Top / 観察会レポート / 平成25年3月23日(土) 寄


メヤブソテツ

・7時55分新松田駅発寄行きのバスに乗り出発しました。寄は渓谷沿いの険しい山道をしばらくバスで乗った先にありました。中津川沿いの谷あいの村というよりは川に沿って両側に細長く広がる盆地といった感じがしました。面白いので、渓谷の上流に平坦な土地が存在する理由を考えてみました。勝手な想像ですが、隆起したばかりで今後、侵食作用で河岸段丘が形成されて行くのではないでしょうか。

細長い盆地の始まりの田代向というバス停で下車し、歩き始めました。寄は初めて行くところなので、上流まで歩き、おおよその地形や山のようすを掴むことができました。細長い盆地の中央を中津川が流れ、両側の山の斜面の林の間に茶畑や民家が点在する美しい景色の町でした。表丹沢の鍋割山への登山口また下山路となっていて、登山客をよく見かけました。

観察したおもなシダについて紹介いたします。
タチクラマゴケ
※ヒメクラマゴケと記載していましたが胞子のうのつき方を確認しタチクラマゴケに訂正いたします。2013年8月31日
林縁のやや明るい草地や歩道にはタチクラマゴケが群生していました。定期的に草刈が行われているところで人によく踏まれるようなところに元気に育っていました。
林縁の定期的に草刈が行われる草地に群生するタチクラマゴケ
タチクラマゴケ

ヤブソテツの仲間
ミヤコヤブソテツ、メヤブソテツ、ヤマヤブソテツ、ホソバヤマヤブソテツ、ヒラオヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)、ナガバヤブソテツが見られました。
ミヤコヤブソテツ、スギ林内斜面に生育
ミヤコヤブソテツ

今回、羽片の形から判断するとヤブソテツと同定したい個体を見つけました。しかし、新芽をしっかり伸ばしており、芽立ちの時期からヤマヤブソテツとせざるを得ませんでした。(私の中では、ヤブソテツはテリハヤブソテツ同様芽立ちの時期は遅い、という仮説を立てています)観察された個体の羽片の形は耳垂が発達せず披針形でテリハヤブソテツ様、葉の質はヤマヤブソテツ様でした。今後、羽片の形だけでは判断できないものと考えるようにしたいと思います。今後も引き続きチャレンジしていきます。

チャセンシダの仲間
コバノヒノキシダ、トラノオシダ、トキワトラノオ、イワトラノオが見られました。トキワトラノオの生育を確認できたのは1地点で、よく陽のあたる民家の石垣に10株程度群生していました。
トキワトラノオ、よく陽のあたる石垣に生育 トキワトラノオ、よく陽のあたる石垣に生育
トキワトラノオ、新芽

イノデの仲間
アイアスカイノデ、イノデ、ドウリョウイノデ、オオタニイノデ、サイゴクイノデ、ヒメカナワラビが見られました。ヒメカナワラビはふだんは胞子のう群のつく位置で葉身の下からついていればヒメカナワラビと決めていましたが、今回、関西から参加してくださった方の話では広島の方では胞子のう群が葉身の上から付き始めるヒメカナワラビが見つかったとの事でした。胞子のう群のつき方だけで安易に決め付けてはいけないことを教わりました。
ヒメカナワラビ ヒメカナワラビの羽片
ヒメカナワラビ(上左)
ヒメカナワラビ羽片(上右)

ハカタシダ
前回歩いた小田原早川ー入生田方面でもきれいに斑の入ったハカタシダが見つかりましたが、今回、寄でも2株確認しました(スギ林林縁)。やはり関東南部沿岸部ではしばしば見られることなのでしょうか。

スミレの仲間
タチツボスミレは土手や林縁のいたるところで満開でした。その他にも色々なスミレが見られ同行の方に名前を教えていただきました。日当たりの良い道路のコンクリートの隙間にコスミレ、畑の周りの斜面にアオイスミレ、山道沿いでヒゴスミレ、薄暗い林内でナガバノスミレサイシンが見られました。
畑の周りの斜面に生育するアオイスミ 林内の斜面やスギ植林地内に生育するナガバノスミレサイシン
アオイスミ(上左)
ナガバノスミレサイシン(上右)

