Top / 観察会レポート / 平成27年3月22日(日)神武寺周辺


オオアリドオシの実(アカネ科)2015年3月22日 神武寺

山頂の神武寺周辺で                  

山頂の神武寺周辺ではいろいろなシダが見られました。林内林床では林床を好むオオイタチシダの仲間やベニシダの仲間、フモトシダやその仲間、イノデの仲間、林床を好むカナワラビの仲間、クラマゴケなど。林内のウエットな岩場や岩壁ではハイホラゴケの仲間やイワトラノオ、ノコギリシダ、オリヅルシダ、ヘラシダ、ホウビシダなどが見られました。乾燥気味の岩壁ではホウライシダやミツデウラボシ、ホラシノブ、コモチシダ、岩場を好むオオイタチシダの仲間やカナワラビの仲間、ヒトツバ(植栽品の逸出か)などが見られました。


クラマゴケ、コモチシダ
クラマゴケ、神武寺では一部地域の狭い範囲で生育。2015年3月22日 神武寺 コモチシダ、日の当たる乾燥気味の岩壁面生育。2009年8月29日 神武寺
クラマゴケ(上左)
コモチシダ(上右)



オリヅルシダ、ホラシノブ
オリヅルシダ、林内の岩壁に着生。2009年5月23日 神武寺 ホラシノブ、明るい岩壁に着生。2009年5月23日 神武寺
オリヅルシダ(上左)
ホラシノブ(上右)



ミツデウラボシ、ヒトツバ
ミツデウラボシ、乾燥気味の岩壁に群生。2009年5月23日 神武寺 明るい岩場に生育するヒトツバ、栽培品が逸出したものかもしれない。2009年5月23日 神武寺
ミツデウラボシ(上左)
ヒトツバ(上右)



ノコギリシダ
ノコギリシダ 2015年3月22日 神武寺 ノコギリシダ、羽片の葉脈の溝は羽軸に流れる。2015年3月22日 神武寺
ノコギリシダ(上左)
ノコギリシダ、の葉脈(上右)



ヘラシダ
ヘラシダ、岩壁面や急峻なスギ植林地斜面に群生。2009年8月29日 神武寺 ヘラシダ、胞子のう群。2009年8月29日 神武寺
ヘラシダ(上左)
ヘラシダ、胞子のう群(上右)



ホウビシダ
日陰の泥岩壁に生育するホウビシダ。2015年3月22日 神武寺 やや陽当たりのよい石垣に生育するホウビシダ。2015年3月22日 神武寺
ホウビシダ(上左、上右)

ホウビシダ、葉柄。2015年3月22日 神武寺
ホウビシダ、葉柄

ホウビシダ、羽片。2015年3月22日 神武寺 ホウビシダ、胞子のう群。2015年3月22日 神武寺
ホウビシダ、羽片(上左)
ホウビシダ、胞子のう群(上右)



ハイホラゴケの仲間、羽片が重ならない個体
ハイホラゴケの仲間、葉柄は短い。2015年3月22日 神武寺 ハイホラゴケの仲間、葉柄は短い。2015年3月22日 神武寺
羽片が重ならない個体

ハイホラゴケの仲間、翼の波は明瞭。2015年3月22日 神武寺
羽片が重ならない個体、胞子のう群



ハイホラゴケの仲間、羽片が重なる個体
ハイホラゴケの仲間 2015年3月22日 神武寺 ハイホラゴケの仲間、右端はイワトラノオ。2015年3月22日 神武寺
羽片が重なる個体

ハイホラゴケの仲間、右端はイワトラノオ。2015年3月22日 神武寺
羽片が重なる個体、胞子のう群




イノデの仲間                  

・山麓付近ではイノデ、アスカイノデ、オオタニイノデがよく目につきました。山頂の薬師堂付近ではミウライノデも見られました。




ハチジョウベニシダ                   

同行の方に案内していただき、ハチジョウベニシダを初めて観察しました。本当は胞子の数を数えなければならないのでしょうが、それはさておき外観の特徴をよく観察してきました。これからは他の所でも見過ごさず観察できればよいと思いました。外観の特徴を簡単に書きます。①遠くから見た感じ:普通のベニシダにくらべ羽片の幅が広いため葉身にすき間が無い。(羽片と羽片のすき間がない)①上部の羽片の下側小羽片の端が下の羽片にかかる。②小羽片は基部がふくらまず細長い線形で長く伸びる(ベニシダは小羽片の基部がふくらむことが多く、長さの短い)。③羽片の先端は急に細くなり尾状に伸びる。④小羽片の長さが不揃いになる。

