南アルプス北部周辺を歩いてきました。亜高山から高山までいろいろなシダまで観察できました。南アルプス北部(鳳凰三山や甲斐駒ヶ岳は花崗岩で山肌が白い)は歩いていると様々な色の岩石に出会いました。主に色の濃い岩石が多く、玄武岩由来の輝緑凝灰岩やチャートや石灰岩・砂岩・珪岩・頁岩・片岩など様々な岩が入り混じっていました。山頂付近でチャートや石灰岩に出会うと、深い太平洋の海底からこの山の頂まで隆起したことが容易に想像されます。
シダの仲間
タカネスギカズラ ヒカゲノカズラ科 ヒカゲノカズラ属
標高3000m稜線付近。切り立った稜線沿い。矮性化したダケカンバやハイマツの群生の日陰に生育。強烈な光線や風からに守られるようにしてコケモモなどの小形の植物と共に生育。
(1),(2)タカネスギカズラ
ヒメスギラン ヒカゲノカズラ科 コスギラン属
標高3000m稜線付近。稜線の風衝地。ハイマツ帯上部(南アルプスではハイマツ帯は山の最上部まで進出していることが多い)で、周辺にはハイマツも生育。陽当たりのよい丈の低いお花畑に生育。葉の質は柔らかく緑色。胞子嚢は立ち上がった茎の上部につく。胞子嚢は二枚貝状。頂部にムカゴをつける。冬季は多少の積雪により守られるのであろう。
山梨 西沢渓谷、およそ標高1500m地点に生育するヒメスギランは、狭い渓谷内両岸が高く切り立ったウエットな岩壁で見たことはあるが、同一のヒメスギランなのであろうか、検討が必要と思う。
コスギラン ヒカゲノカズラ科 コスギラン属
標高3000m稜線付近。稜線の風衝地。ハイマツ帯上部、周辺にはハイマツが生育。陽当たりのよい丈の低いお花畑に生育。葉は開出してつき、黄緑色。立ち上がった茎の下部~上部まで階段状に無性芽をつけた痕跡が残る。胞子嚢は二枚貝状で下部~上部までつく。無性芽をつけるのはコスギラン属の特徴。冬季は多少の積雪によって保護されるのであろう。
(1)風衝地に生育するコスギラン
(2)チシマゼキショウと共に風衝地に生育するコスギラン
※赤いチシマゼキショウについて、「チシマゼキショウでいいと思います。赤くなっているのは、花が終わって実ができ始めると赤くなるためです。」(詳しい方からコメントをいただきました。)
(1)コスギラン、階段状につく無性芽痕
(2)コスギラン、キバナシャクナゲやイワヒゲと共に生育
2,300m以下で生育するヒモカズラ イワヒバ科 イワヒバ属
標高2300m以下で観察。ダケカンバ帯上部の岩上に生育。日向では密に詰まった葉をつけ木の陰では長く(10~15㎝)垂れ下がる。あまりに小さいので注意しないと見過ごしてしまいます。
(1)岩陰を垂れ下がるヒモカズラ
(2)乾燥した岩上に群生するヒモカズラ
3,000m以上に生育するエゾノヒモカズラ イワヒバ科 イワヒバ属
標高3000m以上で観察。稜線の風衝地の岩上に着生。直射日光下の稜線上の岩上は、冬も雪に守られることは無く(吹き飛ばされる)、四季を通じ非常に過酷な環境であると思います。あまりに小さく且つ岩とよく似た色なので注意しないと見過ごしてしまいます。
(1)(2)エゾノヒモカズラ、胞子嚢
※今までヒモカズラとして掲載していたものを、生育地点の標高で分けました。ヒモカズラとエゾノヒモカズラに分けました。2019年9月16日
ヤマドリゼンマイ ゼンマイ科 ゼンマイ属
