沼津アルプスを歩いてきました。
鷲頭山の北および北東部、中腹から山頂ににかけて黒っぽい色~明るい色まで玄武岩質~安山岩質凝灰角礫岩の巨岩や岩壁が見られ、小鷲頭山直下はほぼ切り立った絶壁で爆裂火口のような地形でした。
谷筋の傾斜地にスギ・ヒノキが植林されていますが、東京や神奈川のコナラなどの夏緑広葉樹が占める里山の森と異なり、山麓からタブノキ・シロダモ・ヤブニッケイ・イヌガシ・ヒサカキなどの照葉樹が優勢な森で、夏緑広葉樹はまばらでエノキ・アカメガシワなど、山地上部では照葉樹に混じってコナラ・クヌギ・カシワなどが生育していました。標高はそれほどありませんが、起伏の大きな山なみで、山頂や稜線付近の傾斜の急な山道は鎖場となりロープが張り渡されていました。小鷲頭山付近の絶壁や急傾斜地はウバメガシの純林でした。稜線からの眺めはよく足元に沼津の港と駿河湾が見渡せました。
みなさんでいろいろなシダを観察しながら1日歩きました。
トウゲシバの仲間
普通のトウゲシバ、オニトウゲシバが見られました。
山地中上部のあまりウエットではない林内ではトウゲシバが生育。山地下部のややウエットな林内の斜面ではオニトウゲシバが生育していました。
クラマゴケの仲間
イワヒバ、カタヒバ、イヌカタヒバ、タチクラマゴケ、ヒメクラマゴケ、小形のタチクラマゴケ似のクラマゴケの仲間が見られました。
カタヒバはウエットな空気に包まれた山中の岩峰や切り立った崖に群生するが、イヌカタヒバは山麓から流れ出る河川のコンクリートの側溝や川のそばの民家の石垣で見られた。この季節、イヌカタヒバは側枝の先にマツカサ状の無性芽をつけるので区別しやすい。
イワヒバ
山麓の神社や小さな祠の周囲の岩場~山地林内の乾燥気味の岩上に生育、普通に見られる。
山麓にある小さな祠の周囲の乾燥気味の岩壁に群生するイワヒバ'
ヒメクラマゴケ
ウエットな空気に包まれた林床近くの岩壁の下部や林内の切り立った崖や露頭に群生する。腹葉は幅の広い鎌形で先端は鈍頭。タチクラマゴケに似るが、夏季は、房状に胞子嚢群をつけるので区別が容易。
(1)ウエットな空気に包まれた林内、床近くの岩壁に群生するヒメクラマゴケ
(2)多少明るい林内では、多少紅葉するヒメクラマゴケ
タチクラマゴケ
①紅葉したタチクラマゴケ
麓の新神社では紅葉したタチクラマゴケが石造物の側面に着生。林内林床ではウエットな林床に鮮緑色のタチクラマゴケが1地点で生育を確認。
(1)(2)石造物の側面に着生する紅葉したタチクラマゴケ
(1)紅葉したタチクラマゴケの背葉および腹葉
(1)タチクラマゴケ、葉の生長点
小形のタチクラマゴケ似の仲間
林内のウエットな林床に生育する。葉はタチクラマゴケよりも小さく腹葉は広卵形。最初、タチクラマゴケと考えたが箱根湯本で観察している小形のタチクラマゴケ似のクラマゴケの仲間と同じと思われる。タチクラマゴケの変化の範囲に入るのかもしれないが興味深いシダである。
(1)林内林床に生育する小形のタチクラマゴケの仲間
(2)小形のタチクラマゴケの仲間、葉先の生長点
(1)(2)小形のタチクラマゴケの仲間鮮緑色のタチクラマゴケの背葉および腹葉
ハナワラビの仲間
林内ではオオハナワラビ、シチトウハナワラビが生育。
シチトウハナワラビか
山地上部、風通しのよい林床に生育。裂片の辺縁にある程度鋸歯はあるが、葉はオオハナワラビにくらべ柔らかく辺縁の鋸歯の鋭さは弱い。
(1)(2)山地上部のやや風通しのよい林床に生育するシチトウハナワラビか
マツバラン
風通しの良い山頂付近、落葉広葉樹の大木の幹(胸高部)に生育。この時期は宿主が葉を落としているため明るい環境。
マツバラン
アオホラゴケの仲間
山地の中~下部の林内岩場や転石の側面ではアオホラゴケの仲間が見られました。アオホラゴケは1種類と思っていましたが胞子数が30個程度確認できる株と60個程度確認できる株が存在することが分かりました。有性生殖種ばかりかと思っていましたが、採取した標本の胞子のようすから無融合生殖種が存在することが分かりました。今後、もっと多くの個体を観察する必要があると思いますが、興味深い種類です。
アオホラゴケ
ウエットな岩場では、普通に見られるものの1つでした。大きいもの8㎝に達し、岩壁一面に群生していました。
