マルバヌカイタチシダモドキの羽片

相模川の流れのほとりに立つ独立峰の山、山裾には樹齢を経たスギ植林地や照葉樹林の森が広がり、山の上部は夏緑広葉樹が広がる森や岩場となっています。周辺を人家や耕作地が広がるためかシカによる食害は目立ちませんでした。

ハナワラビのなかま
オオハナワラビ、フユノハナワラビ、アカハナワラビアカネハナワラビ(オオハナワラビ×アカハナワラビ)(相模湖)が見られました。

アカハナワラビアカネハナワラビ(オオハナワラビ×アカハナワラビ)
※訂正。最初オオハナワラビの群生の中に1株だけ混ざって生育していたためオオハナワラビとの雑種のアカネハナワラビではないかと考えましたが、オオハナワラビの特徴は見られずアカハナワラビに訂正いたします。
観察会の始まる前に立ち寄った相模湖周辺の森で観察しました。40株程度群生するオオハナワラビの大きな群落の端の1株だけ小さな株が観察されました。葉はブロンズ色~えんじ色に紅葉し葉面にはカスリ模様が入りアカハナワラビの特徴が表れ、アカハナワラビに比べると葉縁の鋸歯が発達しオオハナワラビの影響がうかがわれる。まだ胞子を観察していないのでアカハナワラビの可能性も考えられます。

ブロンズ色~えんじ色に紅葉するアカハナワラビ<del>アカネハナワラビ(オオハナワラビ×アカハナワラビ)</del>。2022年12月18日 相模湖周辺 アカハナワラビ<del>アカネハナワラビ(オオハナワラビ×アカハナワラビ)</del>、裂片の辺縁には鋸歯が目立ち葉面にはカスリ模様が入る。2022年12月18日 相模湖周辺
①ブロンズ色~えんじ色に紅葉するアカハナワラビアカネハナワラビ(オオハナワラビ×アカハナワラビ)
②アカハナワラビアカネハナワラビ(オオハナワラビ×アカハナワラビ)、羽片

オオハナワラビの群生に混じって生育するアカハナワラビ<del>アカネハナワラビ(オオハナワラビ×アカハナワラビ)</del>(写真左上)。2022年12月18日 相模湖周辺 オオハナワラビ(左)とアカハナワラビ<del>アカネハナワラビ(オオハナワラビ×アカハナワラビ)</del>(右)。2022年12月18日 相模湖周辺
③④オオハナワラビの群生に混じって生育するアカハナワラビアカネハナワラビ(オオハナワラビ×アカハナワラビ)





フユノハナワラビ
定期的に草刈りが行われている山の裾野に広がる明るい林縁の草地に生育していました。
林縁の草地に生育するフユノハナワラビ。2022年12月18日 津久井城山周辺
①林縁の草地に生育するフユノハナワラビ





ゼンマイのなかま
ゼンマイ、オオバヤシャゼンマイを観察しました。

オオバヤシャゼンマイ
水辺とは縁のない林や林縁などに点在して生育していました。現在、城山のふもとは津久井湖となっていますがダムができるまでは渓谷の水辺の岩場にヤシャゼンマイが生育していたものと思われます。(現在も数キロ上流の流れのそばの岩場にはヤシャゼンマイが生育している)
城山中腹部の林内に生育するオオバヤシャゼンマイ(ゼンマイ×ヤシャゼンマイ)。2022年12月18日 津久井城山周辺
①城山中腹部の林内に生育するオオバヤシャゼンマイ(ゼンマイ×ヤシャゼンマイ)





イワガネゼンマイのなかま
イワガネゼンマイ、フイリイワガネゼンマイ、イワガネソウなどを観察しました。

フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ
8年ぶりにフイリイヌイワガネソウ(イワガネゼンマイ似)あるいはフイリイワガネゼンマイに再会しました。今回も胞子のうをつけた株は見つからなかった。葉脈は端まで達していないのでイワガネゼンマイとフイリイワガネソウの雑種ではないかと考えているが、イワガネゼンマイがそもそも葉縁まで脈が達しないのであればこの個体はフイリイワガネゼンマイということになる。もう少しイワガネゼンマイの葉脈について多くの個体を観察してみたい。

