Top / 観察会レポート / 平成25年6月22日(土) 箱根湯本-畑宿


旧街道の石畳のそばのシケチシダ


今回で2回目の箱根です。今回も前回の引き続きお玉が池まで行くことを目標にしましたが、目標のお玉が池にはいつもなかなか到着しません。つい、シダを見ながらゆっくり歩いてしまいます。お玉が池はまた今度の楽しみとしておきます。今回は箱根湯本駅標高100m~畑宿400mの間を歩きました。はじめは、道路は沿って歩くので少しつまらない観察会になるかなと思っていましたが、十分楽しむことができました。いつものように同行の方々からシダやそのほかの植物の話を伺いながら楽しく歩きました。


○湯本駅から須雲川に沿って滝通りにかけて
湯本駅を出発し、須雲川に沿って滝通りを歩きました。途中、岩壁に沿うように温泉街があり、道路のすぐ横に上部を樹木で覆われた崖や斜面が有りいろいろなシダを観察することができました。ホウライシダ、ハカタシダ、ノコギリシダ、イノデ、ナガバヤブソテツ、オオバイノモトソウ、セフリイノモトソウ、クリハラン、ハコネシダ、コンテリクラマゴケ、イヌカタヒバなど。
良い天気で暑かったのでズボンの裾をまくって茂みの中を歩いているとイラクサが生えていて、痛い目に会いました。
コンテリクラマゴケ
普通、海岸近くにはよく見られますが、湯本あたりまでは普通に見られるようです。
コンテリクラマゴケ コンテリクラマゴケ、腹葉と背葉  
コンテリクラマゴケ
コンテリクラマゴケ、腹葉と背葉


ホウライシダ
普通、海岸近くにはよく見られますが、湯本あたりまでは普通に見られるようです。
ホウライシダ ホウライシダ、幼株 
ホウライシダ(上左)
ホウライシダ、幼株 (上右)


ハコネシダコバノホウライシダ再度ハコネシダに訂正します。2016年2月15日
写真の個体はどの小葉にも胞子のう群をつけていませんでした。
ハコネシダ ハコネシダ、小枝は3回羽状に分かれる
ハコネシダ(上左)
ハコネシダ、小枝(上右)
ハコネシダ、小葉(下)
ハコネシダ、小葉


セフリイノモトソウ
このあたりにはイノモトソウやオオバノイノモトソウがともに生育しています。両種の雑種と思われるセフリイノモトソウが見られました。ほかの雑種についても言えることですが、個体によって形態の変化が大きくイノモトソウに似て細身の個体、オオバイノモトソウに似て大振りな個体、今回の個体は葉の辺縁が不規則に欠けていました。
セフリイノモトソウ
セフリイノモトソウ(上)
セフリイノモトソウ、葉身上部(下左、下右)
セフリイノモトソウ、葉身上部 セフリイノモトソウ、葉身上部


ノコギリシダ
須雲川そばの崖沿いで見られたほか、畑宿近くの旧街道沿いの崖では大群落を形成していました。
ノコギリシダ ノコギリシダ、羽片
ノコギリシダ(上左)
ノコギリシダ、羽片(上右)
ノコギリシダ、胞子のう群(下左)
ノコギリシダ、群生(下右)
ノコギリシダ ノコギリシダ


ミヤマイラクサ
滝通りでシダを観察している途中、茂みの中に入って激痛に見舞われました。すぐに原因は分かりましたが、おかげでイラクサをじっくり観察することができました。
ミヤマイラクサ ミヤマイラクサ、葉の表面の鋭い刺 
ミヤマイラクサ(上左)
ミヤマイラクサ、葉の表面の鋭い刺(上右)


○天成園で
天成園では、宿泊客でなくても自由にホテルの中を通って玉簾の滝を見学できるようになっていました。滝周辺ではアツバオオイタチシダ、クリハラン、サツマシケシダ、イワガネゼンマイ、ウチワゴケ、アイノコクマワラビ、ミツデウラボシ、ゲジゲジシダが見られました。また近くの玉簾神社ではシロバナハンショウヅルも見られました。
ウチワゴケ
玉簾の滝の周りや玉簾神社へ向かう途中の岩の側面に着生していました。
ウチワゴケ 
ウチワゴケ