ダケカンバ帯(標高2400~2800m)の下部およびシラビソが混生し始めるあたり、傾斜が緩やかでウエットな樹林帯の中ではオオバショリマに代わってヤマドリゼンマイが優勢に群生して生育。
(1)ダケカンバ帯に群生するヤマドリゼンマイ
(2)ヤマドリゼンマイ
(1)ヤマドリゼンマイ、羽片
(2)ヤマドリゼンマイ、胞子葉
オウレンシダ コバノイシカグマ科 コバノイシカグマ属
標高1500mくらいまでは道端で見られました。
ヤツガタケシノブ イノモトソウ科 リシリシノブ属
標高2300~3000m稜線付近。石灰岩が含まれる堆積岩の周辺で観察。岩陰の、岩の間隙や岩砕が堆積したところに生育。2形を示す。遅くまで雪が残るところに生育、雪に保護されることで厳しい冬季を過ごしていると考えられる。
(1)ヤツガタケシノブ、胞子葉
(2)ヤツガタケシノブ(左)とナヨシダ(右)
クジャクシダ イノモトソウ科 ホウライシダ属
ウラジロモミシラビソやコメツガの樹林帯の中では標高1700mくらいまで見られました。
ナヨシダ ナヨシダ科 ナヨシダ属
標高2300~山頂(3,193m)付近。石灰岩が含まれる岩石の周辺で観察。2つの形態の個体群が観察された。それぞれの特徴は以下の通り。
標本1 葉が華奢で柔らかく、羽片長く葉身の幅が広いナヨシダ
岩の陰などに生育。羽片は長楕円状卵形~長三角形で2~3㎝。形態は華奢でなよなよしている。山頂近くでも数は少ないが観察された。標高2300m~山頂近くまで観察。
標本2 標高3000m以上で見られた細身で槍を立てたような小さなナヨシダ
標高3000m以上に生育。陽当たりのよい稜線付近に生育。「タカネナヨシダ」とでも呼びたい。葉の質がそれほど柔らかくなく、葉身は細身で槍を立てたような形態。羽片は小さく混み合ってつけ短い三角形で1~2㎝。フィールドでは標本1とは別種のように見える。
(1)葉身が細身typeのナヨシダ
(2)トガクシデンダ(上)と葉身が細身typeのナヨシダ(下)
※葉身が細身typeのナヨシダとトガクシデンダとはよく似ていて、一緒に生えていることがある。包膜の形状や関節の有無などを確認するなど注意が必要。
ヤマヒメワラビ ナヨシダ科 ナヨシダ属
標高3000m稜線付近。石灰岩が含まれる岩石の周辺で観察。
(1),(2)ヤマヒメワラビ
岩の間隙に生育するヤマヒメワラビ
ヤマヒメワラビ、葉柄基部の鱗片
(1)ヤマヒメワラビ、胞子嚢群
(2)ヤマヒメワラビ、中軸と羽片の柄
アオキガハラウサギシダ ナヨシダ科 ウサギシダ属
標高の低い(およそ1500m)渓谷沿いのウラジロモミシラビソ・コメツガの樹林帯の林床に生育。ウサギシダほどではないが最下羽片は発達し3出葉的になる。第2羽片にも長い柄がある。
イワウサギシダ ナヨシダ科 ウサギシダ属
標高3000m稜線付近。石灰岩が含まれる岩石の周辺で観察。高山帯の岩の間隙に生育。ウサギシダにくらべ葉身は長い三角形。
(1),(2)イワウサギシダ
(1)チョウノスケソウと共に生育するイワウサギシダ
(2)イワウサギシダ、葉身
アオチャセンシダ チャセンシダ科 チャセンシダ属
標高3000m稜線付近。高山の岩の間隙に生育。日陰~陽当たりのよいところまで見られる。
オオバショリマ ヒメシダ科 ヒメシダ属