ハチジョウベニシダ 2015年3月22日 神武寺 ハチジョウベニシダ、葉身。2015年3月22日 神武寺
ハチジョウベニシダ(上左)
ハチジョウベニシダ、葉身(上右)

ハチジョウベニシダ、羽片。2015年3月22日 神武寺 ハチジョウベニシダ、羽片。2015年3月22日 神武寺
ハチジョウベニシダ、羽片(上左、上右))

ハチジョウベニシダ、羽片先端。2015年3月22日 神武寺 ハチジョウベニシダ、羽片先端。2015年3月22日 神武寺
ハチジョウベニシダ、羽片先端(上左、上右)

ハチジョウベニシダ、小羽片。2015年3月22日 神武寺
ハチジョウベニシダ、小羽片



参考標本  八丈島産ハチジョウベニシダ
同行の方から画像を提供していただきました。
ハチジョウベニシダ 八丈島産 ハチジョウベニシダ 八丈島産
ハチジョウベニシダ(上左、上右)

ハチジョウベニシダ、羽片。八丈島産 ハチジョウベニシダ、羽片。八丈島産
ハチジョウベニシダ、羽片(上左、上右)

ハチジョウベニシダ、葉身裏側。八丈島産 ハチジョウベニシダ、胞子のう群。八丈島産
ハチジョウベニシダ、葉身裏側(上左)
ハチジョウベニシダ、胞子のう群(上右)




ヤブソテツの仲間                   

ナガバヤブソテツ、オニヤブソテツ、ヤマヤブソテツ、ホソバヤマヤブソテツなどが見られました。




イノモトソウの仲間                   

イノモトソウ、オオバノイノモトソウ細葉type、オオバノイノモトソ広葉typeなどが見られました。
オオバノイノモトソ広葉type
オオバノイノモトソ広葉type 2015年3月22日 神武寺
オオバノイノモトソ広葉type 

オオバノイノモトソ広葉type、栄養葉。2015年3月22日 神武寺 オオバノイノモトソ広葉type、新芽は黒褐色の毛がやや密に生える。2015年3月22日 神武寺
オオバノイノモトソ広葉type、栄養葉
オオバノイノモトソ広葉type、新芽 




カナワラビの仲間                   

神武寺はカナワラビの仲間がいろいろと見られました。山麓林内林床ではオニカナワラビ、ホソコバカナワラビ(コバノカナワラビ×ホソバカナワラビ)、リョウメンシダが見られました。林内岩壁ではハカタシダ、稜線付近ではコバノカナワラビ、ホソバカナワラビが見られました。コバノカナワラビ、ホソバカナワラビ、ホソコバカナワラビ3種の区別はコバノカナワラビは叢生、ホソバカナワラビは間隔をあけて葉を付ける。ホソコバカナワラビは外観はコバノカナワラビ似であるが間隔をあけて葉を付ける)。リョウメンシダに関しては稜線近くで、葉の色が濃く質も硬い個体が見られました。付近にはリョウメンシダとホソバカナワラビの両種が生えていました。この個体を発見された同行の方はジンムジカナワラビ(リョウメンシダ×ホソバカナワラビ)ではないかとのご意見を頂きました。他の方からはリョウメンシダではないかとのご意見もあり、今後も胞子の状態など観察を続けたいと思います。ここでは「カナワラビの仲間」として紹介します。
カナワラビの仲間。2015年3月22日 神武寺 カナワラビの仲間、小羽片の長さにはばらつきが見られる。2015年3月22日 神武寺
カナワラビの仲間

カナワラビの仲間、胞子は飛んでいるようです。2015年3月22日 神武寺 カナワラビの仲間、胞子は飛んでいるようです。2015年3月22日 神武寺
カナワラビの仲間、胞子のう群



参考標本  ジンムジカナワラビとカワズカナワラビ
同行の方が筑波植物園に行かれて撮影された画像を提供していただきました。ジンムジカナワラビ(ホソバカナワラビ×リョウメンシダ)とカワズカナワラビ(コバノカナワラビ×リョウメンシダ)を私は実際に見比べていませんが提供していただいた画像からわかることは①カワズカナワラビは羽片の幅が広く前後の羽片が重なる。ジンムジカナワラビの羽片は幅が狭く重ならない。②ジンムジカナワラビはカワズカナワラビにくらべ最下羽片下側第1小羽片が発達する。③葉身先端はジンムジカナワラビでは頂羽片が見られ、カワズカナワラビではなだらかに細くなる。どちらも両親の特徴が分かりやすく表れています。
ジンムジカナワラビ 2015年4月2日 筑波植物園 ジンムジカナワラビ、最下羽片。2015年4月2日 筑波植物園 
ジンムジカナワラビ(上左)
ジンムジカナワラビ、最下羽片(上右)