サツマシケシダ(ナチシケシダ×シケシダ)
玉簾ノ滝や畑宿までの途中のホテル前の石垣、畑宿では渓流公園近く林縁のよく陽のあたるウエットな草原など全域で見られ、人家や人手の入ったところで見られました。見た目は葉の厚いtypeのナチシケシダに見えました(ナチシケシダは多形で葉身の形・葉の質・厚さ等に変化が多い)が、ルーペで胞膜を観察するとナチシケシダとシケシダの雑種のサツマシケシダと考えられます。今回1日歩いた中で玉簾ノ滝から畑宿までの間で3箇所もサツマシケシダを見ました。今回の地域にはある程度多く生育していると考えてよいと思います。特徴は、胞膜の辺縁が一部は激しきほつれていて(ナチシケシダの特徴)、一部は胞子のう群を包み込むように巻き込んでいます(シケシダの特徴)。2形性は示しません。
サツマシケシダ、玉簾の滝 サツマシケシダ新芽、玉簾の滝 
サツマシケシダ (上左)
サツマシケシダ、新芽(上右)
サツマシケシダ、胞膜(下左、下右)
サツマシケシダ胞膜、玉簾の滝 サツマシケシダ胞膜、玉簾の滝


シケシダ
玉簾の滝近くで見られましたが、畑宿あたりまで全域で観察されました。渓谷沿いなどウエットなところでよく見られました。胞子のう群は線形~長い三日月形、胞膜の辺縁は胞子のう群を包むように巻き込みます。
シケシダ、玉簾の滝 シケシダ胞膜、玉簾の滝 
シケシダ (上左)
シケシダ、胞膜(上右)


ホソバシケシダ
ホシバシケシダも林内から民家近くまでよく見られましたが、胞子のう群を確認ないと正確なことはわからないと思います。ここでは須雲川集落の禅寺の周りの石垣の間に生育していた個体を紹介します。栄養葉と胞子葉の2形性を示しています。胞膜の辺縁には細かい鋸歯が見られます。胞膜上には特に微毛は見られません。
ホソバシケシダ ホソバシケシダ胞膜 辺縁には細鋸歯がある。 
ホソバシケシダ、須雲川集落の禅寺(上左)
ホソバシケシダ、胞膜(上右)


クリハラン
玉簾ノ滝では2箇所で群生していました。また滝通り沿いの岩壁でも見られました。
クリハラン
クリハラン


ミツデウラボシ
玉簾ノ滝では2箇所で群生していました。また滝通り沿いの岩壁でも見られました。
ミツデウラボシ ミツデウラボシ、葉身
ミツデウラボシ(上左)
ミツデウラボシ、葉身(上右)


○旧道(県道732号)沿いの森で
ホテル・が旅館が道沿いに散在していました。乾燥気味の林縁ではヒメワラビ、イヌカタヒバ、ホシダ、ヘビノネコザ、フモトシダ、ケブカフモトシダ、ツヤナシオオイタチシダ、イヌシダなどが見られました。林内ではミドリヒメワラビが生育していました。急な斜面の林床にはウラジロも見られましたが小さな群落しか確認できませんでした。林床にはカントウカンアオイがよく見られ、様々な模様の個体が一緒に群生していました。ムラサキニガナも可愛い花を咲かせていました。標高は200~250mくらいですが、イヌブナの小苗が生育していました。(そこで出会ったクモ、足がシマシマ模様でした)
ケブカフモトシダとフモトシダ
湯本駅近くの滝通りではケブカフモトシダが優勢でしたが、だんだん標高を上げていくとフモトシダが中心になってきました。両種とも葉柄・中軸には毛がありますが、ケブカフモトシダの葉は立ち上がります。
葉を立ち上げるケブカフモトシダ フモトシダ
ケブカフモトシダ(上左)
フモトシダ(上右)


ミドリヒメワラビ
ヒメワラビは日あたりの良い林縁で全域で見られましたがミドリヒメワラビは林内や日影の林縁などで見られました。
ミドリヒメワラビ ミドリヒメワラビ、小羽片
ミドリヒメワラビ(上左)
ミドリヒメワラビ、小羽片(上右)
ミドリヒメワラビ、葉柄(下)
ミドリヒメワラビ、若い葉柄には微毛があるが早落する。 ミドリヒメワラビ、葉柄の微毛。


ヒメワラビ
ヒメワラビは日あたりの良い林縁で全域で見られましたがミドリヒメワラビは林内や日影の林縁などで見られました。
ヒメワラビ ヒメワラビ、小羽片
ヒメワラビ(上左)
ヒメワラビ、小羽片(上右)
ヒメワラビ、葉柄(下)
ヒメワラビ、葉柄表面には白い粉がつく