ウラジロモミからシラビソに代わるあたりから見られ、ハイマツ帯の下部、根曲がりしたダケカンバが粗く生える急斜面の草原、明るい日陰に大量・旺盛に群生。
(1)オオバショリマ
(2)ダケカンバの林床に群生するオオバショリマ
ミヤマワラビ ヒメシダ科 ヒメシダ属
コメツガ-ウラジロモミ林、シラビソ林、森林限界あたりまでやや普通に見られる。
(1)ミヤマワラビ
(2)ミヤマワラビ、葉身
(1)ミヤマワラビ、葉身裏側
(2)ミヤマワラビ、胞子嚢群
フクロシダ イワデンダ科 イワデンダ属
およそ標高1500mくらいまで生育。
イワデンダ イワデンダ科 イワデンダ属
低地~標高2300mまで見られた。1500mまでは岩場で普通に見られる。イワデンダを観察した最高標高は2300mあたりで、岩壁に生育する個体では乾燥に対しては羽片・葉身を縮れさせて対応していた。(山頂付近では霧やガスの発生が多いためか、羽片・葉身を縮れさせて対応するシダは見られなかった。)
トガクシデンダ イワデンダ科 イワデンダ属
標高2300~3000m稜線付近。主に石灰岩が含まれる岩石の周辺で観察。黄緑色。包膜は皿状で深く細裂し糸状に伸びもつれる。同様なところに生育する葉身が細身のtypeのナヨシダとよく似ているので注意。
(1)岩の間隙に生育するトガクシデンダ(中央)
(2)岩の間隙に生育するトガクシデンダ(拡大)
(1)トガクシデンダ(上)と葉身が細身typeのナヨシダ(下)
(2)トガクシデンダ、葉身
※トガクシデンダと葉身が細身typeのナヨシダはよく似ていて、一緒に生えていることがあるので包膜の形状や関節の有無などを確認するなど注意が必要。
キタダケデンダ イワデンダ科 イワデンダ属
標高3000m稜線付近。主に石灰岩を含む岩石が多い地帯で観察。中軸や羽軸には膜質・淡褐色の鱗片や毛が生える。包膜の辺縁は深く細裂し糸状に伸びる。
(1)岩の間隙に生育するキタダケデンダ
(2)キタダケデンダ
イヌガンソク コウヤワラビ科 コウヤワラビ属
およそ標高1600mくらいまで生育。
クサソテツ コウヤワラビ科 コウヤワラビ属
ウエットな沢沿い。およそ標高1600mくらいまで生育。
イッポンワラビ メシダ科 メシダ属
1500mの川沿いのコメツガ-ウラジロモミ林林床に見られる。10~20株程度の群落が点在して多く見られた。葉の大きさは変化がありやや明るい川沿いの高茎草本と共に生育する個体は大きく、1mに達するが、樹林内林床では50~60㎝。
(羽片有柄、中軸・羽軸・葉面向軸側有毛)
(1),(2)イッポンワラビ、胞子嚢群
ヤマイヌワラビに似たシダ メシダ科 メシダ属
羽片有柄、中軸・羽軸・葉面向軸側有毛
樹林帯林床で観察。観察した個体の葉の大きさは35~40㎝、葉の色は淡緑色~黄緑色。羽片には短柄あり。羽軸裏側はほぼ無毛で、中軸・羽軸向軸側・葉面有毛。羽軸上(小羽片の分岐点)には小さな刺がある。包膜は線形~鈎形。胞子は調べていない。
標本1
葉の大きさは35~45㎝。葉は淡緑色。中軸・羽軸向軸側に微毛があるが背軸側は無毛。羽片はやや有柄、羽軸上には短い刺がある。胞子嚢群は長楕円形~鈎型。
ヤマイヌワラビに似たシダ
(1)ヤマイヌワラビに似たシダ
(2)ヤマイヌワラビに似たシダ、羽軸上の刺
標本2
