相模湖周辺の谷では、林道沿いのコンクリートブロックの擁壁や人家の石垣などにノキシノブの仲間がたくさん生育しています。このあたりの谷では雑種は無視できないほど見られます。ノキシノブ・クロノキシノブ・ヒメノキシノブ・フジノキシノブなどの有性生殖種とそれらの雑種が生育しており、その判別は難しいです。根茎の形状・葉の色・厚さ・長さ・幅・硬さ・艶の有無・葉の波打ちなど表面の形状・葉柄~葉身基部のようす・中軸などのようす・雑種についてはその個体の周りに生育している有性生殖種の分布など。それらの特徴から分類しましたが、今のところ最後は胞子の状態を観察して有性生殖種か雑種かを確認しないと安心できません。間違っている可能性がありますが1つの資料として紹介します。ご覧になってご意見を頂けるとありがたいです。※雑種については正式名が分かりませんので「仮称」としています。
※詳しい方に写真を見て頂き、いくつのシダについて頂いたコメントを追記しました。
※雑種と親種のいくつかについては、専門家の方に染色体の倍数性を調べていただきました。その結果、誤りが分かったものは訂正しています。2020年7月10日
目次
ノキシノブ1
ノキシノブ2 大きい個体
ノキシノブ3 葉柄ー中軸向軸側黒褐色
ノキシノブ6 大きい個体
ノキシノブ8 小さい個体
ノキシノブ9 小さい個体
クロノキシノブ1
クロノキシノブ2
クロノキシノブ3
クロノキシノブ4
クロノキシノブ5
クロノキシノブの根茎
フジノキシノブ1
フジノキシノブ2
フジノキシノブ4
フジノキシノブ6
フジノキシノブ7倍数性確認
フジノキシノブ8
ヒメノキシノブ1
ヒメノキシノブ2
ヒメノキシノブ3 歪な胞子が混ざる
ヒメノキシノブ4 尖った葉先
ノキシノブ×フジノキシノブ2倍数性確認
ノキシノブ×フジノキシノブ3不明雑種
クロノキシノブ×フジノキシノブ1倍数性確認
クロノキシノブ×フジノキシノブ3
クロノキシノブ×フジノキシノブ4倍数性確認
クロノキシノブ×フジノキシノブ5倍数性確認フジノキシノブ×ノキシノブ1
クロノキシノブ×フジノキシノブ6ノキシノブ×クロノキシノブ6
ノキシノブ×クロノキシノブ3 中軸に沿って谷折りに広い角度のV字をなす
ノキシノブ×クロノキシノブ5 中軸に沿って谷折りに広い角度のV字をなす
ノキシノブ×クロノキシノブ1倍数性確認
ノキシノブ×クロノキシノブ7倍数性確認クロノキシノブ×フジノキシノブ2
ヒメノキシノブ×ノキシノブ1(アシガラノキシノブ1)
ノキシノブ1
生育している環境:夏緑広葉樹の幹に生育。
観察された特徴:有性生殖種、ノキシノブと思われる。根茎は短く葉を込み合ってつける。葉柄ははっきりせず黒褐色を帯びないことが多い。葉身は線形~長紡錘形、葉の大きさには変化があり10~13㎝、葉面は平面~中軸を挟んで盛り上がることがある。胞子嚢群は葉身の上から2/3~半分につき中間につく。1つの胞子嚢に60個程度の胞子を持ち胞子大きさ・形とも整い有性生殖種。
(1)ノキシノブ、葉身基部
(2)ノキシノブ、葉身および中軸
(1)ノキシノブ、葉の裏(胞子を観察した葉)
(2)ノキシノブ、胞子嚢群
ノキシノブ2
生育している環境:夏緑広葉樹(ソメイヨシノ)の幹に生育。
観察された特徴:有性生殖種、ノキシノブと思われる。大きなノキシノブである。根茎は短く葉を込み合ってつける。柄は2~3㎝あり緑色。葉身は線形~長紡錘形、葉の大きさには変化があり20~25㎝、黄緑色~鮮緑色で光沢があり、葉の質は厚く硬い。葉面は平面~中軸を挟んでやや盛り上がることがある。胞子嚢群は葉身の上から2/3~半分につき中間につく。1つの胞子嚢に60個程度の胞子を持ち胞子大きさ・形とも整い有性生殖種。
(1)ノキシノブ、葉身下部中軸
(2)ノキシノブ、葉身上部中軸
(1)ノキシノブ、葉(胞子を観察した葉)
(2)ノキシノブ、葉裏側(胞子を観察した葉)
胞子嚢2(未熟な胞子嚢)
ノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
ノキシノブ3 葉柄ー中軸表側が黒い
頂いたコメント:葉柄基部が濃褐色でクロノキシノブ的ですが、葉が古くなると軸が色づくことがあります。新葉で観察する必要があると思います。
生育している環境:夏緑広葉樹の幹に生育。
観察された特徴:有性生殖種、ノキシノブと思われる。根茎は短く葉を込み合ってつける。葉柄ははっきりせず黒褐色~淡緑色。葉身は長紡錘形、葉の大きさには変化があり10~15㎝、葉面は平面~中軸を挟んで盛り上がることがある。胞子嚢群は葉身の上から2/3~半分につき中間につく。1つの胞子嚢に60個程度の胞子を持ち胞子大きさ・形とも整い有性生殖種。
(1)葉を込み合ってつけるノキシノブ、葉身基部表側
(2)葉を込み合ってつけるノキシノブ、葉身基部裏側
その後、撮影 2020年6月26日
春先に伸びたばかりの葉の中軸は黒褐色を帯びていた。
ノキシノブ、新しく展開した新葉
ノキシノブ6ノキシノブあるいはフジノキシノブ×ノキシノブ※胞子が微妙に乱れている
ノキシノブノキシノブあるいはフジノキシノブ×ノキシノブ(サガミコノキシノブ)
生育している環境:谷間の民家の北面の苔むした石垣に生育。上部にあまり遮るものが無く明るい環境。
観察された特徴:有性生殖種、ノキシノブと思われる。よく成長した大きな株である。根茎は短く葉を込み合ってつける。柄は明瞭ではなく淡緑色。葉身は線形~長紡錘形、葉の大きは15~20㎝、鮮緑色~黄緑色で光沢があり、葉はストレートにもうねるように波打っているようにも見える。葉の質は厚く硬い。葉面は平面~中軸を挟んでやや盛り上がることがある。中軸は葉身下部~中部では盛り上がるが葉の上部では凹む。胞子嚢群は葉身の上から2/3~半分につき中間につく。
1つの胞子嚢に60個程度の胞子を確認。一部未成熟のため歪な胞子が混ざるがそのほかの胞子は大きさ・形が整い有性生殖種と思われる。胞子の大きさ・形は微妙に乱れているものも見られるが整っているものが多い。※ケモノ除けネットがかかっていたので自然な形が分かりずらい。改めて生態写真を撮りたい。
(1)(2)ノキシノブノキシノブあるいはフジノキシノブ×ノキシノブ、葉身
(1)(2)ノキシノブノキシノブあるいはフジノキシノブ×ノキシノブ、葉身基部の鱗片
(1)ノキシノブノキシノブあるいはフジノキシノブ×ノキシノブ、葉身下部
(2)ノキシノブノキシノブあるいはフジノキシノブ×ノキシノブ、葉身中部
(1)ノキシノブノキシノブあるいはフジノキシノブ×ノキシノブ、葉身中部
(2)ノキシノブノキシノブあるいはフジノキシノブ×ノキシノブ、葉身上部
(1)ノキシノブノキシノブあるいはフジノキシノブ×ノキシノブ、胞子嚢群(胞子を観察した葉)
胞子のようす
