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平成24年5月26日(土) 奥多摩 越沢 観察会レポート
今回はこの地域に詳しい方に案内していただきました。参加してくださった方々からいろいろ教えていただきありがとうございました。
民家の周辺
・民家の周りの日当たりのよい石垣にヒメウラジロ、ビロウドシダ、シノブが群生していました。タチクラマゴケも見られました。
タチクラマゴケ
タチクラマゴケ。胞子のうをつけた枝は立ち上がる。
ヒメウラジロ
ヒメウラジロ
ヒメウラジロ 葉の裏側
ビロウドシダ
・やや日蔭の石垣にはヤマヤブソテツtype1(つやのないtype)やヤブソテツtype1(テリハヤブソテツ)がよく見られました。
・庭に渡る橋の近くの石垣ではヤブソテツtype3(ヤブソテツ)とおもわれる個体群が3株ほど見られました。
ヤブソテツtype3
ヤブソテツtype3
林内
・チチブイワガネ、ウラゲイワガネの見分け方を教えていただきました。今後はイワガネゼンマイを見つけた時には注意して観察したいと思います。
チチブイワガネ 葉の両面に微毛がある。
チチブイワガネ 葉の表側
チチブイワガネ 葉の裏側
ウラゲイワガネ 葉の裏側だけに微毛がある。
ウラゲイワガネ 表側
ウラゲイワガネ 裏側
・大きなナンゴクナライシダが目をひきました。100㎝を超える個体も多くみられ、まだ葉が展開したばかりのためか葉身は斜めに立ち上がり水平には広がっていませんでした。葉身の形も横幅の広い五角形ではなく細長い五角形でした。時期を変えて改めて観察してみたいと思います。羽軸・小羽軸に微毛が見られ、小羽片は長さの割りに幅が広く、切れ込みは浅く、先端は鈍頭。
ナンゴクナライシダ
ナンゴクナライシダの羽片・小羽軸には微毛が密生する。
・イノデ類はイノデ、アイアスカイノデ、サイゴクイノデ、カタイノデ、イノデモドキ、ツヤナシイノデが見られたので、いろいろな雑種も生育していると思います。今回は時間が無かったのであらためてゆっくり調べたいと思います。
・ミヤマイタチシダも普通に見られました。
ミヤマイタチシダ
ミヤマイタチシダの胞子のう群
・林縁や、やや明るい林内ではヒロハイヌワラビやカラクサイヌワラビが見られました。
ヒロハイヌワラビ
ヒロハイヌワラビの胞子のう群
カラクサイヌワラビ
カラクサイヌワラビの胞子のう群
標高の高い場所
・沢から離れ少し標高を上げた尾根沿いの山道沿いではシシガシラが普通に見られました。春の胞子葉の芽立ちはきれいでした。
シシガシラ
シシガシラの胞子葉の芽立ち
乾燥気味の林内
・林内の岩混じりのやや乾燥気味の急な斜面沿いの山道沿いではリョウトウイタチシダがよく見られました。
日当たりのよい渓谷沿い
・川沿いの岩壁にトキワシダが着生していました。初めて見ました。案内してくださった方に感謝。
トキワシダ
トキワシダ
トキワシダ
トキワシダの胞子のう群
・渓谷沿いの上部が開けたやや明るい河原ではオオヒメワラビ、ハコネシケチが旺盛に生育していました。
※タカオシケチシダとして載せていたものをハコネシケチシダに訂正いたします。2013,7,11
オオヒメワラビ
オオヒメワラビ
ハコネシケチシダ
ハコネシケチシダ
ハコネシケチシダ
ハコネシケチシダ 羽軸や葉脈上の微毛
- 渓谷の水辺のそば
・渓谷沿いの水際の岩にヤシャゼンマイが生育していました。増水時は完全に水に浸かるところに生育し、付近には増水時上流から流されてきたと思われる漂着物が木の枝などにひっかかっていまいた。雑種のオクタマゼンマイは水辺ではなく林内に生育していました。
ヤシャゼンマイ
オクタマゼンマイ
渓谷沿いの切り立った岸壁面
