ひろちょん氏にご案内していただき、日原周辺を歩いてきました。今年の春は日原方面の谷はまだ通行止めが多かったのですが、現在は入山できるようで奥多摩駅は朝早くから川乗山方面に行く人などで大変混んでいました。良い天気に恵まれいろいろなシダを観察することができました。
ヤマクラマゴケ
好石灰岩性のシダ。石灰岩地帯の岩上に生育。明るいところに生育する株は紅葉し始めていた。
①石灰岩上に生育するヤマクラマゴケ
①②ヤマクラマゴケ、胞子のう穂
アカハナワラビ
岩場の林縁で観察。まだ紅葉していなかった。
岩場の林縁に生育すアカハナワラビ
スギラン
ウエットで深い山に生育するトウゲシバの仲間の着生性のシダです。樹上や切り立った岩壁に着生していました。
⑤スギラン、胞子のう
※写真は望遠レンズで撮影された方のご厚意で頂きました。
ヒメウラジロ
好石灰岩性のシダ。日原の集落内の石垣に生育。
①人家の石垣に生育するヒメウラジロ
②ヒメウラジロ、葉の裏側
ミヤマウラジロ
好石灰岩性のシダ。石灰岩を含むと思われる岩石上や数か所にわたり林内の一部の石垣に生育。推測であるが多分石垣の近くには石灰岩が存在するのではないかとおもわれる。
①林内の一部の石垣に生育するミヤマウラジロ
②ミヤマウラジロ、葉身
③ミヤマウラジロ、葉身裏側
イチョウシダ
好石灰岩性のシダ。多くの場合石灰岩上にのみ生育する。
①②石灰岩上に生育するイチョウシダ
トキワシダ
ウエットで切り立った日陰の岩壁に3~4株生育していた。
①ウエットで切り立った日陰の岩壁に生育するトキワシダ
トキワシダ、中軸上につくむかご
トキワシダ、胞子のう群
ミサクボシダか
好石灰岩性のシダ。ミサクボシダ(トキワシダ×オクタマシダ)かトキワシダの個体変異の可能性がある。トキワシダは近くに生えていたが、オクタマシダは観察できなかった。切り立った岩壁。羽片の切れ込みは両種の中間。まだ胞子の様子は観察していない。改めて調べてみたい。
①ウエットな切り立った岩壁生育するミサクボシダか
②ミサクボシダか、葉身
クモノスシダ
石灰岩上や石灰岩を含むと思われる岩上に生育する。
イセザキトラノオ
コバノヒノキシダとクモノスシダの雑種。両種が生えていることろで時々見られる。
①イセザキトラノオ(コバノヒノキシダ×クモノスシダ)
ヒメヤワラシダか
同行の方から教えていただく。深い山の渓谷の岩壁下部および岩屑の堆積上に群生していた。深い山中を広い範囲にわたり歩いたが1地点でしか生育を確認できなかった。葉の長さは35~45㎝。羽片葉細長く幅は1㎝程度。上下の羽片間の隙間葉広く、葉身上部の羽片基部は翼を形成し中軸に流れる。サトヤワラシダとの区別点の一つである根茎のようすは確認することができなかった。
①渓谷の岩壁に群生するヒメヤワラシダか
②渓谷の岩壁に群生するヒメヤワラシダか
⑤ヒメヤワラシダか、葉身下部
⑥ヒメヤワラシダか、葉身上部
キンモウワラビ
石灰岩上や石灰岩のザレ場、石灰岩を含むと思われる岩上に生育する。
①石灰岩のザレ場に生育するキンモウワラビ
②60~70㎝の葉を広げるキンモウワラビ
リョウトウイタチシダ
この辺りの標高ではイワオオイタチシダは確認されず、イワイタチシダ・イヌイワイタチシダ・リョウトウイタチシダの3種が生育する。
①岩壁に生育するリョウトウイタチシダ
イワイタチシダ
切り立った岩壁上に生育する。小さい個体を身にすることが多いが、大きな個体では40㎝に達する。
①②岩壁に生育するイワイタチシ
ミサキカグマ
崖上部のザレ場や岩が露出する明るい林縁に生育する。
①崖上部のザレ場に生育するミサキカグマ
4回羽状複葉の大形のミサキカグマサクライカグマか
サクライカグマかとして掲載いたしましたが、葉の色や羽片・小羽片の形やつく角度などから、大形のミサキカグマに訂正します。2023年1月8日
上部を樹冠に覆われた岩場に生育する。4回羽状複葉になる大形のミサキカグマサクライカグマかと思われる。葉の大きさは35~45㎝、黄緑色。
①上部を樹冠に覆われた岩場に生育する大形のミサキカグマサクライカグマか
①大形のミサキカグマサクライカグマか、葉身
①大形のミサキカグマサクライカグマか、葉身下部
参考画像 サクライカグマ 相模川支流の渓谷
①ウエットな渓谷の岩が露出する崖に生育するサクライカグマ
②サクライカグマ、葉身下部
サジラン
高い崖の上に生育する大木の樹幹に生育していました。崖下に落下した幹に着生していました。本来なら観察できないところですがラッキーでした。
①サジラン、葉身
②サジラン、胞子のう群
ビロウドシダ
好石灰岩性のシダ。石灰岩や石灰岩を含むと思われる混在岩などに広く生育する。
①切り立った岩壁ん生育するビロウドシダ
イワオモダカ
好石灰岩性のシダ。日原を歩けばすぐに目につく。人家の石垣に点在して生育。人家で栽培していたものが逃げ出したとも考えられるが、日原集落は石灰岩上に立つ集落で、好石灰岩性のシダとしてはイワオモダカ以外にも人家の周りでヒメウラジロ、ミヤマウラジロ、ビロウドシダを観察することができる。
①人家の石垣に生育するイワオモダカ
②イワオモダカ、葉身
エゾデンダ
切り立った岩壁に生育。葉柄基部には辺縁が淡色の栗色の鱗片がつく。
①②切り立った岩壁に生育するエゾデンダ
①②エゾデンダ、胞子のう群
好石灰岩性の種子植物
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①コシオガマ
②カワラサイコの仲間