アツバオオイタチイダとツヤナシオオイタチシダ
アツバオオイタチイダは滝のそばの岩壁や旅館街の周りの石垣などで見られました。乾燥気味の崖ではツヤナシオオイタチシダが見られました。
アツバオオイタチイダ アツバオオイタチイダ、羽片 
アツバオオイタチイダ(上左)
アツバオオイタチイダ、羽片(上右)
ツヤナシオオイタチイダ(下左)
ツヤナシオオイタチイダ、羽片(下右)
ツヤナシオオイタチイダ ツヤナシオオイタチイダ、羽片


ムラサキニガナ
ムラサキニガナ ムラサキニガナ


カントウカンアオイ
カントウカンアオイ
カントウカンアオイ


○旧東海道沿いの集落付近で
・車道沿いでクマノミズキが淡いクリーム色の花を咲かせていました。葉が対生です(ミズキは葉が互生)。
クマノミズキ
クマノミズキ クマノミズキ、葉は対生。 
クマノミズキ


・車道をところどころで横切る小さな沢ではヒラオヤブソテツ、ヤマヤブソテツが見られました。ヤマヤブソテツ、ナガバヤブソテツ、テリハヤブソテツは全域で見られました。


・イヌイワガネソウが見られました。イヌイワガネソウは外見はイワガネソウに似ていますが葉の裏側の葉脈が網目にならない・葉脈の端が葉の辺縁のまで達するなどイワガネゼンマイの特徴が現われ、両種の雑種と考えられます(同行の方からはイヌイワガネソウにはイワガネソウ似の個体とイワガネゼンマイ似の個体があると教えていただきました)。ここでは比較のため、今回見られたイワガネゼンマイ属を紹介します。
イヌイワガネソウ
イヌイワガネソウ
イヌイワガネソウ(上)
イヌイワガネソウ、葉脈および胞子のう群(下左)
イヌイワガネソウ、葉縁および葉脈の先端(下右)
葉脈は並行、網目にならない。胞子のう群の太さは中間的。 イヌイワガネソウ、葉脈の先端は鋸歯の中に入る。


イワガネソウ(フイリイワガネソウ)
ウエットなところから乾燥気味の林床まで広く生育する。
フイリイワガネソウ 網目状の葉脈;
イワガネソウ(フイリイワガネソウ)(上左)
イワガネソウ(フイリイワガネソウ)、網目状の葉脈。(上右)
イワガネソウ(フイリイワガネソウ)、胞子のう群(下左)
イワガネソウ(フイリイワガネソウ)、葉縁および葉脈の先端(下右)
胞子のう群は葉脈に沿って薄く細長くつく。 葉脈の先端は葉縁の鋸歯の中まで伸びない。 


イワガネゼンマイ
渓谷沿いなどウエットなところを好んで生育する。
イワガネゼンマイ 葉脈は葉の辺縁の鋸歯の中まで達し、胞子のう群は太い。
イワガネゼンマイ 湯本 滝通り(上左)
イワガネゼンマイ 湯本 玉簾ノ滝(上右)


ウラゲイワガネ
日影のウエットな渓谷に生育する。イワガネゼンマイの葉の裏に微毛が生えるtypeであるが、イワガネゼンマイにくらべ葉の表側の光沢が乏しい。
ウラゲイワガネ ウラゲイワガネ、葉の裏側の微毛
ウラゲイワガネ(上左)
ウラゲイワガネ、葉の裏側の微毛(上右)


・道沿いの樹木の樹幹にはノキシノブは普通に見られましたが、ヒメノキシノブは高所に生育しているためかあまり見られませんでした。写真の個体は民家の前に腰掛け用か、作業台か何かのためのに玉切りされた広葉樹の幹に着生していたものです。
ヒメノキシノブ
ヒメノキシノブ 
ヒメノキシノブ(上左)
ヒメノキシノブ(下左)
ヒメノキシノブ、胞子のう群(下右)
ヒメノキシノブ ヒメノキシノブ、胞子のう群


・民家や畑の明るい石垣には少し紅葉したタチクラマゴケ、葉の小さいゲジゲジシダ(コゲジ)も見られました。大きさは8~15cmほどで胞子のう群を着けていました。同行の方の説明ではコゲジは4倍体、天成園で見られた大きな個体は2倍体とのこと。ただ、中間的な大きさの個体も見られるので区別がむずかしいです。