(1)(2)ノキシノブノキシノブあるいはフジノキシノブ×ノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)ノキシノブノキシノブあるいはフジノキシノブ×ノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
ノキシノブ8 ごく小さい個体
生育している環境:山が迫った谷の中、2019年台風19号で倒れた川沿いの急斜面に生育するケヤキ、地上から10~12m上部の樹幹に着生。
観察された特徴:有性生殖種。ノキシノブと思われる。葉は2~2.5㎝、最初ヒメノキシノブかとも思ったが葉身基部は急に狭くならず少しずつ葉柄に移行する。胞子の形状はヒメノキシノブの特徴を示していない。胞子数は60個程度確認でき、大きさ形も整い有性生殖種。樹幹の上部という環境のためごく小さな個体となったのかもしれない。
ノキシノブ9 ごく小さい個体
生育している環境:相模川沿いの渓谷、近くには国道20号が走る。サクラの樹幹に、樹冠に覆われているがやや明るく風通しがよい環境。
観察された特徴:有性生殖種、ノキシノブと思われる。ヒメノキシノブと一緒に生育していたのでヒメノキシノブかその雑種ではないかと思った。
根茎は短く葉を混み合ってつける。葉柄と葉身の区別不明瞭。葉の長さは3㎝程度、線形~倒披針形、艶はない。葉身の基部は根茎近くまで翼状に続き、葉身先端は鈍頭。胞子嚢群はこの個体では葉身先端付近に2個着けていた。
クロノキシノブ1
生育している環境:夏緑広葉樹の幹に生育。周辺にはノキシノブが生育。
観察された特徴:有性生殖種、クロノキシノブと思われる。根茎は長く這い葉はあいだを開けてつける。葉柄は明瞭で2~3㎝、黒褐色~臙脂色を帯びる。葉身は線形で10~15㎝、濃緑色~暗緑色、葉面は平面的~谷折りに広い角度をなす。胞子嚢群は葉身の上半分につき中間につく。1つの胞子嚢に60個程度の胞子を持ち胞子大きさ・形とも整い有性生殖種。
(1)クロノキシノブ、葉柄
(2)クロノキシノブ、胞子を観察した葉
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
胞子嚢2
クロノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
※胞子は見る角度によって球形に見えることがある
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
クロノキシノブ2
生育している環境:両側の谷が迫った谷沿いの石垣に生育。
観察された特徴:有性生殖種、クロノキシノブと思われる。葉をまばらにつけ根茎が長く這っていることを物語っている。葉柄は明瞭で2~3㎝、黒褐色~えんじ色。葉は15~22㎝、線形、厚みがあり濃緑色~暗緑色。葉面は中軸を中心に平面~谷折りに広い角度をなす。胞子嚢群は葉身の上から半分程度につき中間につく。1つの胞子嚢に60個程度の胞子を持ち胞子大きさ・形とも整い有性生殖種。
(1)クロノキシノブ、胞子を観察した葉
(2)クロノキシノブ、胞子を観察した葉裏側
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
クロノキシノブ3
生育している環境:コケ類がよく茂る民家の北面の石垣に生育。
観察された特徴:有性生殖種、クロノキシノブと思われる。葉を間隔を開けてつけ根茎は長く這っていると思われる。葉柄は明瞭で黒褐色~臙脂色、長さは2㎝。葉身は線形で10~15㎝、厚味があり硬く、濃緑色~暗緑色・光沢があり、葉面は平面。胞子嚢群は葉身の上半分程度につき中間につく。1つの胞子嚢に60個程度の胞子を持ち胞子大きさ・形とも整い有性生殖種。
(1)クロノキシノブ、葉の裏側
(2)クロノキシノブ、胞子を観察した葉
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
クロノキシノブ4
生育している環境:コケ類がよく茂る民家の北面の石垣に生育。
観察された特徴:有性生殖種、クロノキシノブと思われる。葉を間隔を開けてつけており根茎は長く這っていると思われる。葉柄は明瞭で黒褐色~臙脂色、長さは2~3㎝。葉身は線形で8~16㎝、厚味があり硬く、濃緑色~暗緑色・光沢があり、葉面は平面。胞子嚢群は葉身の上半分程度につき中間につく。1つの胞子嚢に60個程度の胞子を持ち胞子大きさ・形とも整い有性生殖種。
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
クロノキシノブ5
生育している環境:両側の山が迫った谷、道路下の石垣に生育。樹冠が覆い薄暗い環境。
観察された特徴:有性生殖種、クロノキシノブと思われる。間隔を開けて葉をつけていて根茎は長く這っていることが想像できる。葉柄は明瞭で黒褐色~臙脂色、長さは2~3㎝。葉身は線形で14~20㎝、濃緑色~暗緑色、葉面は平面~谷折りの広いV字。胞子嚢群は葉身の上半分程度につき中間につく。1つの胞子嚢に60個程度の胞子を持ち胞子大きさ・形とも整い有性生殖種。
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
(1)クロノキシノブ、胞子上面
(2)クロノキシノブ、胞子側面
クロノキシノブの根茎
クロノキシノブの根茎の写真を紹介します。クロノキシノブの根茎は他のノキシノブの仲間にくらべ長く這うことが多いです。主に岩上で撮影したものが多く、根茎表面をコケなどが覆っていることが多く正確に根茎を写すことはできませんが、根茎の盛り上がりや葉が落ちたあとの葉柄痕・鱗片などでおおよそわかります。
フジノキシノブ1
※詳しくはこちら
生育している環境:山間の谷を通る林道の石垣に生育。付近の木の幹にはカヤランが着生、地衣が繁茂し、ウエットな空気に包まれる。北面の石垣上部に多少樹冠はあるが明るく風通しがよい環境。
観察された特徴:有性生殖種、フジノキシノブと思われる。葉柄と葉身の区別ははっきりしない。葉は長紡錘形~線形、葉の質はノキシノブにくらべやや柔らかく、葉はやや淡緑色、葉の裏側は白さが目立つ、葉の長さ・幅には変化があるが長さ7~19㎝、幅0.7~1.5㎝程度。葉身の中肋は浮き出る。葉の先はあまり長く伸びず鈍頭~鋭頭。胞子嚢群は葉身の上半分につき、中肋と辺縁の中間につく。胞子嚢群は大きく直径3㎜程度。盾状鱗片の辺縁はなめらかではない。
フジノキシノブ。葉は紡錘形で長さは18㎝・幅1.5㎝程度。葉の裏側は白っぽい。
(1)フジノキシノブ、葉身裏側
(2)フジノキシノブ、胞子嚢群
(1)フジノキシノブ、大きな葉の幅
(2)フジノキシノブと雑種のサガミコノキシノブ(仮称)の葉先比較
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
フジノキシノブ2
