ミヤマキヨタキシダ (ミヤマシダ×キヨタキシダ)
イワデンダ科 ヘラシダ属 Diplazium sibiricum var. glabrum ×squamigerum
生育している環境:ミヤマシダとキヨタキシダの雑種と推定される。湯河原では静岡県境の谷およびパークウェイ沿いの谷、標高400~600mの渓谷沿いのウエットな林内・林縁に生育。
観察された特徴:夏緑性。観察された個体数は少なく、単体で生育しており少数の葉をまとまってつけていた。ここで観察された個体の葉の大きさは40~70㎝。葉身の形はやや幅の広い三角形、羽片はキヨタキシダに似でミヤマシダよりも羽片数は多く羽片の幅は狭い。(ミヤマシダは羽片数が少なく羽片の幅が広い。最下羽片はやや下向きにつく)葉はミヤマシダ同様に三回羽状に分かれるが、葉身中部の小羽片の形を比較するとキヨタキシダに似て広三角形~広卵形でミヤマシダのように長卵形~長楕円形にはならない。裂片の辺縁には鋸歯がある。胞子のう群は中肋寄りにつき大きく弧を描く三日月形。包膜はとこところどころ切れ込み辺縁には細鋸歯がある。
生育確認数:2地点。6株
ミヤマキヨタキシダ、葉身中部の小羽片(上左)
ミヤマキヨタキシダ、包膜(上右)