(1)ヤマイヌワラビに似たシダ
(2)ヤマイヌワラビに似たシダ、胞子嚢群
標本3
(1)ヤマイヌワラビに似たシダ、葉は黄緑色
(2)ヤマイヌワラビに似たシダ、葉身
ヒロハイヌワラビに似たシダトゲヒロハイヌワラビ メシダ科 メシダ属 2019年9月9日訂正
葉柄基部の鱗片は淡褐色・膜質。軸および羽軸基部の向軸側は有毛で羽軸裏側は無毛、羽軸上(小羽片の分岐点)には刺が目立つ。ヒロハイヌワラビかそれに近い仲間と考えられる。
コメツガ-ウラジロモミ林林床で観察。葉柄および葉柄基部には淡褐色・膜質・披針形の鱗片をつける。観察した個体の葉の大きさは30~35㎝、葉の色・質はヒロハイヌワラビに似て淡緑色~黄緑色でやや厚みがある。中軸および羽軸基部の向軸側は有毛で羽軸裏側は無毛、羽軸上(小羽片の分岐点)には刺がある。まだ胞子をつけていない株なのでもう少し成長した株を観察する必要がある。
(1),(2)ヒロハイヌワラビに似たシダトゲヒロハイヌワラビ(仮称)
(1)(2)ヒロハイヌワラビに似たシダトゲヒロハイヌワラビ(仮称)、葉柄基部の鱗片
(1)ヒロハイヌワラビに似たシダトゲヒロハイヌワラビ(仮称)、羽片
(2)ヒロハイヌワラビに似たシダトゲヒロハイヌワラビ(仮称)、小羽片基部の刺
ヒロハイヌワラビに似たシダトゲヒロハイヌワラビ(仮称)、羽軸裏側
タカネサトメシダ メシダ科 メシダ属
コメツガ-ウラジロモミ林~シラビソ林などの針葉樹林帯林床に生育。標高は2300m以上のダケカンバーオオバショリマ帯では見られなくなる。特徴:葉柄は長く、羽片はほぼ無柄、羽片基部の小羽片は外先につくことが多い。
標本1
(1)タカネサトメシダ
(2)タカネサトメシダ、羽片
(1)タカネサトメシダ、葉柄
(2)タカネサトメシダ、葉柄基部の鱗片
標本2 葉柄基部の鱗片が淡褐色の個体
(1)タカネサトメシダ
(2)タカネサトメシダ、葉柄基部の鱗片
(1)タカネサトメシダ、羽片
(2)タカネサトメシダ、胞子嚢群
標本3 葉柄基部の鱗片が黒褐色で辺縁淡褐色の個体
(1)タカネサトメシダ
(2)タカネサトメシダ、羽片
ミヤマメシダ メシダ科 メシダ属
標高2300mあたり~3000m山頂まで生育する。明るいところを好み、シラビソなどの針葉樹林では渓流沿いの明るい林縁~陽当たりのよう山頂の岩場に生育。生育場所によって葉の大きさは変化し25~80㎝。葉柄には先がちじれた黒に近い黒褐色の鱗片をつける。胞子嚢群は三日月形~馬蹄形・鈎型で包膜の辺縁は細裂する。
標本2 森林限界に生育 標高2800m
森林限界付近に生育するミヤマメシダ
(1)(2)森林限界付近に生育するミヤマメシダ、葉身下部
(1)(2)森林限界付近に生育するミヤマメシダ、胞子嚢群
標本3 山頂岩礫地に生育 標高3000m以上
高山に生育するミヤマメシダ
高山に生育するミヤマメシダ、胞子嚢群
エゾメシダか? メシダ科 メシダ属
ウラジロモミシラビソ・コメツガなどの針葉樹林内にダケカンバが混じる森林。川沿いの林床斜面に生育。葉柄基部には膜質・淡褐色の鱗片がつき、葉柄は葉身よりも短い。葉の大きさは45~55㎝、楕円状披針形、黄緑色~鮮緑色。最下羽片はあかり短縮していない。胞子嚢群は三日月形~馬蹄形・鈎型で、包膜の辺縁は細裂する。
ヘビノネゴザ メシダ科 メシダ属