生育している環境:北面の石垣上部に多少樹冠はあるが明るく風通しがよい環境。
観察された特徴:有性生殖種、フジノキシノブと思われる。葉柄ははっきりせず葉身基部は淡緑色。葉の大きさは15~20㎝、線形~長紡錘形、葉の質はノキシノブにくらべ厚くなく柔らかく多少白緑色・光沢は乏しい。葉身は多少波打つことがあるが平面的。中軸は葉身の先のほうまで盛り上がる。胞子嚢群は葉身の上から半分程度につき中間につく。1つの胞子嚢に60個程度の胞子を持ち胞子大きさ・形とも整い有性生殖種。
(1)フジノキシノブ×ノキシノブ(左上)とフジノキシノブ(右下)
(2)フジノキシノブ、葉身裏側
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
胞子嚢4 未成熟
フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
フジノキシノブ4
生育している環境:谷間の林道沿い、石垣の上にスギ林を抱えた東に開けた明るい石垣。ノキシノブ・クロノキシノブ・フジノキシノブおよびそれらの雑種が生育する石垣。
観察された特徴:胞子はほぼ整い有性生殖種。フジノキシノブと思われる。根茎は長く這わず葉をまとまってつける。葉柄と葉身の境は不明瞭。葉の長さは12~18㎝、長紡錘形、白緑色~黄緑色、光沢は無く葉の質は薄く柔らかい。葉面葉やや波打つような感じがある。中軸は葉身の先のほうまで表面で浮き出る。胞子嚢群は葉の先のほうから半分程度につき中間につく。
胞子は未発達で歪なものが混ざるがそのほかの胞子葉整っているので有性生殖種でよいと考える。
(1)石垣に生育するフジノキシノブ
(2)フジノキシノブ。クロノキシノブ(未確認)の葉を持ち上げて撮影
(1)フジノキシノブ。葉身基部
(2)フジノキシノブ。葉身基部の鱗片
(1)フジノキシノブ、葉身中部
(2)フジノキシノブ、葉身上部
(1)(2)フジノキシノブ、葉身下部
(1)(2)フジノキシノブ、葉身中部
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
(1)フジノキシノブ、胞子上面
(2)フジノキシノブ、胞子側面
フジノキシノブ6(緑色がやや濃い)
専門家の方にこの個体の倍数性を調べていただきました。また、詳しい方からコメントを頂きました。2020年7月3日
''この個体の染色体の解析結果:染色体・倍数性は確認できず 胞子:充実。
''倍数性を観察できなかったとのことで、胞子からの判断ですが、フジノキシノブでよいと思います。2020年7月3日
生育している環境:両側の山が迫った谷間、東に開けた道路沿いのコンクリートブロックの擁壁面に生育。擁壁の上にがスギ林がある。谷側の道路わきは下の渓谷まで切り立つように擁壁になり、そのよう壁面に生育。周辺にはノキシノブ、クロノキシノブ、それらの雑種が生育。
観察された特徴:有性生殖種、フジノキシノブと思われる。フジノキシノブにしては緑色が濃い。葉柄は短く黒褐色を帯ず葉身との境は不明瞭。葉は15㎝程度、長紡錘形、光沢は無く、葉は緩やかに波打ち、葉の先は尖るが尾状にならない。胞子は60個程度確認、大きさ・形が整い有性生殖種。
胞子嚢のようす(1つの胞子嚢を壊したようす)
(1)フジノキシノブ、胞子嚢1
(2)フジノキシノブ、胞子嚢2
(3)フジノキシノブ、胞子嚢3
胞子のようす
(1)フジノキシノブ胞子嚢1胞子a、胞子上面
(2)フジノキシノブ胞子嚢1胞子a、胞子側面
(3)フジノキシノブ胞子嚢1胞子b、胞子上面
(4)フジノキシノブ胞子嚢1胞子b、胞子側面
(5)フジノキシノブ胞子嚢1胞子c、胞子上面
(6)フジノキシノブ胞子嚢1胞子c、胞子側面
(1)フジノキシノブ胞子嚢2胞子a、胞子上面
(2)フジノキシノブ胞子嚢2胞子a、胞子側面
(3)フジノキシノブ胞子嚢2胞子b、胞子上面
(4)フジノキシノブ胞子嚢2胞子b、胞子側面
(5)フジノキシノブ胞子嚢2胞子c、胞子上面
(6)フジノキシノブ胞子嚢2胞子c、胞子側面
フジノキシノブ7ノキシノブ4(黄緑色・艶無し・柔らかい)''
専門家の方にこの個体の倍数性を調べていただきました。また、詳しい方からコメントを頂きました。2020年7月3日
この個体の染色体の解析結果:染色体数は2n=ca100 倍数性は4倍体 胞子:充実
解析結果と外部形態とを総合的に勘案して判断しますと4倍体と観察されていますので、フジノキシノブでよいと思います。
フジノキシノブは4倍体 n=50であり、この個体の染色体数はおよそ100(ca100)確認でき、倍数性は4倍体で有性生殖種フジノキシノブ(4倍体)と考えられます。2020年7月3日
生育している環境:渓谷内道路脇、コンクリートの擁壁の陰に生育。上部をカラムシなどの高茎草本が覆い日陰となる。(冬は陽当たりがよい。)
観察された特徴:有性生殖種、フジノキシノブと思われる。葉柄は淡緑色で短く葉身基部との境が不明瞭。葉の大きさは13~18㎝・幅は0.8~1.5㎝、線形~紡錘形、光沢は無く、黄緑色で柔らかく、中軸は表面に浮き出ている。葉の先は鈍頭。胞子は60個程度確認、大きさ・形が整い有性生殖種。
(1)フジノキシノブが生育している環境
(2)フジノキシノブ
胞子嚢のようす(1つの胞子嚢を壊したようす)
(1)フジノキシノブ胞子嚢1
(2)フジノキシノブ胞子嚢2
胞子のようす
(1)フジノキシノブ胞子嚢1胞子a、胞子上面
(2)フジノキシノブ胞子嚢1胞子a、胞子側面
(3)フジノキシノブ胞子嚢1胞子b、胞子上面
(4)フジノキシノブ胞子嚢1胞子b、胞子側面
(5)フジノキシノブ胞子嚢1胞子c、胞子上面
(6)フジノキシノブ胞子嚢1胞子c、胞子側面
(1)フジノキシノブ胞子嚢2胞子a、胞子上面
(2)フジノキシノブ胞子嚢2胞子a、胞子側面
(3)フジノキシノブ胞子嚢2胞子b、胞子上面
(4)フジノキシノブ胞子嚢2胞子b、胞子側面
(5)フジノキシノブ胞子嚢2胞子c、胞子上面
(6)フジノキシノブ胞子嚢2胞子c、胞子側面
フジノキシノブ8ノキシノブ4(黄緑色・艶無し・柔らかい)
頂いたコメント:フジノキシノブの可能性がありますが、写真では難しいですね。倍数性はノキシノブが2倍体、フジノキシノブは4倍体ではっきりしているのですが・・・。
生育している環境:夏は上部をカラムシなどの高茎草本に覆われ日陰になるが冬はよく日の当たるコンクリートの擁壁。擁壁の窪みに生育。
観察された特徴:有性生殖種、色や柔らかさからフジノキシノブと思われる。%%の可能性も考えたが%%、中軸の飛び出しが不十分か。根茎は短く葉を込み合ってつける。葉柄ははっきりせず黒褐色を帯びない。葉身は線形~長紡錘形・8~15㎝・葉の質は柔らかく・黄緑色・艶は弱い。葉面は平面~中軸を挟んで盛り上がることがある。胞子嚢群は葉身の上1/3~半分につき中間~やや中軸寄りにつく。1つの胞子嚢に60個程度の胞子を持ち胞子大きさ・形とも整い有性生殖種。
フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、生育環境
(1)(2)(3)フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、葉身
(1)(2)フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、胞子を観察した葉
胞子嚢1
フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、1つの胞子嚢を壊したようす
(1)フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、胞子上面
(2)フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、胞子側面
(1)フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、胞子上面
(2)フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、胞子側面
胞子嚢2
フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、1つの胞子嚢を壊したようす
(1)フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、胞子上面
(2)フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、胞子側面
(1)フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、胞子上面
(2)フジノキシノブノキシノブ(黄緑色・艶無し・柔らかい)、胞子側面
ヒメノキシノブ1
生育している環境:相模川沿いの渓谷、近くには国道20号が走る。サクラの樹幹に、樹冠に覆われているがやや明るく風通しがよい環境。
観察された特徴:有性生殖種、ヒメノキシノブと思われる。根茎は長く這い、葉柄と葉身の区別明瞭。葉の長さはこの個体では2㎝程度、線形、艶はない。葉身の基部は急に狭まり葉柄繋がり葉身先端は円頭。胞子嚢群は葉身先端の末端に2個つけていた。
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
ヒメノキシノブ2
生育している環境:相模川沿い。近くには国道20号が走る。人家は少ないが人家に近い環境。数本生えているサクラの樹幹に生育。樹冠に覆われているがやや明るく風通しがよい環境。一緒にクロノキシノブやノキシノブの仲間の雑種が生育。
観察された特徴:有性生殖種、ヒメノキシノブと思われる。根茎は長く這い、葉柄と葉身の区別明瞭。葉の長さはこの個体では4㎝程度、線形、艶はない。葉身の基部は急に狭まり葉柄との境が明瞭、葉身先端は円頭。胞子嚢群は葉身先端に4個つけていた。
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
ヒメノキシノブ3 歪な胞子が混ざる
頂いたコメント:胞子がおかしいですね。雑種かもしれません。もうちょっと調べる必要があると思います。自然落下させた胞子で観察した場合はほぼ正常でも、標本などから無理に掻き落とした胞子では雑種ではなくても萎縮した胞子が混じることがあります。
生育している環境:相模川沿い。近くには国道20号が走る。人家は少ないが人家に近い環境。数本生えているサクラの樹幹に生育。樹冠に覆われているがやや明るく風通しがよい環境。一緒にクロノキシノブやノキシノブの仲間の雑種が生育。
観察された特徴:胞子嚢によっては、胞子嚢の中の歪な胞子が相当混ざることがあるがそのほかの胞子は大きさ・形が整い、有性生殖種か雑種か不明雑種ではなく有性生殖種と思われる。
根茎は長く這い、葉柄と葉身の区別明瞭。葉の長さはこの個体では4㎝程度、線形、艶はない。葉身の基部は急に狭まり葉柄との境が明瞭、葉身先端は円頭。胞子嚢群は葉身先端に4個つけていた。
(1)サクラの大木に群生するいろいろなノキシノブの仲間
(2)サクラの樹幹に生育するヒメノキシノブ
胞子嚢のようす
(1)ヒメノキシノブ胞子嚢1、歪な胞子数10個程度
(2)ヒメノキシノブ胞子嚢2、歪な胞子数3個程度
(3)ヒメノキシノブ胞子嚢3、歪な胞子数20個程度
(4)ヒメノキシノブ胞子嚢4、歪な胞子数5個程度
(5)ヒメノキシノブ胞子嚢5、歪な胞子数25個程度
(6)ヒメノキシノブ胞子嚢6、歪な胞子確認できない
胞子のようす
(1)ヒメノキシノブ胞子嚢5、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ胞子嚢5、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ胞子嚢6、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ胞子嚢6、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ胞子嚢4、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ胞子嚢4、胞子側面
ヒメノキシノブ4
頂いたコメント:胞子がおかしいですね。雑種かもしれません。もうちょっと調べる必要があると思います。自然落下させた胞子で観察した場合はほぼ正常でも、標本などから無理に掻き落とした胞子では雑種ではなくても萎縮した胞子が混じることがあります。
生育している環境:相模川沿い。近くには国道20号が走る。人家は少ないが人家に近い環境。数本生えているサクラの樹幹に生育。樹冠に覆われているがやや明るく風通しがよい環境。一緒にクロノキシノブやノキシノブの仲間の雑種が生育。
観察された特徴:根茎は長く這う。葉柄~葉身の基部は急に狭まり葉柄との境が明瞭なものとなだらかに葉柄に移行し境が不明瞭をなる葉がある。葉の長さはこの個体では4㎝程度、葉は線形、艶はない。葉身先端は円頭のものとやや尖ったものが混ざる。胞子嚢群は葉身先端につける。有性生殖種か雑種か不明雑種ではなく有性生殖種と思われる。
ヒメノキシノブそのほかのノキシノブの仲間が群生するサクラの木
(1)ヒメノキシノブ、葉身
(2)ヒメノキシノブ、葉柄~葉身基部
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
(1)ヒメノキシノブ、胞子上面
(2)ヒメノキシノブ、胞子側面
ノキシノブ×フジノキシノブ№2
