山中の岩壁に笹のような葉をつけたスルガジョウロホトトギスとイワイヌワラビ。2022年9月5日 朝霧高原周辺
①山中の岩壁に生育するスルガジョウロホトトギスとイワイヌワラビ

朝霧高原周辺の林や山を歩きました。山中の岩壁ではスルガジョウロホトトギスが美しい花を咲かせていました。その後、高原沿いに広がる森でシダを観察しました。

イワハリガネワラビ
山中の岩壁に生育。
岩壁の岩棚に生育するイワハリガネワラビ。2022年9月5日 朝霧高原周辺 イワハリガネワラビ、胞子のう群。2022年9月5日 朝霧高原周辺
①岩壁の岩棚に生育するイワハリガネワラビ
②イワハリガネワラビ、胞子のう群




ホソバショリマ
最近の生育分布域はよく知りませんが、本州では生育地が限られ山梨と静岡でしか確認されていないシダです。以前に確認された情報をもとに周辺の森を歩き、出会うことができました。葉の大きさ葉30~40㎝、倒披針形、淡緑色、草質。葉身下部の羽片は次第に短縮し耳状になる。胞子葉確認できなかった。夏緑性の柔らかいシダで多少痛み始めていました。胞子のう群を含め再度撮影したいと思います。
スギ林林床に群生するホソバショリマ。2022年9月5日 朝霧高原周辺 スギ林林床に群生するホソバショリマ。2022年9月5日 朝霧高原周辺
①②スギ林林床に群生するホソバショリマ

ホソバショリマ、葉身表側。2022年9月5日 朝霧高原周辺 ホソバショリマ、葉身裏側。2022年9月5日 朝霧高原周辺
③ホソバショリマ、葉身表側
④ホソバショリマ、葉身裏側

ホソバショリマ、葉身下部。2022年9月5日 朝霧高原周辺 ホソバショリマ、葉身下部。2022年9月5日 朝霧高原周辺 
⑤⑥ホソバショリマ、葉身下部




ハコネシケチシダ
胞子を見ていないが、ハコネシケチシダと思われる。カラマツの植林地の防火帯と思われる林縁の草地に高茎草本類と共に生育。
林縁の草地に高茎草本類と共に生育ハコネシケチシダ。2022年9月5日 朝霧高原周辺 ハコネシケチシダ、羽片。2022年9月5日 朝霧高原周辺
①林縁の草地に高茎草本類と共に生育ハコネシケチシダ
②ハコネシケチシダ、羽片




イワイヌワラビ
生育場所ではフクロシダが生育するような岩壁に生育しており、いつも葉の裏側を見て確かめなければならないくらい外観はよく似ている。フクロシダとは一緒に生えていることもある。葉は25~40㎝、細長い紡錘形。葉柄の鱗片狭披針形、中央が栗色で辺縁は淡褐色。羽片は深~中裂し先端は鈍頭、下部の羽片はだんだん小さくなる。胞子のう群は中間につく。包膜は半円形~三日月型、辺縁には全縁~ゆるい鈍鋸歯がある。鱗片・葉・包膜の形から葉の幅の狭いヘビノネゴザに似るので注意を要する。今まで奥秩父や奥多摩の石灰岩性の岩場周辺で観察している。
山中の岩壁の岩棚に生育するイワイヌワラビ。2022年9月5日 朝霧高原周辺 切り立った岩壁の岩棚に生育するコウシュウヒゴタイか(上)とイワイヌワラビ(中)とエンシュウジョウロホトトギス(下)。2022年9月5日 朝霧高原周辺
①岩壁の岩棚に生育するイワイヌワラビ
②切り立った岩壁生育するコウシュウヒゴタイか(上)とイワイヌワラビ(中央)とエンシュウジョウロホトトギス(下)

イワイヌワラビ、葉身下部の羽片は次第に短縮する。2022年9月5日 朝霧高原周辺 イワイヌワラビ、葉身下部の羽片は次第に短縮する。2022年9月5日 朝霧高原周辺
③④イワイヌワラビ、葉身下部の羽片は次第に短縮

イワイヌワラビ、葉柄の鱗片は狭披針形、中央が栗色で辺縁は淡褐色。2022年9月5日 朝霧高原周辺 イワイヌワラビ、葉柄の鱗片は狭披針形、中央が栗色で辺縁は淡褐色。2022年9月5日 朝霧高原周辺
⑤⑥葉柄の鱗片は狭披針形、中央が栗色で辺縁は淡褐色

イワイヌワラビ、胞子のう群は羽片の羽軸と葉縁の中間につく。2022年9月5日 朝霧高原周辺 イワイヌワラビ、包膜は三日月形で辺縁は全縁~ゆるい鈍鋸歯が見られる。2022年9月5日 朝霧高原周辺
⑦イワイヌワラビ、胞子のう群は羽片の羽軸と葉縁の中間につく
⑧包膜は三日月形で辺縁は全縁~ゆるい鈍鋸歯が見られるイワイヌワラビ




フクロシダ
山中の岩場ではよく見ることがあるシダ。イワイヌワラビとは少し離れてみると区別がつかないほど似ている。
山中の岩壁に生育するフクロシダ。2022年9月5日 朝霧高原周辺 フクロシダ、包膜。2022年9月5日 朝霧高原周辺
①山中の岩壁に生育するフクロシダ
②フクロシダ、包膜