標本1
城山中腹部の北面のウエットな林内に生育するフイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ。2022年12月18日 津久井城山周辺 城山中腹部の北面のウエットな林内に生育するフイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺
①ウエットな林内に生育するフイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ(オリンパス TG-4)
②ウエットな林内に生育するフイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ(iPhone 11)

フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺 城山中腹部の北面のウエットな林内に生育するフイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺
①フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、羽片(オリンパス TG-4)
②フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、羽片(iPhone 11)

フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、葉脈の先は葉縁に達しない。2022年12月18日 津久井城山周辺 フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、葉脈の先は葉縁に達しない。2022年12月18日 津久井城山周辺
③④フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、葉脈

フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、葉脈の先は葉縁に達しない。2022年12月18日 津久井城山周辺 フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、葉脈の先は葉縁に達しない。2022年12月18日 津久井城山周辺
⑤⑥フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、葉脈

標本2
城山中腹部の北面のウエットな林内に生育するフイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ。2022年12月18日 津久井城山周辺 フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺
④⑤フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ

フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、葉脈の先は葉縁に達しない。2022年12月18日 津久井城山周辺
⑥フイリイワガネゼンマイあるいはフイリイヌイワガネソウ、葉脈





イノモトソウのなかま
オオバノイノモトソウ、イノモトソウ、アマクサシダなどが見られました。

アマクサシダ
木漏れ日が射しこむ山麓の山道脇の崖に生育。1株生育が確認されている。
山道脇の崖に生育するアマクサシダ。2022年12月18日 津久井城山周辺 アマクサシダ、葉身。2022年12月18日 津久井城山周辺
①山道脇の崖に生育するアマクサシダ
②山道脇の崖に生育するアマクサシダ、葉身





ヒメシダ属のなかま
ヒメワラビ、ミドリヒメワラビ、ホシダ、サトヤワラシダ、ハシゴシダ、アイハシゴシダなどが観察されました。

アイノコハシゴシダ
ハシゴシダとコハシゴシダの雑種と推定される。あまりウエットではないスギ・ヒノキ林林床に生育。この季節でも枯れずに残っている。葉はハシゴシダとコハシゴシダの中間的な形。葉身下部羽片の基部(上側)の小羽片は独立気味。同行の方が後で胞子を観察したところ胞子は正常に見えたと報告をいただきました。大形のコハシゴシダの可能性もあるのであらためてよい季節の訪れて胞子を見てみたいと思います。
標本1
あまりウエットではないスギ・ヒノキ林林床に生育するアイノコハシゴシダ。2022年12月18日 津久井城山周辺 
①あまりウエットではないスギ・ヒノキ林林床に生育するアイノコハシゴシダ

アイノコハシゴシダ、葉身下部羽片の基部(上側)の小羽片は独立気味。2022年12月18日 津久井城山周辺 アイノコハシゴシダ、葉身下部羽片の基部(上側)の小羽片は独立気味。2022年12月18日 津久井城山周辺
②アイノコハシゴシダ、葉身
③アイノコハシゴシダ、葉身下部の羽片



標本2
アイノコハシゴシダ。2022年12月18日 津久井城山周辺 
④アイノコハシゴシダ

アイノコハシゴシダ、葉身。2022年12月18日 津久井城山周辺 アイノコハシゴシダ、葉身。2022年12月18日 津久井城山周辺 
⑤アイノコハシゴシダ、葉身 
⑥アイノコハシゴシダ、葉身下部の羽片裏側