専門家の方にこの個体の倍数性を調べていただきました。また、詳しい方からコメントを頂きました。2020年7月3日
この個体の染色体の解析結果:染色体数は2n=75 倍数性は3倍体 胞子:委縮。
解析結果と外部形態とを総合的に勘案して判断しますと3倍体でしたので、ノキ×フジと思われます。
染色体の倍数性は3倍体で親種はノキシノブ(2倍体)とフジノキシノブ(4倍体)の雑種と考えられます。
ノキ×フジの親種はノキシノブ(2倍体 n=25)とフジノキシノブ(4倍体 n=50)でノキ×フジは2n=75となります。
各地にノキシノブ×フジノキシノブ、ノキシノブ×クロノキシノブ、フジノキシノブ×クロノキシノブ、九州ではツクシノキシノブ×クロノキシノブと思われるものがあります
生育している環境:両側の山が迫った谷の東向きの石垣風通しの良くやや明るい石垣に生育。ウエットな空気に包まれ付近の木の幹には地衣と共にカヤランが着生する。
観察された特徴:胞子は乱れ雑種。フジノキシノブとノキシノブの雑種と推定される。葉柄と葉身の区別ははっきりしない。根茎は短くたくさんの葉をまとまって出す。葉は長紡錘形~線形、葉は多少波打ち、葉の質はノキシノブにくらべやや柔らかく、葉はやや淡緑色~黄緑色・光沢がある。葉の長さ・幅には変化があるが長さ15~23㎝、幅0.7~1.5㎝程度。葉身の中肋は浮き出る。胞子嚢群は葉身の上半分につき、中肋と辺縁の中間につく。胞子嚢群は大きく直径3㎜程度。胞子の大きさには大小があり歪な形のものが混ざり雑種と言える。同じ石垣周辺にはクロノキシノブ・ノキシノブが多いがフジノキシノブとノキシノブとの雑種と思われる。フジノキシノブとクロノキシノブとの雑種と思われるが片親がノキシノブの可能性も考えられる。今後、生育場所の石垣のノキシノブ類の分布状況を調べてみたい。
(1)ノキシノブ×フジノキシノブ、生育環境
(2)ノキシノブ×フジノキシノブ、葉身
(1)ノキシノブ×フジノキシノブ、葉
(2)ノキシノブ×フジノキシノブ、葉裏側
(1)ノキシノブ×フジノキシノブ、葉身基部の鱗片
(2)ノキシノブ×フジノキシノブ、葉身の鱗片
(1)(2)ノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)(4)ノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(5)ノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
「ノキ×フジ」と「フジノキシノブ」との葉先の比較
(1)ノキシノブ×フジノキシノブ、葉先
(2)ノキシノブ×フジノキシノブ(下)とフジノキシノブ(上)との葉先比
ノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種2020年7月10日訂正
※詳しい方からノキ×フジでよい、とのコメントを頂きました。2020年7月10日
生育している環境:谷沿いの道路、夏は上部をカラムシなどの高茎草本に覆われ日陰になるが冬はよく日の当たるコンクリートの擁壁。同じ擁壁にノキシノブ、クロノキシノブ、フジノキシノブが生育する。
観察された特徴:外観は黄緑色のノキシノブあるいはフジノキシノブに見えるが胞子は乱れ雑種と推定され、特徴から考えられる組み合わせはノキ×フジと考えられる。根茎は長く這わずたくさんの葉をまとまって出す。葉柄は短く葉身下部との境が分かりずらい。葉の大きさは15~23㎝、線形~長紡錘形。葉はやや光沢があり、色はやや淡緑色~黄緑色。葉面は平面的で中軸はやや飛び出す。胞子嚢群は葉身の上から半分程度に着き中間につく。
フジノキシノブに似ているところ:根茎は短く這う。葉柄は短い。葉身の幅が広い葉が見られる。葉はやや淡緑色~黄緑色。葉面が波打つ葉も見られる。フジノキシノブが近くに生えている。
ノキシノブに似ているところ:根茎は短く這う。葉柄は短い。葉身の幅が広い葉が見られる。葉は厚く葉は黄緑色。
(1)コンクリートの擁壁に生育するノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種
(2)ノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種、胞子嚢群
(1)ノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種、根茎および葉身基部
(2)ノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種、葉
(1)ノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種、葉身下部
(2)ノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種、葉身上部
(1)(2)ノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種、葉身および中軸
(1)(2)ノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種、胞子を観察した葉
(1)(2)ノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種、胞子を観察した葉の葉柄~葉身基部
(1)(2)ノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)(4)ノキシノブ×フジノキシノブ不明雑種、1つの胞子嚢を壊したようす
クロノキシノブ×フジノキシノブ№1
専門家の方にこの個体の倍数性を調べていただきました。また、詳しい方からコメントを頂きました。2020年7月3日
この個体の染色体の解析結果:染色体数は2n=>90 倍数性は4倍体 胞子:充実+委縮。
解析結果と外部形態とを総合的に勘案して判断しますと4倍体でしたので、クロ×フジと思われます。
染色体の倍数性は4倍体で親種はクロノキシノブ(4倍体)とフジノキシノブ(4倍体)の雑種と考えられます。
クロ×フジの親種はクロノキシノブ(4倍体 n=50型とn=51型)とフジノキシノブ(4倍体 n=50)でクロ×フジは2n=100となります。この個体は染色体数が90以上確認できています。
クロ×フジはノキシノブ、ナガオノキシノブ、ツクシノキシノブの3種のゲノムを持っており、その点ではミカワノキシノブと同じですが、ミカワノキシノブは6倍体です。
生育している環境:谷間の民家の苔むした石垣に生育。
観察された特徴:胞子が乱れ雑種。フィールドでの外観は葉の幅が広く、葉の質は厚く濃緑色の葉をまとまってつけていた。クロノキシノブとフジノキシノブの雑種と思われる。
