ナチホソバシケシダかもしれない
メシダ科 オオシケシダ属 Deparia petersenii × D. conilii
生育していた環境:スギ植林地内、泥砂岩質の岩上やその付近。
観察された特徴:夏緑性。やや2形性。栄養葉の大きさは15~25㎝。羽片は葉身中央で最大となり、最下羽片は小さくなる。葉はやや厚くナチシケシダに似ているが、柔らかく全体的に毛が多い。包膜の辺縁の鋸歯は中間的か。胞子のうの中には数や形など正常に見えるものも見られるが多くは胞子の大きさにむらがあり形もいびつなものが多く混ざる。胞子の周りの突起はナチシケシダやフモトシケシダよりもホソバシケシダに似る。
生育確認数:1地点。瑞泉寺天園コース付近。
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)葉身下部(上右)
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、葉身裏側(上左)
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、羽片裏側(上右)
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、包膜(上左、上右)
胞子のう1
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、正常に見える胞子(上左、上右)
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、胞子表面(上左)
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、胞子側面(上右)
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、胞子表面(上左)
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、胞子側面(上右)
胞子のう2
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、雑種の特徴を示す胞子(上左、上右)
胞子のう3
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、雑種の特徴を示す胞子(上左、上中、上右)
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、胞子表面(上左)
ナチホソバシケシダ(ナチシケシダ×ホソバシケシダ)、胞子側面(上右)
標本2
ナチホソバシケシダか
葉は厚みがありナチシケシダに似るが植物体全体に毛が多い。
(※毛の多いナチシケシダとして記載していたものをナチホソバシケシダに訂正します。ただしナチフモトシケシダの可能性もあり今後、機会を見つけて胞子の形状を調べたいと思います。2016年10月28日)
生育している環境:上部が樹冠に覆われたウエットな泥-砂岩質の崖や寺社の石段・石垣などの石造物の周辺で見られる。
観察された特徴:夏緑性。葉の大きさは20~30㎝、葉は表面には細かい毛がありビロードの質感で白っぽい緑色。包膜の辺縁には鋭い鋸歯がある。
生育確認数:1地点。 大仏ハイキングコース。