メシダ属のなかま
ヤマイヌワラビ、ヒロハイヌワラビが観察された。この季節、ヤマイヌワラビは枯れておりヒロハイヌワラビは紅葉していた。

ヒロハイヌワラビ
標本1
日陰の谷沿いの林床で観察された。この季節、黄葉しておりもうすぐ枯れると思われます。ヒロハイヌワラビの特徴である羽軸の微毛が確認された。
日陰の谷沿いの林床に生育するヒロハイヌワラビ。多少黄葉している。2022年12月18日 津久井城山周辺 ヒロハイヌワラビ、羽軸の微毛が確認される。2022年12月18日 津久井城山周辺 
①日陰の谷沿いの林床に生育するヒロハイヌワラビ
②ヒロハイヌワラビ、羽軸の微毛


標本2
日陰の谷沿いの林床に生育するヒロハイヌワラビ。多少黄葉している。2022年12月18日 津久井城山周辺 ヒロハイヌワラビ、羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺 
③日陰の谷沿いの林床に生育するヒロハイヌワラビ
④ヒロハイヌワラビ、羽片




シケシダのなかま
シケシダ、ホソバシケシダ、フモトシケシダ、セイタカシケシダ、ムサシシケシダなどが見られました。

セイタカシケシダ
主に安定した森の中に生育する。この季節枯れかけて倒れていたがビロードのような触り心地のある幅の広い葉身を地面に広げていた。胞子を観察しようとしたが、この季節すべての胞子のうは弾けて空であった。
林内の林床で枯れかけているセイタカシケシダ。2022年12月18日 津久井城山周辺 セイタカシケシダ、羽片裏側。2022年12月18日 津久井城山周辺
①林内の林床で枯れかけているセイタカシケシダ
②セイタカシケシダ、羽片裏側

セイタカシケシダ、この季節胞子のうはすべて空になる。2022年12月18日 津久井城山周辺 セイタカシケシダ、、この季節胞子のうはすべて空になる。2022年12月18日 津久井城山周辺
③④セイタカシケシダ、胞子のう群





ムサシシケシダ(シケシダ×セイタカシケシダ)
シケシダとセイタカシケシダの雑種と推定される。シケシダの雑種は難しいものが多いが、セイタカシケシダが関わる雑種は葉が①大きいこと、②植物全体に毛が生えビロードにような触り心地があることなどで判別しやすい。ムサシシケシダもセイタカシケシダに似て大きく、植物全体に微毛がありビロードのような感触があるが、葉の形は細長くシケシダの特徴を表している。また、葉が枯れそうなこの時期なのに胞子のう群にはまだいくつかの胞子のうが残留していた(ルーペで容易に見える)。生育環境は、人家の近くや林縁の定期的に草刈りされるような半人工的な環境に適応し生育している。今回、実態顕微鏡で胞子を観察すると雑種かどうか判別しにくいとのお話を聞き、100倍で観察すると、雑種と容易に推測することができた。より正確な情報を得るためには、ある程度高倍率で胞子を見たほうが良いと考えられる。
標本1
定期的に草刈りがおこなわれるような林縁のスギ林林床に生育するムサシシケシダ。2022年12月18日 津久井城山周辺 ムサシシケシダ。葉身。2022年12月18日 津久井城山周辺
①定期的に草刈りがおこなわれるような林縁のスギ林林床に生育するムサシシケシダシダ
②ムサシシケシダ。葉身

ムサシシケシダ、中軸や羽軸上に毛が生える。2022年12月18日 津久井城山周辺 
③ムサシシケシダ、胞子のう群



標本2
ムサシシケシダ。2022年12月18日 津久井城山周辺 
④ムサシシケシダ

ムサシシケシダ、胞子を観察した羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺 ムサシシケシダ、胞子のう群にはまばらに有色のはじけていない胞子のうがついている。2022年12月18日 津久井城山周辺  
⑤ムサシシケシダ、胞子を観察した羽片
⑥ムサシシケシダ、胞子のう群にまばらにつく弾けずにつく胞子のう