林床で観察。低地から標高2300mのシラビソ林まで見られた。
(1)標高2200mの樹林内に生育するヘビノネゴザ
(2)ヘビノネゴザ、葉身
(1)ヘビノネゴザ、葉柄
(2)ヘビノネゴザ、葉柄下部の鱗片
ミヤマヘビノネゴザ メシダ科 メシダ属
林縁や日の当たる山道沿いや稜線の岩場で観察。1700m~稜線部まで見られた。小形のミヤマメシダに似ているが、鱗片の色が淡褐色~褐色、基部では多少2色になることがある。
(1)ミヤマヘビノネゴザ、葉柄の鱗片
(2)ミヤマヘビノネゴザ、胞子嚢群
標本4
ヤマヘビノネゴザ
(1)ミヤマヘビノネゴザ、葉柄~葉身下部
(2)ミヤマヘビノネゴザ、葉柄の鱗片
ミヤマシケシダ メシダ科 シケシダ属
~1700m付近まで観察。葉柄は華奢で葉の大きさは30~45㎝と小形。樹林内、ウエットな林床に生育。
ウスゲミヤマシケシダ メシダ科 シケシダ属
1700~1900mで観察。葉の大きさは70~80㎝で大形。明るい沢沿いに高茎草本と共に生育。
(1)ウスゲミヤマシケシダ、根茎
(2)ウスゲミヤマシケシダ、胞子嚢群
オオメシダ メシダ科 シケシダ属
標高1700~2200mで観察。シラビソ林~ダケカンバ林の境界周辺。樹林内にも見られるが明るい沢沿いに高茎草本と共に旺盛に生育。葉の大きさは150㎝に達する。胞子嚢群は三日月形。
(1)樹林内に生育するオオメシダ
(2)オオメシダ、葉身上部
ミヤマシダ メシダ科 ノコギリシダ属
標高はおよそ1500mまで。渓谷近くのウエットなウラジロモミシラビソ・コメツガ林の林床で。
(1),(2)ミヤマシダ、胞子嚢群
キタノミヤマシダ メシダ科 ノコギリシダ属
標高2300m付近、シラビソ-ダケカンバ林が終わり、丈の低いダケカンバのみの林がオオバショリマの草原に点在する森の中、付近のダケカンバはすべて根曲がりしている。生育地の周辺には石灰岩を含む堆積岩の大岩が露出している。ミヤマシダにくらべ深く切れ込み、包膜の辺縁は細かく裂ける。
(1)キタノミヤマシダ
(2)キタノミヤマシダ、葉柄
(1),(2)キタノミヤマシダ、小羽片裏側
(1),(2)キタノミヤマシダ、胞子嚢群
シノブカグマ オシダ科 カナワラビ属
標高1700~2200mのウラジロモミ-コメツガ林~シラビソ林内で優勢に生育。
ミヤマベニシダ オシダ科 オシダ属
標高1500m付近まで。渓谷沿いのウエットな林床に生育。それほど大きな群生は見られず、元気な株は見つけられず、胞子をつけた株も観察できなかった。生育環境の限界の標高なのかもしれない。
シラネワラビ オシダ科 オシダ属
標高1700~2200mのウラジロモミ-コメツガ林~シラビソ林林床で優勢に生育。神奈川県では箱根でしか見たことが無く貴重なシダであるが。
シラネワラビ
カラフトメンマ オシダ科 オシダ属
標高1700~2700mで観察。陽当たりのよい、根曲がりしたダケカンバ林~森林限界の草原で優勢に生育。
(1)草原に生育するカラフトメンマ
(2)カラフトメンマ、葉身
(1)カラフトメンマ、芽立ち
(2)カラフトメンマ、葉柄の鱗片
(1)カラフトメンマ、羽片裏側
(2)カラフトメンマ、胞子嚢群
ホソイノデ オシダ科 イノデ属
標高2200m付近まで観察。葉の大きさは45~80㎝。