持ち帰った標本の胞子を観察すると胞子数が30個程度確認できる株と60個程度確認できる株無融合生殖種と有性生殖種が見られた。胞子の数や形は異なるが、外観の違いはまだ明確にはわからない。今後外観の違いに注目していきたい。
アオホラゴケ2種
アオホラゴケ 胞子数60程度 球形胞子種(上)、アオホラゴケ胞子数20~30程度 三角錐形胞子種(下)の比較
その1:アオホラゴケ 三角錐形胞子 胞子数20~30個程度確認種無融合生殖種
1個の胞子嚢の中に、胞子数は20~30個確認できる。胞子の形は三角形。この季節のためか(あるいはいつでもか)胞子嚢から数本の緑色の仮根がひょろひょろと飛び出し、毛をまとった胞子嚢のようすをしていた。その胞子嚢を壊して中を観察すると、胞子嚢の中で胞子が仮根を発芽させていた。無融合生殖種の可能性はあるが、すべての胞子の形が整っており有性生殖種の可能性も考えなければならない。
標本1
(1)(2)アオホラゴケ 胞子数30個程度確認種無融合生殖種
(1)(2)アオホラゴケ 胞子数30個程度確認種無融合生殖種、葉身下部~根茎
(1)(2)アオホラゴケ 胞子数30個程度確認種無融合生殖種、羽片
(1)(2)アオホラゴケ 胞子数30個程度確認種無融合生殖種、発根した胞子の仮根が外に出た胞子嚢
(1)(2)アオホラゴケ 無融合生殖種、1つの胞子嚢を壊したようす
(1)(2)アオホラゴケ 胞子数30個程度確認種無融合生殖種、胞子の形状
(2)アオホラゴケ 胞子数30個程度確認種無融合生殖種、胞子頂部
(2)アオホラゴケ 胞子数30個程度確認種無融合生殖種、胞子側面
(1)(2)アオホラゴケ 胞子数30個程度確認種無融合生殖種、胞子から発芽する仮根
その2:アオホラゴケ 球形胞子 胞子数60個程度確認種 有性生殖種
1個の胞子嚢の中に、胞子数は50~60個確認できる。胞子の形は球形。胞子嚢の中で発芽している胞子は見られなかった。
(1)(2)アオホラゴケ 有性生殖種、1つの胞子嚢を壊したようす
(2)アオホラゴケ 有性生殖種、胞子頂部
(2)アオホラゴケ 有性生殖種、胞子側面
ハイホラゴケの仲間
イズハイホラゴケやミウラハイホラゴケ、セイタカホラゴケ、コハイホラゴケヒメハイホラゴケと思われる個体を観察。これらが有性生殖種・無融合生殖種あるいは雑種のいずれであるかは改めてよい季節に胞子を観察して確認してみたい。
イズハイホラゴケ (葉の長さ18~20㎝・幅6~8㎝)
大形のハイホラゴケの仲間。日陰の切り立った岩壁に群生。葉の大きさは18~20㎝・幅はミウラハイホラゴケよりも広く6~8㎝。胞子の大きさ・形は整い60個程度確認でき有性生殖種。
(1)イズハイホラゴケ
(2)イズハイホラゴケ、葉柄および根茎
(1)イズハイホラゴケ、胞子嚢群
(2)イズハイホラゴケ、胞子嚢群および包膜
(1)(2)(3)イズハイホラゴケ、1つの胞子嚢を壊したようす
ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ (葉の長さ18~20㎝・幅4~6㎝)
大形のハイホラゴケの仲間。葉の大きさは18~20㎝・幅は4~6㎝。ウエットで切り立った岩壁に群生。葉身の長さは15㎝程度あり、葉柄の長さは変化があるが10㎝程度あった。この季節、胞子を数えるのにはあまり適していないが、胞子数葉60個程度確認でき有性生殖種であった。大きさからミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケとした。
(1)(2)切り立った岩壁に群生するミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ
(1)ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ
(2)ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ、葉身中~下部
(1)ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ、葉柄
