるが辺縁は凸凹する。胞子は全体の数が少なく大きさ・形は不整。

林内の岩壁に群生するコハイホラゴケ。2020年2月11日 奥湯河原 
林内の岩壁に群生するコハイホラゴケ

コハイホラゴケ、葉は広披針形・それほど波打たず平面的。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、3~4回羽状に分かれる。2020年2月11日 奥湯河原 
(1)コハイホラゴケ
(2)コハイホラゴケ、葉身

コハイホラゴケ、根茎には黒褐色の毛が密生する。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、根茎には黒褐色の毛が密生する。2020年2月11日 奥湯河原 
コハイホラゴケ、根茎

コハイホラゴケ、葉柄には基部から翼がつく。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、葉柄の翼は波打つことがある。2020年2月11日 奥湯河原  
(1)(2)コハイホラゴケ、同じ株の葉柄

コハイホラゴケ、中軸・羽軸には波打った翼がつく。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、中軸・羽軸には波打った翼がつく。2020年2月11日 奥湯河原  
(1)(2)コハイホラゴケ、中軸・羽軸

コハイホラゴケ、羽片。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、羽片。2020年2月11日 奥湯河原 
(1)(2)コハイホラゴケ、羽片

コハイホラゴケ、羽片。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、羽片。2020年2月11日 奥湯河原 
(1)(2)コハイホラゴケ、羽片

コハイホラゴケ、包膜の辺縁は多少凸凹する。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、包膜の辺縁は多少凸凹する。2020年2月11日 奥湯河原  
(1)(2)コハイホラゴケ、包膜

コハイホラゴケ、包膜の辺縁は多少凸凹する。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、包膜の辺縁は多少凸凹する。2020年2月11日 奥湯河原 
(3)(4)コハイホラゴケ、包膜

コハイホラゴケ、包膜の中から出てきた胞子嚢。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、1つの胞子嚢の中にはいくつかの胞子は見られるが、不稔な胞子が多く混ざっている。2020年2月11日 奥湯河原 
(1)(2)コハイホラゴケ、包膜を壊したようす

コハイホラゴケ、1つの胞子嚢の中にはいくつかの胞子は見られるが、不稔な胞子が多く混ざっている。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、1つの胞子嚢の中にはいくつかの胞子は見られるが、不稔な胞子が多く混ざっている。2020年2月11日 奥湯河原 
(1)(2)コハイホラゴケ、包膜を壊したようす

コハイホラゴケ、確認できる胞子数は少ない。胞子の大きさには大小があり歪なものが混ざり、不稔な胞子が多く見られる。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、確認できる胞子数は少ない。胞子の大きさには大小があり歪なものが混ざり、不稔な胞子が多く見られる。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、確認できる胞子数は少ない。胞子の大きさには大小があり歪なものが混ざり、不稔な胞子が多く見られる。2020年2月11日 奥湯河原 
(1)(2)(3)コハイホラゴケ、1つの胞子嚢を壊したようす





標本2
標本1が生育している場所から50mほど上部で観察。観察会の報告では最初ハイホラゴケとしましたが詳しい方に画像を見て頂きコハイホラゴケに訂正しました。2020年4月18日。

林内の岩壁に群生するコハイホラゴケ(先端が欠けている) 2020年2月11日 奥湯河原
コハイホラゴケハイホラゴケ 

生育している環境:林内、傾斜のきつい谷沿いに露出する岩壁に群生。

観察された特徴:常緑性。葉は広披針形、葉の大きさは標本1のコハイホラゴケとほぼ同じで10~12㎝。葉柄~中軸にかけて幅の広い翼を形成。羽片は多少波打つものからあまり波打たないものまである。裂片は標本1のコハイホラゴケににくらべると幅広く切れ込みは浅い。包膜の辺縁は全縁でなめらか。
胞子の観察から:胞子数は45~60個程度確認でき、大きさ・形は歪なもの~整ったものまで見られ、雑種~有性生殖種を疑わせるものまで見られた。胞子数や胞子の大きさ・形は正常

ハイホラゴケの仲間は外観による区別が難しく、この標本もハイホラゴケと思われるが、小さなミウラハイホラゴケという可能性も考えなけばならない。

コハイホラゴケ、ぽってりとした感じ、標本1のコハイホラゴケのような繊細さはない。(羽片はうねっていない)。2020年2月11日 奥湯河原 
林内の岩壁に群生するコハイホラゴケハイホラゴケ