ジンムジカナワラビ、葉身裏側。2015年4月2日 筑波植物園 
ジンムジカナワラビ、葉身裏側

カワズカナワラビ 2015年4月2日 筑波植物園 カワズカナワラビ 2015年4月2日 筑波植物園 
カワズカナワラビ(上左、上右)

カワズカナワラビ、葉身裏側。2015年4月2日 筑波植物園 
カワズカナワラビ、葉身裏側

カワズカナワラビ(左)とジンムジカナワラビ(右)。2015年4月2日 筑波植物園 カワズカナワラビ(左)とジンムジカナワラビ(右)。2015年4月2日 筑波植物園 
カワズカナワラビ”左”とジンムジカナワラビ”右”、最下羽片下側小羽片・羽片の幅・厚みの違い(上左)
カワズカナワラビ”左”とジンムジカナワラビ”右”、葉身先端の違い(上右)




オオイタチシダの各type                   

林内林床・林縁ではアツバオオイタチシダ、ツヤナシオオイタチシダ、ベニオオイタチシダが見られ、稜線付近の岩壁(泥・砂岩)などにはアケボノオオイタチシダ、アオニオオイタチシダが見られました。アケボノオオイタチシダは赤い新芽の季節にはそれとすぐにわかりますがこの季節なかなか区別が難しいです。ツヤナシオオイタチシダとの区別点を書いておきます。葉のようすはツヤナシオオイタチシダほどではないが①葉の表面は艶が乏しい。手触りはツヤナシオオイタチシダは厚いが②葉の質は薄い。ツヤナシオオイタチシダは葉の表面がザラっとした感じがあるが③葉の表面はツルッとしている。

アケボノオオイタチシダ
アケボノオオイタチシダ 2015年3月22日 神武寺 アケボノオオイタチシダ、最下羽片。2015年3月22日 神武寺
アケボノオオイタチシダ
アケボノオオイタチシダ、最下羽片

アケボノオオイタチシダ、最下羽片下側第1小羽片。2015年3月22日 神武寺 アケボノオオイタチシダ、裂片。2015年3月22日 神武寺
アケボノオオイタチシダ、最下羽片下側第1小羽片
アケボノオオイタチシダ、裂片



参考標本  アケボノオオイタチシダ春先の新芽(神武寺産)
アケボノオオイタチシダ、新芽は鮮やかな紅色。2009年5月23日 神武寺 アケボノオオイタチシダの新芽。左のブロンズ色の新芽はアオニオオイタチシダ。2009年5月23日 神武寺
アケボノオオイタチシダ、新芽




フモトシダの仲間                   

神武寺では山麓から稜線にかけて広く林床ではフモトカグマが見られます。また1地点だけですが同行の方に案内していただきクジャクフモトシダを観察しました。林縁の林道法面に生育し、小羽片が羽軸に広く延着する特徴が観察されました。小さな株なので成長した状態の株を改めて観察してみたいと思いますが、定期的に草刈されそうなところに生育していました。
フモトカグマ
フモトカグマ 2015年3月22日 神武寺 フモトカグマ 2009年5月23日 神武寺
フモトカグマ(上左、上右)

フモトカグマ、羽片。2009年5月23日 神武寺 フモトカグマ、小羽片には短い柄がある。2009年5月23日 神武寺
フモトカグマ、羽片(上左)
フモトカグマ、小羽片の柄(上右)



クジャクフモトシダ
定期的に草刈されそうなところに生育するクジャクフモトシダ 2015年3月22日 神武寺 クジャクフモトシダ、新芽。2015年3月22日 神武寺
クジャクフモトシダ(上左)
クジャクフモトシダ、新芽(上右)

クジャクフモトシダ、最下羽片は発達する。2015年3月22日 神武寺 クジャクフモトシダ、葉身上部。2015年3月22日 神武寺
クジャクフモトシダ、最下羽片(上左)
クジャクフモトシダ、葉身上部(上右)