(2)ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ、葉柄の翼
(1)ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ、羽片
(2)ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ、羽片裏側
(1)(2)ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ、1つの胞子嚢を壊したようす
(1)ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ、胞子側面
(2)ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ、胞子上面
(1)ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ、胞子側面
(2)ミウラハイホラゴケあるいは幅の狭いイズハイホラゴケ、胞子上面
ヒメハイホラゴケ 切れ込みが深く裂片が細長い
葉の大きさは7~10㎝。葉柄の長さは2~5㎝。葉身は卵状披針形、長さは5~8㎝、幅は1.5~2㎝。羽片は立体的にならず平面的で隣り合う羽片は重ならない。裂片は深く切れ込み細長い。観察した胞子嚢はほとんどが空の胞子嚢であったが、わずかに観察できた胞子嚢では形は多少乱れているが球形の胞子が多く30個程度観察された。無融合生殖種の可能性もあるが形が整い有性生殖種の可能性も考えなければならない。
(1)ヒメハイホラゴケ、栄養葉
(2)ヒメハイホラゴケ、胞子をつけた葉
(1)ヒメハイホラゴケ
(2)切り立った岩壁に群生するヒメハイホラゴケ
(1)ヒメハイホラゴケ
(2)ヒメハイホラゴケ:栄養葉と右:胞子をつけた葉
ヒメハイホラゴケ、1つの胞子嚢を壊したようす。ほとんどが空の胞子嚢であり、わずかに観察できた胞子嚢。
※この季節、胞子の状態を観察するのには適していない。主な胞子嚢はすべて弾けて飛散しており、ラッパ状の包膜の中にはほとんどが空の胞子嚢胞が詰まっており、中にわずかに胞子を観察できる胞子嚢が混ざっているだけであった。よい時期に再度観察する必要がある。
コハイホラゴケ(ハイホラゴケ×ヒメハイホラゴケ) 羽片が混み合い重なり立体的
切り立った岩場では普通に見られるものの1つでした。葉柄は5~6㎝・葉身は8~10㎝、幅は1.5~2.5㎝。羽片は混み合い立体的になり重なる。多くの胞子嚢を調べたがすべて胞子は不稔であった。この季節なので胞子が充実したころに再度調べる必要がある。
(1)コハイホラゴケ(ハイホラゴケ×ヒメハイホラゴケ)
(2)切り立った岩壁に群生するコハイホラゴケ(ハイホラゴケ×ヒメハイホラゴケ)
(1)(2)コハイホラゴケ(ハイホラゴケ×ヒメハイホラゴケ)、羽片
セイタカホラゴケ(ハイホラゴケ×オオハイホラゴケ)あるいはハイホラゴケ×ミウラハイホラゴケ 葉がやや大形で羽片がスリム
胞子未確認。今回の観察地ではイズハイホラゴケ・ミウラハイホラゴケが観察されているのでセイタカホラゴケ(ハイホラゴケ×オオハイホラゴケ)あるいはハイホラゴケ×ミウラハイホラゴケとした。葉の大きさは15~18㎝。葉身の大きさは12~15㎝・幅は狭く2㎝程度。スリムなミウラハイホラゴケかもしれないが、まだ胞子を観察していない。改めて観察してみたい。
(1)セイタカホラゴケあるいはハイホラゴケ×ミウラハイホラゴケ、葉身
(2)セイタカホラゴケあるいはハイホラゴケ×ミウラハイホラゴケ、羽片
小形のハイホラゴケの仲間
胞子未確認。葉の大きさは4~6㎝。アオホラゴケの群生が広がる切り立った岩場の一部に、1群体のみ確認。葉柄は0.7~2㎝、葉身は3.5~4㎝。葉柄~中軸まで翼があり激しく波打つ。胞子嚢群をつけていない。
(1)切り立った岩壁に生育する小形のハイホラゴケの仲間
(2)小形のハイホラゴケの仲間、葉の大きさ
(1)小形のハイホラゴケの仲間、中軸および裂片
(2)小形のハイホラゴケの仲間、葉柄
フモトシダの仲間
普通のフモトシダ、ケブカフモトシダ、ウスゲフモトシダなどが見られました。