タチクラマゴケ
クラマゴケのようにまとまった胞子のう穂という形はとらないが、腹葉と背葉の形がどちらも異なり胞子のう穂であることがわかる。
腹葉と背葉の形が区別ができない部分が胞子のう穂(左)と匍匐茎の腹葉と背葉(右)
タチクラマゴケ、匍匐茎と胞子のう穂(上左)
タチクラマゴケ、匍匐茎
タチクラマゴケ、紅葉(上右)エゾノヒメクラマゴケ(上右)訂正します。2016年2月15日
タチクラマゴケ、匍匐茎 タチクラマゴケ、紅葉


・また何軒かの民家の庭先の植え込みや石垣にはよくイワヒバが植栽されていました。多分、この近くには群生地があるのでしょうか。
イワヒバ
イワヒバ
イワヒバ


・近くの禅寺の裏口では、もう萩の花が咲いて早い秋の訪れを告げていました。趣のある風情でした。同行の方はミヤギノハギではないかとのこと。葉の先は丸くはなく、少し尖っていました。乾燥した石垣にフイリイワガネソウ、ホソバシケシダが見られました。
ミヤギノハギ
ミヤギノハギ ミヤギノハギ
ミヤギノハギ


○渓流沿いの林で
須雲川渓流沿いに広がるスギ・ヒノキ林は、シダ植物の宝庫でした。オオハナワラビ、オオバノヤシャゼンマイ、ウラゲイワガネ、フイリイワガネソウ、ジュウモンジシダ、オニカナワラビ、ハカタシダ、ホソバカナワラビ、ヒメカナワラビ、イノデモドキ、アイアスカイノデ、サイゴクイノデ、イワヘゴ、トウゴクシダ、アツバオオイタチシダ、ナガバノイタチシダ、キヨタキシダ、ヒカゲワラビ、ヤマイヌワラビ、ヒロハイヌワラビ、シケチシダが見られました


イノデのなかま
川沿いの平坦な森の中ではイノデモドキやサイゴクイノデ・アイアスカイノデが見られました。傾斜のきつい岩場や岩混じりの斜面ではヒメカナワラビが見られました。
ヒメカナワラビ
ヒメカナワラビ ヒメカナワラビ、胞子のう群は下からつく。 
ヒメカナワラビ(上左)
ヒメカナワラビ(上右)
ヒメカナワラビ、小羽片の柄(下左)
ヒメカナワラビ、鱗片(下右)
ヒメカナワラビ、下部の小羽片には短い柄がつく。 ヒメカナワラビ、、葉柄基部には赤褐色鱗片がつく。 


カナワラビのなかま
・カナワラビのなかまについては、ハカタシダは林内から道路脇の崖までほぼ全域で見られ、オニカナワラビハやホソバカナワラビはスギ・ヒノキを中心とした林内でやや標高を上げると見られるようになりました。オオカナワラビは前回5月の観察会で畑宿の上標高500mのところで1株幼株が見つかっています。
ハカタシダ


ハカタシダ ハカタシダ、小羽片 
ハカタシダ(上左)
ハカタシダ、小羽片(上右)


オニカナワラビ
オニカナワラビ オニカナワラビ、最下羽片が発達しない個体
オニカナワラビ(上左)
オニカナワラビ、最下羽片が発達しない個体(上右)
オニカナワラビ、胞子のう群(下)
オニカナワラビ、胞子のう群


ホソバカナワラビ
ホソバカナワラビ ホソバカナワラビ、小羽片 
ホソバカナワラビ(上左)
ホソバカナワラビ、小羽片(上右)


ヒカゲワラビ
ヒカゲワラビ 
ヒカゲワラビ(上左)
ヒカゲワラビ、最下羽片の羽軸(下左)
ヒカゲワラビ、羽片(下右)
ヒカゲワラビ、最下羽片の羽軸は長い ヒカゲワラビ、羽片


(ウラゲ)ナガバイタチシダ
一見、普通のナガバノイタチシダに見えますが、中軸・羽軸・葉の裏側・胞膜に微毛があります。今回ナガバイタチシダは1地点、2~3株しか確認していないので、今後もっと多くの個体を見つけて調べる必要があります。
(ウラゲ)ナガバイタチシダ (ウラゲ)ナガバイタチシダ 
(ウラゲ)ナガバイタチシダ(上左)
(ウラゲ)ナガバイタチシダ、中軸(上右)
(ウラゲ)ナガバイタチシダ、中軸の毛(下左)
(ウラゲ)ナガバイタチシダ、胞膜(下)
(ウラゲ)ナガバイタチシダ、中軸裏面に微毛が生える。 (ウラゲ)ナガバイタチシダ、羽軸・胞膜や葉の裏面に微毛が生える。


