ウラゲイワガネ(葉がシャープに尖るtype)
イノモトソウ科 イワガネゼンマイ属
生育している環境:スギ・ヒノキ林内、渓谷沿いの切り立ったウエットなチャートの崖に他のシダの仲間と共に生育。
観察された特徴:常緑性。葉の大きさは100㎝程度。葉脈は網目状にはならず平行脈で2叉あるいは3叉し、辺縁の鋸歯の中まで達する。
羽片が披針形で細身の外観から最初は雑種のキソイワガネソウ(ウラゲイワガネ×イワガネソウ)ではないかと思ったが、胞子を観察するとウラゲイワガネであることが分かった。
胞子のようす:胞子嚢群の中には、不充実な胞子嚢が相当数混ざっていた。今後、充実していくのかもしれない。充実した胞子嚢を観察すると胞子数は30個以上確認でき無融合生殖種で胞子の大きさ・形はほぼ整っていた。
(1)葉がシャープに尖るウラゲイワガネ、羽片
(2)葉がシャープに尖るウラゲイワガネ、羽片の葉脈
(1)葉がシャープに尖るウラゲイワガネ、羽片裏側
(2)葉がシャープに尖るウラゲイワガネ、胞子嚢群
1つの葉(小羽片)の中でいろいろな胞子嚢が見られる。顕微鏡下では以下のような胞子嚢が混ざって存在する。①光を通さず充実した胞子を多く含む胞子嚢。②やや光を通し胞子の充実度がやや劣ると思われる胞子嚢。③光をよくと通し不充実な胞子でできた胞子嚢。④ほとんど透明で白く透けて見える胞子嚢。
それぞれの胞子嚢の胞子は、①→②→③になるに従い中身が不充実な胞子が増える。(④は胞子まで観察していない。)
(1)(2)葉がシャープに尖るウラゲイワガネ、いろいろの胞子嚢
胞子のようす(充実した胞子嚢を観察した)
胞子標本1
葉がシャープに尖るウラゲイワガネ、1つの胞子嚢を壊したようす
(1)(2)葉がシャープに尖るウラゲイワガネ、胞子
胞子標本2
葉がシャープに尖るウラゲイワガネ、1つの胞子嚢を壊したようす
葉がシャープに尖るウラゲイワガネ、胞子
胞子標本3
葉がシャープに尖るウラゲイワガネ、1つの胞子嚢を壊したようす