ウスゲフモトシダ
葉質は薄く、植物全体に毛が少なく、葉面は表裏ともほぼ無毛。
(1)ウスゲフモトシダ
(2)ウスゲフモトシダ、羽片
イノモトソウの仲間
麓の寺院でイノモトソウが見られました。林内ではオオバノイノモトソウ、アマクサシダ(多数)、マツザカシダ(1地点)が見られました。
シシラン科の仲間
タキミシダ
同行の方のお話によると、関西紀伊半島、和歌山などの古井戸(多分石組みのバケツで汲む井戸)ではよく見られたとのこと。
チャセンシダの仲間
トラノオシダ、コバノヒノキシダ、コウザキシダ、アオガネシダが見られました。山麓の川沿いの日陰の側溝や石垣ではコバノヒノキシダが生育。民家の石垣~山中の明るい岩上にはトラノオシダが生育。
アオガネシダ
山地上部の林内急斜面の岩上(側面)にはアオガネシダが生育。生育している岩面はあまりウエットではない。コバノヒノキシダに似るが中軸向軸側で凹み、小羽片・裂片はスリムで細長い。
(1)アオガネシダ、羽片
(2)アオガネシダ、胞子嚢群
コウザキシダ
スギ・ヒノキおよび常緑広葉樹林内、上部を樹冠に覆われた薄暗い岩壁にはコウザキシダが群生。
(1)日陰の岩壁に群生するコウザキシダ
(2)コウザキシダ、葉身
ヒメシダの仲間
麓の寺院や神社の周りではハシゴシダ、コハシゴシダが見られました。ホシダ山麓~山中まで見られました。
コハシゴシダ
林縁に群生するコハシゴシダ
(1)コハシゴシダ、羽片基部
(2)コハシゴシダ、羽片基部裏側
シケシダの仲間
この季節、シケシダの仲間はあまり見られなかった。常緑性のシケシダの仲間とヘラシダの群生が見られた。
ナチシケシダ
※生態写真は撮影していません。同行の方が採取された標本を撮影させていただきました。
常緑性。生育している場所が樹林内で暖かかったためか冬でも枯れずに残っていたと思われる。葉は大きく70㎝近くあった。包膜の辺縁は深く切れ込む。現地では個体が大きいこともあり、雑種の可能性があると思われたが、胞子を観察すると、飛ばずに残っている胞子嚢があり、胞子数は60個程度確認でき有性生殖種であった。
ノコギリシダの仲間
ノコギリシダを観察。大きなディプラジウムの仲間には出会いませんでした。(近くの葛城山・城山にはヒカゲワラビ・コクモウクジャクが見られるので少し期待していましたが)
カナワラビの仲間
リョウメンシダ、オオカナワラビ、ホソバカナワラビ、、オニカナワラビ、コバノカナワラビ、オオカナワラビの雑種が見られました。
テンリュウカナワラビか
オオカナワラビとコバノカナワラビの雑種と思われる。他にもオオカナワラビ×ホソバカナワラビ(テンリュウカナモドキ)あるいはオオカナワラビ×オニカナワラビの組み合わせが考えられるが、葉はまとまってつき根茎は長く這っていない。
生育している環境はスギや照葉樹がよく茂った林内、沢の流れのそばのウエットな林床。
観察された特徴は、葉の大きさは60~80㎝、濃緑色。オオカナワラビに似ていますが、葉の質はやや硬い。最下羽片後側第1小羽片は発達する。側羽片が多く、側羽片は上に行くほどやや短くなり、頂羽片はある。少数の葉をまとまってつけ、根茎は長く這っていないように思われる。
(1)(2)テンリュウカナワラビか
(2)テンリュウカナワラビか、葉身
ヤブソテツの仲間
ナガバヤブソテツ、テリハヤブソテツが見られました。ヤブソテツ(ヤマヤブソテツ類)はあまり見られなかった。
オシダ属の仲間
クマワラビ、オクマワラビ、オオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)、オオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)、オオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダ)、ベニオオイタチシダ、ベニシダ、トウゴクシダ、エンシュウベニシダ、ナガバノイタチシダなどが見られました。
エンシュウベニシダ ※同行の方が採取されました。残念ながら写真をとり忘れました。