コハイホラゴケ、羽片はうねるように立体的に見える。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ。標本1のコハイホラゴケのほうが裂片が細長く繊細。2020年2月11日 奥湯河原
(1)(2)コハイホラゴケハイホラゴケ

コハイホラゴ、根茎には黒褐色の毛が密生する。2020年2月11日 奥湯河原  
コハイホラゴケハイホラゴケ、根茎

コハイホラゴ、葉柄の下から1/3くらいから次第に翼は広くなる。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴ、葉柄上部~中軸の翼は2.5~3.0mm。2020年2月11日 奥湯河原  
(1)(2)コハイホラゴケハイホラゴケ、葉柄

コハイホラゴケ、中軸。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、中軸上には微細な突起が線状に並ぶ。2020年2月11日 奥湯河原 
(1)(2)コハイホラゴケハイホラゴケ、中軸

標本1のコハイホラゴケにくらべ裂片は幅広く短い。2020年2月11日 奥湯河原 標本1のコハイホラゴケにくらべ裂片は幅広く短い。2020年2月11日 奥湯河原  
(1)(2)コハイホラゴケハイホラゴケ、羽片

標本1のコハイホラゴケにくらべ裂片は幅広く短い。2020年2月11日 奥湯河原 採取したコハイホラゴケは多少羽片はうねるように波打っていた。2020年2月11日 奥湯河原  
(1)(2)コハイホラゴケハイホラゴケ、羽片

コハイホラゴケ、包膜。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、包膜。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、包膜。2020年2月11日 奥湯河原
(1)(2)(3)コハイホラゴケハイホラゴケ、包膜

コハイホラゴケ、包膜。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、包膜。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、包膜。2020年2月11日 奥湯河原
(4)(5)(6)コハイホラゴケハイホラゴケ、包膜

コハイホラゴケ、包膜の中から出てきた胞子嚢。2020年2月11日 奥湯河原 
コハイホラゴケハイホラゴケ、包膜を壊したようす

コハイホラゴケ、胞子嚢は光を通さず、内容が充実していることが分かるものとそうでないものが見られる。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、胞子嚢の中には一部胞子が不充実に見えるものも見られる(光が透けている)。2020年2月11日 奥湯河原 
(1)(2)コハイホラゴケハイホラゴケ、胞子嚢

コハイホラゴケ、胞子数は45個程度確認、大きさ・形は整う。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、胞子数は45個程度確認、大きさ・形は整う。2020年2月11日 奥湯河原
(1)(2)コハイホラゴケハイホラゴケ、1つの胞子嚢を壊したようす

コハイホラゴケ、胞子数は60個程度確認、大きさ・形とも整い有性生殖種を疑わせる。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、胞子は正常。2020年2月11日 奥湯河原
(3)コハイホラゴケハイホラゴケ、1つの胞子嚢を壊したようす
(4)、(3)の一部を拡大

コハイホラゴケ、胞子上面。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、胞子側面。2020年2月11日 奥湯河原
(1)コハイホラゴケハイホラゴケ、胞子上面
(2)コハイホラゴケハイホラゴケ、胞子上面

コハイホラゴケ、胞子上面。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、胞子側面。2020年2月11日 奥湯河原
(1)コハイホラゴケハイホラゴケ、胞子上面
(2)コハイホラゴケハイホラゴケ、胞子上面

コハイホラゴケ、胞子上面。2020年2月11日 奥湯河原 コハイホラゴケ、胞子側面。2020年2月11日 奥湯河原
(1)コハイホラゴケハイホラゴケ、胞子上面
(2)コハイホラゴケハイホラゴケ、胞子上面



標本2 以前に同じ場所で撮影 2012年9月15日 

コハイホラゴケ 2012年9月15日天照神社参道  
ハイホラゴケ

コハイホラゴケ、葉身。 2012年9月15日天照神社参道 コハイホラゴケ、胞膜の先端は全縁。 2012年9月15日天照神社参道
コハイホラゴケ 葉身(左上)
コハイホラゴケ 胞子のう群(右上)



標本2 以前に同じ場所で撮影。2010年9月11日
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コハイホラゴケ

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コハイホラゴケ、包膜