・渓谷沿いの切り立った岩場にはシシラン、サジラン?、アオホラゴケ、コウヤコケシノブ、ウチワゴケ、ホソバコケシノブ、カタヒバ、エビラシダ、フクロシダが見られました。
シシラン
シシラン
シシランの胞子のう群
ホソバコケシノブ
・サジラン? シシランと思って撮影した個体が、写した写真をよく見ると独特の葉脈が映っていたためサジランかイワヤナギシダではないかと思われましたが、あらためて確認するとシシランの幼株でした。
シシランの幼株
※サジランあるいはイワヤナギシダとして載せていたものをシシランの幼株に訂正いたします。2013,7,11
・今回、エビラシダについて2倍体と4倍体があることを教えていただきました。教えていただくまでは1種類と思って注意してみていませんでしたが、今後は葉の細かい特徴などをよく観察していきたいと思います。
エビラシダ ピンボケですみません。
渓谷沿いの岩場
・渓谷沿いのウエットな岩場にはウスヒメワラビ、イワイタチシダ、エビラシダ、ヤマヤブソテツtype2などが生育していました。
・岩壁の直下には大きなウスヒメワラビの黄緑色の群落が広がっていました。
ウスヒメワラビ
ウスヒメワラビ
ウスヒメワラビの葉柄
・イワイタチシダ。鱗片は横向きに出て先端は上を向く。
イワイタチシダ
イワイタチシダの葉柄
・ヒラオヤブソテツは、太平洋側(湯河原)まで点々と見られます。生育場所は、林床にも見られますがおもに滝などがあるウエットな岩場に見られます。葉は一般的に大きく、葉の質は厚く光沢があり、耳垂があります。
※ヤマヤブソテツtype2として載せていたものをヒラオヤブソテツに訂正いたします。2013,7,11
ヒラオヤブソテツ
ヒラオヤブソテツ
今回の観察会で見られたシダ
○・トウゲシバ ○・イワヒバ・カタヒバ・イヌカタヒバ・クラマゴケ・タチクラマゴケ
○・スギナ・トクサ ○・オオハナワラビ・ナツノハナワラビ・ナガホノナツノハナワラ
○・ゼンマイ・オオバヤシャゼンマイ・ヤシャゼンマイ
○・カニクサ○・アオホラゴケ・コウヤコケシノブ・ホソバコケシノブ・ウチワゴケ
○・イヌシダ・フモトシダ ○・イワヒメワラビ ○・ワラビ ○・シノブ ○・ハコネシダ・クジャクシダ
○・タチシノブ ○・チチブイワガネ・ウラゲイワガネ
○・ヒメウラジロ○・イノモトソウ、・オオバイノモトソウ
○・コバノヒノキシダ・トラノオシダ・イワトラノオ・トキワシダ ○・シシガシラ
○・ヤブソテツtype1・type2・type3・ヤマヤブソテツ・ヒラオヤブソテツ・ナガバヤブソテツ
○・ジュウモンジシダ・ツルデンダ・イノデ、・アイアスカイノデ・イノデモドキ・サイゴクイノデ・カタイノデ・オンガタイノデ・ツヤナシイノデ、
○・リョウメンシダ・ナンゴクナライシダ
○・オシダ・イワヘゴ・オクマワラビ・クマワラビ・アイノコクマワラビ・ヤマイタチシダ・オオイタチシダtype1・type2・type3・type4・ベニシダ・ミドリベニシダ・トウゴクシダtype1、・type2、・オオベニシダ・ミサキカグマ・ミヤマイタチシダ・イヌイワイタチシダ・リョウトウイタチシダ・キヨスミヒメワラビ
○・ヒメワラビ・ミドリヒメワラビ・ミゾシダ・ゲジゲジシダ・ホシダ・ハシゴシダ・ヤワラシダ・ハリガネワラビ・ヒメシダ ○・フクロシダ・エビラシダ
○・イヌワラビ・ヤマイヌワラビ・カラクサイヌワラビ・ヒロハイヌワラビ・ヘビノネコザ、
○・ホソバシケシダ・シケシダ・ハクモウイノデ・セイタカシケシダ・オオヒメワラビ
○・クサソテツ・イヌガンソク
○・ヌリワラビ・キヨタキシダ ○・シケチシダ・ハコネシケチシダ ○・ウスヒメワラビ
○・ノキシノブ・マメヅタ・ミツデウラボシ・シシラン・ビロウドシダ