○森の中の石垣で
林内の岩やコンクリート壁にはイワトラノオやウチワゴケ、コバノヒノキシダ、トキワトラノオ、オクマワラビが見られました。トキワトラノオ(10株程度)が見られた石垣はやや開けたところにあり、コバノヒノキシダと共に生育していました。両種が共に生育していたので、葉身の形状以外に葉の光沢・厚さ・色などを簡単に比較することができ、違いを理解するのに便利でした。もっとも、コバノヒノキシダは全域でいろいろな環境で普通に見られました。
※注目以下のトキワトラノオとコバノヒノキシダは同一の生育場所・明るさなど同じ条件で撮影したので色の違いを見てください。
トキワトラノオ
※アイトキワトラノオと記載したものをトキワトラノオに変更いたします。
葉身は狭披針形、葉は濃緑色、葉の質は厚く光沢がある。
トキワトラノオ トキワトラノオ
トキワトラノオ(上左、上右)
トキワトラノオ、最下羽片(下)
トキワトラノオ、最下羽片


コバノヒノキシダ 
葉身の形は、卵状披針形、葉の色は鮮緑色、葉の質はトキワトラノオに比べると薄い。最下羽片は大きく羽状に分かれる。
コバノヒノキシダ コバノヒノキシダ、最下羽片
コバノヒノキシダ(上左)
コバノヒノキシダ、最下羽片(上右)


○渓谷のすぐそばで
標高300m付近の渓谷の川原ではイブキシダ、リョウメンシダ、イワガネゼンマイ、シケシダなどが見られました。イブキシダは増水すれば冠水してしまう中洲の転石の間にも生育していました。オオバノヤシャゼンマイらしき個体が付近の森で見つかっていたのでヤシャゼンマイがどこかに生育していないか探しましたが今回は見つけることができませんでした。渓谷の水ぎわの転石の上にトサノゼニゴケが生育していました。また、渓流のそばのサツキも名残の花を数輪着けていました。

イブキシダ
イブキシダ イブキシダ

イブキシダ、須雲川標高300m付近(上左)
イブキシダ、羽片(上右)
イブキシダ、ホテル吉池前庭(湯本)(下左、下右)
イブキシダ。2013年6月22日 イブキシダ。2013年6月22日


カタヒバ
渓谷沿いの大きな転石の垂直な側面にはカタヒバが群生していました。渓谷沿いで見かけてもなかなか写真撮影が難しいところに生育していることが多いのですが、今回は少し背伸びをするだけで簡単に撮影できました。
カタヒバの群生
カタヒバ、群生(上)
カタヒバ(下左)
カタヒバ、腹葉と背葉(下右)
カタヒバ カタヒバ、腹葉と背葉


イヌカタヒバ ※比較のために載せました。
県道732号沿いホテル街の側溝や須雲川集落の石垣に生育。 
須雲川集落近くの石垣に群生するイヌカタヒバ、右上はコバノヒノキシダ
紅葉したイヌカタヒバ (上)


トサノゼニゴケ
イブキシダと同様の環境に生育していました。 
トサノゼニゴケ トサノゼニゴケ、胞子体をつける笠
トサノゼニゴケ(上左)
トサノゼニゴケ、胞子体をつける笠(上右)


○箱根旧街道の石畳が残る森で
渓谷沿いよりも標高を上げたところに広がるスギ・ヒノキ林では、ホソバトウゲシバ、オオバノハチジョウシダ、オオキジノオ、アイアスカイノデ、イノデモドキ、サイゴクイノデ、ヤマイタチシダ、トウゴクシダ、シケチシダ、ヤワラシダ、ヤマイヌワラビ、ヒロハイヌワラビ、ヤマヒロハイヌワラビ、ノコギリシダ、ミヤマノコギリシダなどがみられました。また、カラフルなキノコも観察しました。
トウゴクシダ
林内では葉身の先が急に短くなり艶があるトウゴクシダが見られました。また、やや明るい林縁では葉身先端がなだらかに細くなり艶のない大型のトウゴウシダ(葉の大きさは1m以上)が見られました。
葉身の先が急に短くなり艶があるトウゴクシダ 先端がなだらかに細くなり艶のない大型のトウゴウシダ 
葉身の先が急に短くなり艶があるトウゴクシダ(上左)
先端がなだらかに細くなり艶のない大型のトウゴウシダ(上右)