根茎は短く葉は込み合ってつける。葉柄は明瞭で2~3㎝、黒褐色を帯びるが淡緑色のものも見られる。葉の長さ20~25㎝・幅1.2~1.6㎝、葉は厚く濃緑色~暗緑色で光沢は弱い・長紡錘形。葉面はうねるように波打つ。中軸は浮き出る、胞子嚢群は葉身の先から半分程度につき、大きく中間につく。胞子は大きさに大小があり・形が歪なものが多く雑種と考えられる。
クロノキシノブに似ているところ①葉柄が黒褐色。②葉は濃緑色~暗緑色。
フジノキシノブに似ているところ①根茎が短く這い葉を込み合ってつける。葉は長紡錘形。③葉はうねるように波打つ。④葉は光沢が弱い。
(1)(2)苔むした石垣に生育するクロノキシノブ×フジノキシノブ
(1)(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、胞子を観察した葉
(1)(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)(4)クロノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
クロノキシノブ×フジノキシノブ№3
クロノキシノブ×フジノキシノブ、覆いかぶさっているノキシノブの仲間を持ち上げて撮影
生育している環境:上部を樹冠に覆われた北面の石垣に生育する。風通しの良い石垣でそばにはフジノキシノブが数株生育している。フジノキシノブ×ノキシノブも生育している。
観察された特徴:胞子は乱れ雑種と推定される。観察された特徴から組み合わせはクロノキシノブ×フジノキシノブと推定した。葉柄は明瞭で1~2㎝あり黒褐色を帯びる。根茎は長く這わずまとまって葉を出す。葉の大きさは20~25㎝、線形~長紡錘形。葉は光沢の乏しい緑色~暗緑色で表面はやや波打つ。中軸はやや飛び出す。
(1)雨後、少し葉が展開したクロノキシノブ×フジノキシノブ
(2)乾燥気味で葉が内曲しているクロノキシノブ×フジノキシノブ
(1)(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、胞子を観察した葉の葉柄
(1)(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、胞子を観察した葉
(1)クロノキシノブ×フジノキシノブ、胞子を観察した葉(下部)
(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、胞子を観察した葉(上部)
(1)(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)(4)クロノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
クロノキシノブ×フジノキシノブ№4
専門家の方にこの個体の倍数性を調べていただきました。また、詳しい方からコメントを頂きました。2020年7月3日
この個体の染色体の解析結果:染色体数は2n=100 倍数性は4倍体 胞子:充実+委縮。
解析結果と外部形態とを総合的に勘案して判断しますと4倍体でしたので、クロ×フジと思われます。
染色体の倍数性は4倍体で親種はクロノキシノブ(4倍体)とフジノキシノブ(4倍体)の雑種と考えられます。
クロ×フジの親種はクロノキシノブ(4倍体 n=50型とn=51型)とフジノキシノブ(4倍体 n=50)でクロ×フジは2n=100となります。この個体は染色体数100確認されクロ×フジと言えます。
生育している環境:谷間の林道沿い、石垣の上にスギ林を抱えた東に開けた明るい石垣。ノキシノブ・クロノキシノブ・フジノキシノブおよびそれらの雑種が生育する石垣。
観察された特徴:胞子が乱れ雑種。クロノキシノブとフジノキシノブの雑種と思われる。根茎は短く葉を込み合ってつけ、葉をたくさんつけ大きな株になる。葉柄は明瞭で黒褐色を帯びる。葉は長紡錘形で幅が広く1.5㎝大きい葉では2㎝になり、濃緑色多少光沢があり葉は厚味があり葉の縁は多少波打つ。
クロノキシノブに似ているところ:①葉柄は明瞭で黒褐色を帯びる。②葉は厚味があり濃緑色。
フジノキシノブに似ているところ:①葉の辺縁が多少うねる(波打つ)②葉の幅が広い。③葉を込み合ってつける。
(1)周辺にも見られるクロノキシノブ×フジノキシノブ(胞子は調べていない)
(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ
(1)クロノキシノブ×フジノキシノブ、葉身
(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、葉身裏側
(1)(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)(4)クロノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
クロノキシノブ×フジノキシノブ№5フジノキシノブ×ノキシノブ№1
専門家の方にこの個体の倍数性を調べていただきました。また、詳しい方からコメントを頂きました。2020年7月3日
この個体の染色体の解析結果:染色体数は2n=100 倍数性は4倍体 胞子:充実+委縮。
解析結果と外部形態とを総合的に勘案して判断しますと4倍体でしたので、クロ×フジと思われます。
この個体の染色体の倍数性は4倍体で親種はクロノキシノブ(4倍体)とフジノキシノブ(4倍体)の雑種と考えられます。
クロ×フジの親種はクロノキシノブ(4倍体 n=50型とn=51型)とフジノキシノブ(4倍体 n=50)。この標本の染色体数は2n=100でクロ×フジと言えます。
クロノキシノブ×フジノキシノブフジノキシノブ×ノキシノブ
生育している環境:j上部は樹冠に覆われるが北面は開けている風通しの良い石垣。
観察された特徴:胞子は乱れ雑種と推定される。たくさんの葉をまとまって出す。葉の大きさは15~20㎝、中央の幅が最大で長紡錘形。葉はやや光沢が乏しく葉はやや波打ち、色はやや淡緑色・光沢は少なく。葉面は大きく波打ち平面的で中軸はやや飛び出す。クロノキシノブとフジノキシノブのフジノキシノブとノキシノブの雑種と推定される。
クロノキシノブ×フジノキシノブフジノキシノブ×ノキシノブ 、葉身
(1)クロノキシノブ×フジノキシノブフジノキシノブ×ノキシノブ 、胞子を採取した葉
(2)クロノキシノブ×フジノキシノブフジノキシノブ×ノキシノブ 、胞子を採取した葉裏側
(1)(2)クロノキシノブ×フジノキシノブフジノキシノブ×ノキシノブ 、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)クロノキシノブ×フジノキシノブフジノキシノブ×ノキシノブ 、1つの胞子嚢を壊したようす