ムサシシケシダ、正常に見える胞子も確認できるが、歪で小さな胞子も多く見られ雑種の特徴を表している。2022年12月18日 津久井城山周辺 ムサシシケシダ、正常に見える胞子も確認できるが、歪で小さな胞子も多く見られ雑種の特徴を表している。2022年12月18日 津久井城山周辺 
⑦⑧ムサシシケシダ、1つの胞子のうを壊したようす





カナワラビ属のなかま
リョウメンシダ、ナンゴクナライシダ、オニカナワラビ、ハカタシダ、オオカナワラビなどが観察された。

オオカナワラビ
林内のウエットな沢沿いに生育。オオカナワラビには小さな個体は2~3回羽状に分かれ、よく発達した個体は2~4回羽状になる。ちなみにこの山ではコバノカナワラビを観察していないので2~4回羽状に分かれる個体はテンリュウカナワラビ(オオカナワラビ×コバノカナワラビ)の可能性はないと考えられる。
2~3回羽状に分かれオオカナワラビ。2022年12月18日 津久井城山周辺 2~4回羽状に分かれオオカナワラビ。2022年12月18日 津久井城山周辺
①2~3回羽状に分かれオオカナワラビ
②2~4回羽状に分かれオオカナワラビ




オニカナワラビ
林内のウエットな急斜面の崖には80㎝程度の大きなオニカナワラビが群生する。大きいものは1mに達する。
ウエットな急斜面の崖に生育するオニカナワラビ。2022年12月18日 津久井城山周辺 ウエットな急斜面の崖に生育するオニカナワラビ。2022年12月18日 津久井城山周辺
①②ウエットな急斜面の崖に生育するオニカナワラビ




イノデ属のなかま
イノデ、イノデモドキ、アイアスカイノデ、サイゴクイノデなどが観察された。

サイゴクイノデ
散策路から外れた谷筋の林床で観察された。葉の大きさは35~50㎝、葉柄や中軸の鱗片には栗色が入る。葉の表面は光沢が無くマットな質感、白淡緑~暗淡緑色。
谷筋の林床に生育するサイゴクイノデ。2022年12月18日 津久井城山周辺 谷筋の林床に生育するサイゴクイノデ。2022年12月18日 津久井城山周辺
①②谷筋の林床に生育するサイゴクイノデ

サイゴクイノデ、葉柄や中軸の鱗片。2022年12月18日 津久井城山周辺 サイゴクイノデ、葉身下部の胞子のう群。2022年12月18日 津久井城山周辺
①サイゴクイノデ、葉柄や中軸の鱗片
②サイゴクイノデ、葉身下部の胞子のう群





オシダ属のなかま
ミサキカグマ、リョウトウイタチシダ、サクライカグマ、ベニシダ、マルバベニシダ、エンシュウベニシダ、ベニオオイタチシダ、オオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダ)、オオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)、オオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)、イワオオイタチシダなどが見られました。

リョウトウイタチシダ
山頂付近のところどころ岩が露出するような乾燥気味の急な斜面に生育。
山頂付近のところどころ岩が露出するような乾燥気味の急な斜面に生育するリョウトウイタチシダ。2022年12月18日 津久井城山周辺
①乾燥気味の急な斜面に生育するリョウトウイタチシダ





サクライカグマ
岩場の薄い表土が堆積する岩場の崖に生育。小さな個体であった。
岩場の薄い表土が堆積する岩場の崖に生育するサクライカグマ。2022年12月18日 津久井城山周辺
①岩場の崖に生育するサクライカグマ

サクライカグマ、最下羽片の柄は特に長い。2022年12月18日 津久井城山周辺 サクライカグマ、胞子のう群。2022年12月18日 津久井城山周辺
②サクライカグマ、最下羽片
③サクライカグマ、胞子のう群