ホソイノデ小形 オシダ科 イノデ属
標高1700m付近まで観察。渓谷沿いの薄暗い針葉樹林~やや明るい夏緑広葉樹林林床まで生育。葉の大きさが15~20㎝、下部の羽片は短縮する。胞子嚢群は中肋寄りにつく。付近にはホソイノデ(葉身80㎝)が生育。胞子の形状など今後ホソイノデと比較して調べていきたい。
標本1
標高1500m付近の渓谷沿いの樹林帯、ウエットな林床に生育。付近にはホソイノデ(葉身80㎝)も生育。
標本2
標高1700m。沢沿い、夏緑広葉樹が生育するやや明るい林床。付近にはホソイノデ(葉身80㎝)が生育。
(1)ホソイノデ小形
(2)ホソイノデ小形、羽片
(1)ホソイノデ小形、葉柄
(2)ホソイノデ小形、葉柄の鱗片
トヨグチイノデ最下羽片が徐々に短縮するイノデの仲間
オシダ科 イノデ属
標高1500m付近で観察。葉の大きさは30㎝程度、葉は艶が無くやや白味を帯びた緑色。葉身基部羽片は急に短縮する。葉柄には淡褐色・卵形で大きな鱗片が混ざる。中軸の鱗片はあまり小さくならず、卵状披針形~広披針形で淡褐色・膜質。胞子をつけた株を見つけることはできなかった。付近にはホソイノデ・ホソイノデ小形が生育。まだ胞子をつけた葉を展開していないが以下の点でトヨグチイノデとした。①小形のイノデの仲間。②下部羽片が急に短縮する。③葉身の先端は鈍頭。④中軸の鱗片が大きい。⑤葉は艶が無くやや白味を帯びた緑色。
まだ胞子をつけていないのでホソイノデとほかのイノデの仲間との雑種の可能性も考えられる。胞子を確認する必要がある。
訂正。2019年10月31日
(1)トヨグチイノデ最下羽片が徐々に短縮するイノデの仲間
(2)トヨグチイノデ最下羽片が徐々に短縮するイノデの仲間、葉柄
(1),(2)トヨグチイノデ最下羽片が徐々に短縮するイノデの仲間、中軸の鱗片
タカネシダ オシダ科 イノデ属
3000m稜線付近。石灰岩が含まれる岩石の周辺で観察。
(1)岩の間から垂れ下がるタカネシダ
(2)タカネシダ、葉柄下部の鱗片
ナガオノキシノブ ウラボシ科 ノキシノブ属
標高1800m付近まで観察。ウラジロモミシラビソ・コメツガ林内では時折生育しているダケカンバの大木の樹幹や林床の岩上に生育。
ミヤマウラボシ ウラボシ科 ミツデウラボシ属属
森林限界の丈の低いダケカンバ林の急斜面に突き出した岩の側面に生育する。
(1),(2)ミヤマウラボシ
岩石
南アルプス北部の山を形成している岩石のいくつかを紹介します。
(1),(2)輝緑凝灰岩か
鳥や蝶
(1)イワヒバリ
(2)イワヒバリとキタダケヨモギとミヤマアキノキリンソウ
花
南アルプスは花の山です。いくつかの花を紹介します。
ミヤマハナシノブは花期の長い花ですが7月の中旬は美しい開花しはじめの季節です。
(1),(2)ミヤマハナシノブ
(1)タカネビランジ
(2)2,200~2,300m付近の林床草原に生育するタカネナデシコ
(1)ミヤマキンポウゲ
(2)タカネニガナあるいはクモマニガナ
(1)ミヤママンネングサ
(2)ミヤママンネングサとミヤマミミナグサ
(1)タカネヤハズハハコとウサギギク
(2)タカネヤハズハハコ、花
(1)シコタンソウとナヨシダ
(2)ムカゴユキノシタ(左)とウラジロキンバイ
(1)ムカゴユキノシタ
(2)ミツバオウレンかミツババイカオウレン