スゲの仲間
畑の周りの陽の当たる土手ではケスゲ・ヌカスゲ・ヒメカンスゲ、ウエットで薄暗い林内ではカンスゲが見られました。同行の方々はスゲ類にも詳しく、よく名前をご存知なのですが、私がよくわからないで何度も名前を尋ねると、覚える気のない者にはもう教えても仕方がない、と苦言を言われてしまいました。がんばっておぼえるようにしようと思います。(写真のがピンボケですみません)
ケスゲ ケスゲ
ケスゲ

ヌカスゲ
ヌカスゲ

ヒメカンスゲ
ヒメカンスゲ

カンアオイの仲間
ランヨウアオイが見られました。根茎部には小さな花蕾をつけていました。開花はまだ少し先のようです。
ランヨウアオイ ランヨウアオイ
ランヨウアオイ(上左)
ランヨウアオイの花蕾(上右)

ヒメノキシノブとカヤラン
樹木に着生しているシダはほとんどがノキシノブでしたが、ヒメノキシノブもときどき見られました。また、寄はお茶の産地らしく、霧がよく発生するためか、川沿いの木の幹には花芽をつけたカヤランも見られました。
ヒメノキシノブ カヤラン
ヒメノキシノブ(上左)
カヤラン(上右)

谷沿いのスギ林林床で
谷沿いのスギ林林床でネコノメソウの仲間やツルカネシロソウが見られました。
イワボタン イワボタンの花
イワボタン(上左)
イワボタンの花(上右)
ヤマネコノメソウ(下左)
ヤマネコノメソウの花(下右)
ヤマネコノメソウ ヤマネコノメソウの花

 
ツルシロカネソウ ヤマルリソウ
ツルシロカネソウ(上左)
ヤマルリソウ(上右)

ナツボウズの花
ひと目でジンチョウゲ科とわかる花を咲かせていました。匂いも甘い香りがしていました。
オニシバリ オニシバリ、花
オニシバリ(ナツボウズ)
オニシバリ(ナツボウズ)の花

キブシの花と蜘蛛
春1番にキブシの花が咲くと待ち構えていたように早速蜘蛛が捕食のために花の周りに潜んでいました。
ふだんは、こんな寒いのに小さな蜘蛛がもう潜んでいるなんて考えてもみませんでしたが、同行の方に教えていただいてよく見るとしっかり獲物を求めて潜んでいました。名前がよくわからないので、可能性のありそうなクモの名前を書きました。(写真のがピンボケですみません)

[[クモの名前は削除します。名前をご存知の方は教えていただければありがたいです。]]

花に潜むクモの仲間 花に潜むクモの仲間

おしまいに
今回も同行の方々に草花や虫の名前を詳しく教えていただきながら楽しく歩きました。今回歩いて寄のおおよその地形がわかりました。またゆっくり歩いて見たいと思います。

今回の観察会で見られたシダ
○ホソバトウゲシバ 
○イヌカタヒバ・タチクラマゴケ
○スギナ・トクサ 
○オオハナワラビ
○ゼンマイ
○カニクサ
○フモトシダ・イヌシダ 
○イワヒメワラビ 
○ワラビ 
○シノブ 
○タチシノブ 
○ハコネシダ
○イワガネソウ・イワガネゼンマイ
○イノモトソウ、・オオバイノモトソウ
○コバノヒノキシダ・トラノオシダ・イワトラノオ・トキワトラノオ
○コモチシダ
○テリハヤブソテツ・ヤマヤブソテツ・ヒラオヤブソテツ(テリハヤマヤブソテツ)・ナガバヤブソテツ・ホソバヤマヤブソテツ・メヤブソテツ
○サイゴクイノデ・イノデ・アイアスカイノデ・ドウリョウイノデ・オオタニイノデ・ヒメカナワラビ
○ハカタシダ・リョウメンシダ
○ベニシダ・トウゴクシダ・クマワラビ・アイノコクマワラビ・ヤマイタチシダ・アツバオオイタチシダ・ベニオオイタチシダ・ツヤナシオオイタチシダ
○キヨスミヒメワラビ
○ミゾシダ・ゲジゲジシダ・ホシダ
○イヌワラビ 
○ノキシノブ・ヒメノキシノブ・マメヅタ
○ミツデウラボシ