①山中の岩壁に生育するスルガジョウロホトトギスとイワイヌワラビ
朝霧高原周辺の林や山を歩きました。山中の岩壁ではスルガジョウロホトトギスが美しい花を咲かせていました。その後、高原沿いに広がる森でシダを観察しました。
イワハリガネワラビ
山中の岩壁に生育。
①岩壁の岩棚に生育するイワハリガネワラビ
②イワハリガネワラビ、胞子のう群
ホソバショリマ
最近の生育分布域はよく知りませんが、本州では生育地が限られ山梨と静岡でしか確認されていないシダです。以前に確認された情報をもとに周辺の森を歩き、出会うことができました。葉の大きさ葉30~40㎝、倒披針形、淡緑色、草質。葉身下部の羽片は次第に短縮し耳状になる。胞子葉確認できなかった。夏緑性の柔らかいシダで多少痛み始めていました。胞子のう群を含め再度撮影したいと思います。
①②スギ林林床に群生するホソバショリマ
⑤⑥ホソバショリマ、葉身下部
ハコネシケチシダ
胞子を見ていないが、ハコネシケチシダと思われる。カラマツの植林地の防火帯と思われる林縁の草地に高茎草本類と共に生育。
①林縁の草地に高茎草本類と共に生育ハコネシケチシダ
②ハコネシケチシダ、羽片
イワイヌワラビ
生育場所ではフクロシダが生育するような岩壁に生育しており、いつも葉の裏側を見て確かめなければならないくらい外観はよく似ている。フクロシダとは一緒に生えていることもある。葉は25~40㎝、細長い紡錘形。葉柄の鱗片狭披針形、中央が栗色で辺縁は淡褐色。羽片は深~中裂し先端は鈍頭、下部の羽片はだんだん小さくなる。胞子のう群は中間につく。包膜は半円形~三日月型、辺縁には全縁~ゆるい鈍鋸歯がある。鱗片・葉・包膜の形から葉の幅の狭いヘビノネゴザに似るので注意を要する。今まで奥秩父や奥多摩の石灰岩性の岩場周辺で観察している。
①岩壁の岩棚に生育するイワイヌワラビ
②切り立った岩壁生育するコウシュウヒゴタイか(上)とイワイヌワラビ(中央)とエンシュウジョウロホトトギス(下)
⑦イワイヌワラビ、胞子のう群は羽片の羽軸と葉縁の中間につく
⑧包膜は三日月形で辺縁は全縁~ゆるい鈍鋸歯が見られるイワイヌワラビ
フクロシダ
山中の岩場ではよく見ることがあるシダ。イワイヌワラビとは少し離れてみると区別がつかないほど似ている。
①山中の岩壁に生育するフクロシダ
②フクロシダ、包膜
オオクジャクシダ
林内の川沿いで幼株を観察。
①林内の川沿いに生育するオオクジャクシダ(幼株)
②オオクジャクシダ、羽片
③オオクジャクシダ、葉柄
④オオクジャクシダ、葉柄の鱗片
イノデの仲間
シカの食害の見られない(少ない)スギ・ヒノキ植林地があり、いろいろなイノデ類の仲間が観察された。イノデ・アイアスカイノデ・イノデモドキ・ツヤナシイノデ。雑種のドウリョウイノデ・タカオイノデなどが見られた。改めて調べてみたい。
フジノキシノブ
田貫湖周辺の河川のすぐそばの岩上に群生。葉の大きさは12から20㎝、ノキシノブに比べ長さのわりに幅は広く、明るい淡黄緑色~黄緑色、質は柔らかく葉の端はゆるく波打つが、雨の後など水分を含むと厚みが増し波打たないでまっすぐな葉を伸ばす。
①川のすぐそばの岩上に群生するフジノキシノブ
②川のすぐそばの岩上に群生するフジノキシノブ
③水分を含んだフジノキシノブの葉(②と同一株)
④フジノキシノブ、葉身
⑤フジノブ、葉の裏側
スルガジョウロホトトギス
山中の岩壁・岩棚に生育。笹のような葉の下に黄色の花をつけていた。以前、裏丹沢の道の駅で売られている山採り品のサガミジョウロホトトギスを見たことがあるが、それに比べると葉や花が華奢な感じがした。
①山中の岩棚に生育するスルガジョウロホトトギス
②岩棚に生育するコウシュウヒゴタイか(上)イワイヌワラビ(中央)とスルガジョウロホトトギス(下)
③山中の岩棚に生育するスルガジョウロホトトギス
④スルガジョウロホトトギス、花
コウシュウヒゴタイか
切り立った岩壁に生えるトウヒレンの仲間でコウシュウヒゴタイか。周辺の林内林縁の草原などでは見られない。コウシュウヒゴタイは一般に石灰岩質の岩上に生育するといわれている。
①岩壁に生えるコウシュウヒゴタイか
②トウヒレンの仲間、花
③岩壁に生えるトウヒレンの仲間
④トウヒレンの仲間、下部の葉
⑥⑦コウシュウヒゴタイか、茎に見られる翼
ミヤマコウモリソウ
朝霧高原周辺のウエットなスギ・ヒノキ林の林床に生育。
①ウエットなスギ・ヒノキ林の林床に生育するミヤマコウモリソウ
②ミヤマコウモリソウ、花つぼみ