マルバベニシダ
樹齢を経たスギ植林地内林床。腐植が厚く堆積した林床斜面。葉柄下部には褐色披針形鱗片がつき、エンシュウベニシダのように葉柄にまとわりつくことはない。葉の大きさは40~50㎝、長卵形、淡緑色光沢は少ない。小羽片の先は鈍頭~円頭。胞子のう群は中肋寄りにつく。

樹齢を経たスギ植林地内林床。腐植が厚く堆積した林床斜面に生育するマルバベニシダ。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバベニシダ、葉柄下部の鱗片。2022年12月18日 津久井城山周辺 
①林床斜面に生育するマルバベニシダ
②マルバベニシダ、葉柄下部の鱗片

マルバベニシダ、葉柄下部の鱗片。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバベニシダ、葉柄下部の鱗片。2022年12月18日 津久井城山周辺
③④マルバベニシダ、葉柄下部の鱗片

マルバベニシダ、葉身。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバベニシダ、葉身。2022年12月18日 津久井城山周辺 
⑤⑥マルバベニシダ、葉身

マルバベニシダ、羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバベニシダ、羽片裏側。2022年12月18日 津久井城山周辺 
⑦マルバベニシダ、羽片
⑧マルバベニシダ、羽片裏側

マルバベニシダ、胞子のう群。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバベニシダ、胞子のう群。2022年12月18日 津久井城山周辺 
⑨⑩マルバベニシダ、胞子のう群





マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダ
※1年後の7月、胞子のようすを観察しようとベンチを再訪すると2株あったシダは見当たらず、2株とも枯死したのかもしれませんが、掘り取られた可能性もあります。残された画像は貴重な資料となりました。

山地上部の夏緑広葉樹と照葉樹が生育する明るい林床に生育。葉柄や中軸には鱗片が密生する。葉の大きさな45~70㎝、葉は光沢があり鮮緑色~濃緑色、2~3回羽状に分かれる。葉身下部羽片の小羽片は先端が鋭頭。胞子のう群は中肋に接するようにつく。改めて鱗片や胞子のようすも含めて観察してみたい。

このシダは毛深いエンシュウベニシダとして掲載してきましたが、現在栽培している紀伊半島十津川産のマルバヌカイタチシダモドキに非常に似ていることがわかり、訂正いたします。2023年7月21日
標本1
マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>とベニオオイタチシダ(左上)とツヤナシオオイタチシダ(右)。2022年12月18日 津久井城山周辺
①夏緑広葉樹と照葉樹が生育する明るい林床に生育するマルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダとベニオオイタチシダ(左上)とツヤナシオオイタチシダ(右)

マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉身。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉身。2022年12月18日 津久井城山周辺
②③マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダ、葉身

マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉柄。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉柄。2022年12月18日 津久井城山周辺
④⑤マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダ、葉柄

マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉柄基部の鱗片。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉柄基部の鱗片。2022年12月18日 津久井城山周辺
⑥⑦マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダ、葉柄基部の鱗片

マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉柄の鱗片。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉柄の鱗片。2022年12月18日 津久井城山周辺 
⑧⑨マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダ、葉柄の鱗片

マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、中軸の鱗片。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉柄の鱗片。2022年12月18日 津久井城山周辺
⑩⑪マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダ、中軸の鱗片

マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、最下羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、最下羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺
⑫⑬マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダ、最下羽片

マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、小羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺
⑭マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダ、羽片
⑮マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダ、小羽片

マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉身下部の胞子のう群。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉身下部の胞子のう群。2022年12月18日 津久井城山周辺
⑯⑰マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダ、葉身下部の胞子のう群

マルバヌカイタチシダモドキ<del>毛深いエンシュウベニシダ</del>、葉身中~上部の胞子のう群。2022年12月18日 津久井城山周辺
⑱⑲マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダ、葉身中~上部の胞子のう群