小羽片がマルバベニシダとエンシュウベニシダを足して2で割ったような個体をフィールドでときどき出会うことがあります。一般的にマルバベニシダは小さく(35~60㎝)、エンシュウベニシダは大きい(50~80㎝)ように思います。また、鱗片の色は変化に富みますが、葉柄基部~中部ではマルバベニシダはあまり曲がらずやや直線的に着きますが、エンシュウベニシダでは多少纏わりつくように曲がってつきます。
今回観察した個体は、小羽片はマルバベニシダに似るが、ややしもぶくれで典型的なエンシュウベニシダというほどではなく、エンシュウベニシダとマルバベニシダの中間的でした。外観の特徴は、①葉が大きく70㎝程度あること、②葉柄の鱗片は濃褐色で葉柄に少し纏わりつくようについていました。
オオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダ)
山麓の林縁の崖に生育。葉が厚くなければリョウトウイタチシダによく似ていた。
(1)ローム層の崖に生育するオオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダ)
(2)オオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダ)葉身
(1)オオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダ)葉柄基部の鱗片
(2)オオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダ)葉柄の鱗片
(1)オオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダ)羽片
(2)オオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダ)胞子嚢群
オオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)
アオニオオイタチシダ(葉形がシャープな個体)。山麓林縁に生育。
(1)(2)オオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)
(1)オオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)羽片
(2)オオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)小羽片
イノデの仲間
オリヅルシダ、ジュウモンジシダ、イノデ、イノデモドキ、アマギイノデ?が見られました。
アマギイノデ(イノデ×イノデモドキ)か鱗片辺縁が細裂するイノデか
イノデとイノデモドキの雑種と推定される。スギおよび照葉樹が茂る谷沿いの小さな流れのそばに生育。50~60㎝ほどの葉を叢生するが先端の1/4~1/5が枯れている葉が目立った。葉身は艶があり、イノデに似る。葉柄の鱗片は辺縁が和紙を裂いたようにほつれ、イノデモドキに似る。胞子嚢群は飛んでしまっているようにも見える。
(1)(2)アマギイノデ(イノデ×イノデモドキ)か鱗片が細裂するイノデか
(1)アマギイノデか、葉柄下部の鱗片
(2)アマギイノデか、葉柄中部の鱗片
(3)アマギイノデか、葉柄上部の鱗片
(1)アマギイノデか、葉身下部羽片の胞子嚢群
(2)アマギイノデか、葉身上部羽片の胞子嚢群
ウラボシ科の仲間
ミツデウラボシ、マメヅタ、ノキシノブ、クリハラン、ヒトツバなどが見られました。
ヒトツバ
乾燥した切り立った岩壁に生育。
その他のシダ
ウラジロ、カニクサ、イヌシダ、イワガネゼンマイ、イワガネソウ、タチシノブ、ハコネシダなどが見られました。
そのほか
オトメアオイか
稜線沿いの乾燥気味のウバメガシ林林床で観察。壺のような花(ガク)が特徴。花弁のようなところはカントウカンアオイに似ている。
ニオイタチツビスミレ コクラン
(1)ニオイタチツビスミレ
(2)コクラン
おわりに
季節柄夏緑性のシダは観察できませんでした。季節を改めて観察してみたいと思います。
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