ヒロハイヌワラビ
葉身の形は三角形~広卵形。葉の質は厚く、小羽片は浅裂、胞子のう群は三日月形。羽軸の裏側には微毛がある。
ヒロハイヌワラビ ヒロハイヌワラビ、胞子のう群  

 
ヤマヒロハイヌワラビ(ヤマイヌワラビ×ヒロハイヌワラビ)
ヤマイヌワラビとヒロハイヌワラビの雑種と考えられる。葉身の形は長楕円形~長卵形、ヒロハイヌワラビの特徴は葉の質が厚い点・羽軸裏側には微毛が生える点。ヤマイヌワラビの特徴は小羽片は深~中裂する点・胞子のう群に三日月型以外に鈎型も混ざる点などがある。
ヤマヒロハイヌワラビ ヤマヒロハイヌワラビ 
ヤマヒロハイヌワラビ(上左)
ヤマヒロハイヌワラビ、羽片(上右)
ヤマヒロハイヌワラビ、胞子のう群(下)
ヤマヒロハイヌワラビ、胞子のう群 ヤマヒロハイヌワラビ、胞子のう群 


ミヤマノコギリシダ
スギ林林床で1株生育を確認しました。旧東海道の石畳の道に近いやや明るい森です。
ミヤマノコギリシダ  

ミヤマノコギリシダ、下部羽片の柄 ミヤマノコギリシダ、中軸  
ミヤマノコギリシダ(上上)
ミヤマノコギリシダ、下部羽片の柄(上左)
ミヤマノコギリシダ、中軸(上右)


ミヤマノコギリシダ、下部羽片 ミヤマノコギリシダ、羽片 
ミヤマノコギリシダ、下部羽片(上左)
ミヤマノコギリシダ、羽片(上右)
ミヤマノコギリシダ、胞子のう群(下下左)
ミヤマノコギリシダ、胞膜(下下右)
ミヤマノコギリシダ、胞子のう群 ミヤマノコギリシダ、胞膜 


○チャワンタケのなかま
どちらも地上に生えていました。
ベニサラタケ タルゼッタ カティヌス
ベニサラタケ(上左)
タルゼッタ カティヌス(上右)


○箱根の伝統工芸
畑宿でバスを待つあいだ近く民家を覗くと寄木細工の工房がたくさんありました。
寄木細工の工房


今回観察されたシダ
○トウゲシバ○イワヒバ・カタヒバ・イヌカタヒバ、コンテリクラマゴケ・クラマゴケ・タチクラマゴケ
○スギナ・トクサ   ○オオハナワラビ   ○ゼンマイ・オオバヤシャゼンマイ
○オオキジノオ  ○カニクサ  ○ウチワゴケ
○イヌシダ・フモトシダ・アラゲフモトシダ  ○イワヒメワラビ  ○ワラビ     ○シノブ   ○ハコネシダ・ホウライシダ
○タチシノブ  ○イワガネソウ・フイリイワガネ・イワガネゼンマイ・ウラゲイワガネ・イヌイワガネソウ
○イノモトソウ・オオバイノモトソウ・セフリイノモトソウ・オオバノハチジョウシダ
○コバノヒノキシダ・トキワトラノオ・トラノオシダ・イワトラノオ
○テリハヤブソテツ・ヤマヤブソテツ・ヒラオヤブソテツ・ホソバヤマヤブソテツ・ナガバヤブソテツ
○ジュウモンジシダ・ヒメカナワラビ・イノデ・アイアスカイノデ・イノデモドキ・サイゴクイノデ
○ハカタシ・オニカナワラビ・ホソバカナワラビ・リョウメンシダ
○(ウラゲ)ナガバノイタチシダ・イワヘゴ・オクマワラビ・クマワラビ・アイノコクマワラビ、・ヤマイタチシダ・アツバオオイタチシダtype1・ツヤナシオオイタチシダtype3、・ベニシダ・トウゴクシダ・キヨスミヒメワラビ
○ヒメワラビ・ミドリヒメワラビ・ミゾシダ・ゲジゲジシダ・コゲジゲジシダ・ホシダ・ヤワラシダ・イブキシダ
○イヌワラビ・ヤマイヌワラビ・ヒロハイヌワラビ・ヘビノネコザ・ヤマヒロハイヌワラビ
○キヨタキシダ・ヒカゲワラビ・ミヤマノコギリシダ   ○シケチシダ
○・ノキシノブ・ヒメノキシノブ・クリハラン・マメヅタ・ミツデウラボシ