オオクジャクシダ
林内の川沿いで幼株を観察。
林内の川沿いに生育するオオクジャクシダ(幼株)。2022年9月5日 朝霧高原周辺 オオクジャクシダ、羽片。2022年9月5日 朝霧高原周辺
①林内の川沿いに生育するオオクジャクシダ(幼株)
②オオクジャクシダ、羽片

オオクジャクシダ、葉柄。2022年9月5日 朝霧高原周辺 オオクジャクシダ、葉柄の鱗片は淡褐色。2022年9月5日 朝霧高原周辺
③オオクジャクシダ、葉柄
④オオクジャクシダ、葉柄の鱗片




イノデの仲間
シカの食害の見られない(少ない)スギ・ヒノキ植林地があり、いろいろなイノデ類の仲間が観察された。イノデ・アイアスカイノデ・イノデモドキ・ツヤナシイノデ。雑種のドウリョウイノデ・タカオイノデなどが見られた。改めて調べてみたい。




フジノキシノブ
田貫湖周辺の河川のすぐそばの岩上に群生。葉の大きさは12から20㎝、ノキシノブに比べ長さのわりに幅は広く、明るい淡黄緑色~黄緑色、質は柔らかく葉の端はゆるく波打つが、雨の後など水分を含むと厚みが増し波打たないでまっすぐな葉を伸ばす。
川のすぐそばの岩上に群生するフジノキシノブ。葉は明るい黄緑色、葉縁は波打つ。2022年9月5日 朝霧高原周辺 
①川のすぐそばの岩上に群生するフジノキシノブ

川のすぐそばの岩上に群生するフジノキシノブ。葉は明るい黄緑色、葉縁は波打つ。2022年9月5日 朝霧高原周辺 水分を含んだフジノキシノブは厚みが増しあまり波打たない。(②と同一株)2022年9月5日 朝霧高原周辺 
②川のすぐそばの岩上に群生するフジノキシノブ
③水分を含んだフジノキシノブの葉(②と同一株)

フジノキシノブ、葉身。2022年9月5日 朝霧高原周辺 フジノブ、葉の裏側。2022年9月5日 朝霧高原周辺 
④フジノキシノブ、葉身
⑤フジノブ、葉の裏側




スルガジョウロホトトギス
山中の岩壁・岩棚に生育。笹のような葉の下に黄色の花をつけていた。以前、裏丹沢の道の駅で売られている山採り品のサガミジョウロホトトギスを見たことがあるが、それに比べると葉や花が華奢な感じがした。
山中の岩棚に生育するスルガジョウロホトトギス。2022年9月5日 朝霧高原周辺 コウシュウヒゴタイか(上)イワイヌワラビ(中央)とスルガジョウロホトトギス(下)。2022年9月5日 朝霧高原周辺
①山中の岩棚に生育するスルガジョウロホトトギス
②岩棚に生育するコウシュウヒゴタイか(上)イワイヌワラビ(中央)とスルガジョウロホトトギス(下)

山中の岩棚に生育するスルガジョウロホトトギス。2022年9月5日 朝霧高原周辺 スルガジョウロホトトギス、花。2022年9月5日 朝霧高原周辺
③山中の岩棚に生育するスルガジョウロホトトギス
④スルガジョウロホトトギス、花




コウシュウヒゴタイか
切り立った岩壁に生えるトウヒレンの仲間でコウシュウヒゴタイか。周辺の林内林縁の草原などでは見られない。コウシュウヒゴタイは一般に石灰岩質の岩上に生育するといわれている。
岩壁に生えるコウシュウヒゴタイか。2022年9月5日 朝霧高原周辺 コウシュウヒゴタイか、花。2022年9月5日 朝霧高原周辺
①岩壁に生えるコウシュウヒゴタイか
②トウヒレンの仲間、花

岩壁に生えるコウシュウヒゴタイか。2022年9月5日 朝霧高原周辺 コウシュウヒゴタイか、下部の葉。2022年9月5日 朝霧高原周辺
③岩壁に生えるトウヒレンの仲間
④トウヒレンの仲間、下部の葉

コウシュウヒゴタイか、総苞。2022年9月5日 朝霧高原周辺
⑤コウシュウヒゴタイか、総苞

岩壁に生えるコウシュウヒゴタイか。茎には翼が見られる。2022年9月5日 朝霧高原周辺 コウシュウヒゴタイか、茎には翼が見られる。2022年9月5日 朝霧高原周辺
⑥⑦コウシュウヒゴタイか、茎に見られる翼




ミヤマコウモリソウ
朝霧高原周辺のウエットなスギ・ヒノキ林の林床に生育。
ウエットなスギ・ヒノキ林の林床に生育するミヤマコウモリソウ。2022年9月5日 朝霧高原周辺 ウエットなスギ・ヒノキ林の林床に生育するコウモリソウ属の仲間。2022年9月5日 朝霧高原周辺
①ウエットなスギ・ヒノキ林の林床に生育するミヤマコウモリソウ
②ミヤマコウモリソウ、花つぼみ