クロノキシノブ×ノキシノブ№1
専門家の方にこの個体の倍数性を調べていただきました。また、詳しい方からコメントを頂きました。2020年7月3日
この個体の染色体の解析結果:染色体数は2n=77 倍数性は3倍体 胞子:委縮。
解析結果と外部形態とを総合的に勘案して判断しますと4倍体でしたので、ノキ×クロと思われます。
親種はノキシノブ(2倍体)とクロノキシノブ(4倍体)の雑種と考えられますが染色体数の様子が少し変です。
ノキ×クロの親種はノキシノブ(2倍体 n=25)とクロノキシノブ(4倍体 n=50型とn=51型)でノキ×クロは2n=75型と2n=76型となります。(2n=76型は未確認)この標本は2n=77なので様子が変なノキ×クロと言えます。
親種がクロノキシノブ(4倍体 n=51型)とナガオノキシノブ(2倍体 n=26)とするならば、できた雑種のクロ×ナガオは(3倍体 2n=77)となります。また、現存が確認されていませんがナガオノキシノブ4倍体(n=52)とノキシノブ(2倍体 n=25)の組み合わせでも2n=77となります。ただし、組み合わせはあくまでも推定です。
クロ×ノキの染色体数がおかしなものか、クロ×ナガオかは染色体の観察だけでは決められません。遺伝子解析が必要です。
生育している環境:渓谷沿いの山間を通る道路の石垣に生育。東向きのやや明るい環境。
観察された特徴:未熟な胞子ではあるが胞子が乱れ雑種と推定。葉は込み合ってつき、黒褐色の短い葉柄がある。葉の長さは13~16㎝、葉は厚く濃緑色~暗緑色、幅はほぼ一定で線形、葉面は巻き込みが強い。胞子嚢群は葉身の上半分につき中間につく。未熟な胞子ではあるが胞子は大きさに大小があり・形が歪なものが多く雑種と考えられる。成熟した胞子を改めて観察してみたい。
クロノキシノブに似ているところ:①葉柄は明瞭で黒褐色を帯びる。②葉は線形。③葉は濃緑色~暗緑色。④葉はうねるように波打たない。
ノキシノブに似ているところ:①根茎は長く這わず葉を込み合ってつける。②葉は線形で辺縁は内曲している。③葉はうねるように波打たない。
(1)(2)クロノキシノブ×ノキシノブ、葉柄
(1)(2)クロノキシノブ×ノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)(4)クロノキシノブ×ノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
ノキシノブ×クロノキシノブ№3 中軸に沿って谷折りに広い角度のV字をなす
専門家の方にこの個体の倍数性を調べていただきました。また、詳しい方からコメントを頂きました。2020年7月3日
この個体の染色体の解析結果:染色体・倍数性は確認できず 胞子:充実+委縮。
倍数性を観察できなかったとのこと、形態からはノキ×クロの可能性が高いと思います。
生育している環境:両側の山が迫った谷間、谷側の道路わきは下の渓谷まで切り立つように擁壁になり、そのよう壁面に生育。周辺にはクロノキシノブやノキシノブが群生。
観察された特徴:胞子が乱れ雑種と推定。クロノキシノブとノキシノブの雑種という推定される。根茎は長く這わず葉は込み合ってつける。葉柄は明瞭で2~3㎝で黒褐色~臙脂色。葉は大きく大きさは20~27㎝、線形~長紡錘形、厚く、光沢があり濃緑色~暗緑色。葉はほとんど波打たず平面~谷折りの広いV字。胞子嚢群は大きく中間につく。胞子は大きさに大小があり・形が歪なものが多く雑種と考えられる。
クロノキシノブに似ている点①黒褐色~臙脂色。②葉はほとんど波打たない。③葉は濃緑色~暗緑色。
ノキシノブに似ている点①根茎は長く這わず葉をまとまってつける。②葉はほとんど波打たない。③葉は線形~長紡錘形。
(1)ノキシノブ×クロノキシノブ、葉表側
(2)ノキシノブ×クロノキシノブ、葉裏側
(1)ノキシノブ×クロノキシノブ、葉表側
(2)ノキシノブ×クロノキシノブ、葉裏側
(1)(2)ノキシノブ×クロノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)(4)ノキシノブ×クロノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
ノキシノブ×クロノキシノブ№5 中軸に沿って谷折りに広い角度のV字をなす
生育している環境:両側の山が迫った谷間、谷側の道路わきは下の渓谷まで切り立つように擁壁になり、そのよう壁面に生育。周辺にはクロノキシノブやノキシノブが群生。
観察された特徴:胞子は微妙に乱れている。フィールドでの外観はクロノキシノブにしては幅が広すぎる長紡錘形のクロノキシノブ似のシダ。ノキシノブ×クロノキシノブの雑種という推定される。根茎はとぐろを巻くような形。葉の大きさは15~22㎝、濃緑色~暗緑色・光沢はあるが弱い。葉柄は明瞭で黒褐色~臙脂色。葉身はほとんど波打たず厚みがあり、平面~中軸に沿って谷折りに広いV字をなす。胞子嚢群は葉身の上から半分につき中間につく。胞子は微妙に乱れ、大きさに大小があり・形が歪なものが混ざり雑種と考えられる。ノキシノブに似ているところは葉身が葉の中央で幅が最も広く長紡錘形である。葉を込み合ってつける。葉は波打たない。
(1)ノキシノブ×クロノキシノブ、根茎
(2)ノキシノブ×クロノキシノブ、葉身
(1)(2)ノキシノブ×クロノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(1)(2)ノキシノブ×クロノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
クロノキシノブ×フジノキシノブノキシノブ×クロノキシノブ№6
詳しい方からコメントを頂いたり、倍数性を調べていただきました。
この個体の染色体の解析結果:染色体・倍数性は確認できず 胞子:充実+委縮。
倍数性を観察できなかったとのことで、胞子観察から4倍体雑種と推測され、外部形態からもクロ×フジでよいと思います。
生育している環境:深い渓谷沿いの道路谷側切り立った擁壁面に生育。上部は樹冠に覆われウエットな環境。周辺にはノキシノブ・クロノキシノブ・ノキシノブ×クロノキシノブが生育。
観察された特徴:胞子が乱れ雑種。クロノキシノブ×フジノキシノブノキシノブとクロノキシノブの雑種と思われる。根茎は短く葉を込み合ってつけ、葉の量は多く大きな株になる。葉柄は明瞭で黒褐色を帯びる。葉は長紡錘形~線形、葉は厚みがあり濃緑色、葉は多少波打つことはあるがほぼストレートで弱い光沢がある。
クロノキシノブに似ているところ:①葉柄は明瞭で黒褐色を帯びる。②葉は厚味があり濃緑色。③葉は線形。
フジノキシノブに似ているとこと:①葉は長紡錘形になる。②葉縁は多少波打つことがある。