標本2 小さな株
マルバヌカイタチシダモドキ毛深いエンシュウベニシダの近く、山地上部のウエットではない林床斜面に生育する。葉の大きさはマルバベニシダ程度で35~45㎝。
マルバヌカイタチシダモドキ<del>小さなエンシュウベニシダ</del>。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバヌカイタチシダモドキ<del>小さなエンシュウベニシダ</del>、胞子のう群。2022年12月18日 津久井城山周辺 
①マルバヌカイタチシダモドキ小さなエンシュウベニシダ
②マルバヌカイタチシダモドキ小さなエンシュウベニシダ、胞子のう群

マルバヌカイタチシダモドキ<del>小さなエンシュウベニシダ</del>、葉柄。2022年12月18日 津久井城山周辺 マルバヌカイタチシダモドキ<del>小さなエンシュウベニシダ</del>、葉柄の鱗片。2022年12月18日 津久井城山周辺 
③マルバヌカイタチシダモドキ小さなエンシュウベニシダ、葉柄
④マルバヌカイタチシダモドキ小さなエンシュウベニシダ、葉柄の鱗片





オオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)
岩場に生えることが多いが、スギ植林地林床に生育。葉の大きさは45~60㎝、濃緑色、葉の表面は平滑でガラスのような強い光沢がある。
スギ植林地林床に生育するオオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)。2022年12月18日 津久井城山周辺 オオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)、葉身。2022年12月18日 津久井城山周辺
①スギ植林地林床に生育するオオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)
②オオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)、葉身

オオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)、最下羽片。2022年12月18日 津久井城山周辺
③オオイタチシダ(アオニオオイタチシダ)、最下羽片




オオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)
林床斜面に生育。葉はやや幅の広い三角形、葉の表面には光沢がある。小羽片の先には鋸歯が確認できる。
標本1
林床斜面に生育するオオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)。2022年12月18日 津久井城山周辺
①林床斜面に生育するオオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)

オオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)、小羽片の先には鋸歯が目立つ。2022年12月18日 津久井城山周辺 オオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)、小羽片の先には鋸歯が目立つ。2022年12月18日 津久井城山周辺
②③オオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)、小羽片



標本2
林床斜面に生育するオオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)。2022年12月18日 津久井城山周辺 オオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)、小羽片の先には鋸歯が目立つ。2022年12月18日 津久井城山周辺
④林床斜面に生育するオオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)
⑤オオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)、小羽片




イワオオイタチシダ
岩壁面や崖などに生育することが多い。
標本1
観察会の始まる前に立ち寄った相模湖周辺の森で観察しました。緑区底沢の谷沿いの道路わきの岩壁に生育している。葉はオオイタチシダ(アツバオオイタチシダ)よりも幅の狭い三角形、光沢のやや弱いもの~光沢のあるものまで見られる。小羽片は鋭くほとんど鋸歯は目立たない。
谷沿いの道路わきの岩壁に生育するイワオオイタチシダ。2022年12月18日 緑区底沢周辺 イワオオイタチシダ。2022年12月18日 緑区底沢周辺
①②谷沿いの道路わきの岩壁に生育するイワオオイタチシダ

イワオオイタチシダ、葉柄下部の鱗片。2022年12月18日 緑区底沢周辺
③イワオオイタチシダ、葉柄下部の鱗片

イワオオイタチシダ、羽片。2022年12月18日 緑区底沢周辺 イワオオイタチシダ、胞子のう群。2022年12月18日 緑区底沢周辺
③イワオオイタチシダ、羽片
④イワオオイタチシダ、胞子のう群


標本2
津久井城山、急斜面の崖で観察。
急斜面の崖に生育するイワオオイタチシダ。2022年12月18日 津久井城山周辺 イワオオイタチシダ。2022年12月18日 津久井城山周辺
①急斜面の崖に生育するイワオオイタチシダ
②イワオオイタチシダ、羽片