ノキシノブに似ているところ:①葉を込み合ってつける。②葉は線形。③胞子嚢群は葉身上側から2/3程度着けることがある。④葉は波打たない。
(1)クロノキシノブ×フジノキシノブのノキシノブ×クロノキシノブ、葉柄ー葉身基部
(2)クロノキシノブ×フジノキシノブのノキシノブ×クロノキシノブ、葉柄ー葉身基部裏側
(1)クロノキシノブ×フジノキシノブのノキシノブ×クロノキシノブ、葉身
(2)クロノキシノブ×フジノキシノブのノキシノブ×クロノキシノブ、葉身裏側
(1)(2)クロノキシノブ×フジノキシノブのノキシノブ×クロノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)クロノキシノブ×フジノキシノブのノキシノブ×クロノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
ノキシノブ×クロノキシノブ7クロノキシノブ×フジノキシノブ№2
専門家の方にこの個体の倍数性を調べていただきました。また、詳しい方からコメントを頂きました。2020年7月3日
この個体の染色体の解析結果:染色体数は2n=77 倍数性は3倍体 胞子:委縮。
解析結果と外部形態とを総合的に勘案して判断しますと4倍体でしたので、ノキ×クロと思われます。
親種はノキシノブ(2倍体)とクロノキシノブ(4倍体)の雑種と考えられますが染色体数の様子が少し変です。
ノキ×クロの親種はノキシノブ(2倍体 n=25)とクロノキシノブ(4倍体 n=50型とn=51型)でノキ×クロは2n=75型と2n=76型となります。(2n=76型は未確認)この標本は2n=77なので様子が変なノキ×クロと言えます。
親種がクロノキシノブ(4倍体 n=51型)とナガオノキシノブ(2倍体 n=26)とするならば、できた雑種のクロ×ナガオは(3倍体 2n=77)となります。また、現存が確認されていませんがナガオノキシノブ4倍体(n=52)とノキシノブ(2倍体 n=25)の組み合わせでも2n=77となります。ただし、組み合わせはあくまでも推定です。
クロ×ノキの染色体数がおかしなものか、クロ×ナガオかは染色体の観察だけでは決められません。遺伝子解析が必要です。
生育している環境:谷間の林道沿い、石垣の上にスギ林を抱えた東に開けた明るい石垣。ノキシノブ・クロノキシノブ・フジノキシノブおよびそれらの雑種が生育する石垣。
観察された特徴:胞子が乱れ雑種。採取した葉はうねるように大きく波打っていた。クロノキシノブとフジノキシノブの雑種と思われる。
根茎は長く這わず葉をまとまってつける。葉柄はやや短い(1.5㎝程度)が明瞭で黒褐色を帯びるもの淡緑色を帯びるものが混ざる。葉は15~23㎝、長紡錘形、葉の質は厚く濃緑色で光沢があり、大きくうねるように波打つ。胞子嚢群は葉の先のほうから半分程度につき中間につく。胞子は小さいものや歪なものが混ざり雑種と思われる。
クロノキシノブに似ているところ:葉柄はやや短いが明瞭で黒褐色を帯びるものが見られる。②葉は厚く濃緑色。
フジノキシノブに似ているところ:①根茎は長く這わず葉を込み合ってつける。②葉柄には淡緑色のものが見られる。③中軸は飛び出す。④葉はやや波打つ。
(1)ノキシノブ×クロノキシノブクロノキシノブ×フジノキシノブ 4月22日撮影
(2)ノキシノブ×クロノキシノブクロノキシノブ×フジノキシノブ、胞子を観察した葉
(1)(2)ノキシノブ×クロノキシノブクロノキシノブ×フジノキシノブ、葉身基部 ※(1)(2)は撮影角度が異なる
(1)ノキシノブ×クロノキシノブクロノキシノブ×フジノキシノブ、葉柄
(2)ノキシノブ×クロノキシノブクロノキシノブ×フジノキシノブ、葉身上部および中軸のようす
(1)(2)ノキシノブ×クロノキシノブクロノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)(4)ノキシノブ×クロノキシノブクロノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
ヒメノキシノブ×ノキシノブ(アシガラノキシノブ1)
頂いたコメント:アシガラノキシノブでよいと思います。
生育している環境:山が迫った谷の中、2019年台風19号で倒れた川沿いの急斜面に生育するケヤキ、地上から10~12m上部の樹幹に着生。
観察された特徴:観察した胞子嚢は微妙なものも見られるが、すべて乱れていて雑種と考えられる。外観や胞子表面の様子からヒメノキシノブ×ノキシノブ(アシガラノキシノブ)と推定される。葉は3㎝弱、ヒメノキシノブに似ているが葉身はネクタイ形(倒披針形)で葉身の先はやや尖る。胞子表面の形状はヒメノキシノブのように表面に突起が見られる胞子とそうでない胞子が混ざる。樹幹の上部という環境のためごく小さな個体となったのかもしれない。※ほかの組み合わせの雑種の可能性も考えられる。
(1)アシガラノキシノブ、葉身下部
(2)アシガラノキシノブ、葉身上部
胞子嚢のようす
(1)アシガラノキシノブ胞子嚢1
(2)アシガラノキシノブ胞子嚢2
(3)アシガラノキシノブ胞子嚢3
(4)アシガラノキシノブ胞子嚢4
(5)アシガラノキシノブ胞子嚢5
(6)アシガラノキシノブ胞子嚢6
(7)アシガラノキシノブ胞子嚢7
(8)アシガラノキシノブ胞子嚢8
(9)アシガラノキシノブ胞子嚢9
(10)アシガラノキシノブ胞子嚢10
(11)アシガラノキシノブ胞子嚢11
(12)アシガラノキシノブ胞子嚢12
胞子のようす
胞子嚢1
(1)アシガラノキシノブ胞子嚢1胞子a上面
(2)アシガラノキシノブ胞子嚢1胞子a側面
(3)アシガラノキシノブ胞子嚢1胞子b上面
(4)アシガラノキシノブ胞子嚢1胞子b側面
胞子嚢2
(1)アシガラノキシノブ胞子嚢2胞子a上面
(2)アシガラノキシノブ胞子嚢2胞子a側面
(3)アシガラノキシノブ胞子嚢2胞子b上面
(4)アシガラノキシノブ胞子嚢2胞子b側面
胞子嚢3
(1)アシガラノキシノブ胞子嚢3胞子a上面
(2)アシガラノキシノブ胞子嚢3胞子a側面
(3)アシガラノキシノブ胞子嚢3胞子b上面
(4)アシガラノキシノブ胞子嚢3胞子b側面
胞子嚢4
(1)アシガラノキシノブ胞子嚢4胞子a上面
(2)アシガラノキシノブ胞子嚢4胞子a側面
(3)アシガラノキシノブ胞子嚢4胞子b上面
(4)アシガラノキシノブ胞子嚢4胞子b側面
胞子嚢6
(1)アシガラノキシノブ胞子嚢6胞子a上面
(2)アシガラノキシノブ胞子嚢6胞子a側面
(3)アシガラノキシノブ胞子嚢6胞子b上面
(4)アシガラノキシノブ胞子嚢6胞子b側面
現在、フジノキシノブそのほか多数のノキシノブの仲間が生育する場所のひとつであるコンクリートブロック組の擁壁の上部のスギが切り倒されつつある。しばらくするとすべて切り倒されるとのことである。今後、生育環境が大きく変化することが考えられ、心配である。