久しぶりに箱根芦ノ湖周辺でシダを観察しました。箱根中央火口丘~大涌谷周辺はいまだに入山規制が続いています。歩けると思っていた登山道も荒れ果ててしまったのか、今回は参加者の皆様には道のないブッシュを藪漕ぎすることとなりご迷惑をおかけいたしました。
ハコネハイホラゴケ(仮称)が生育する渓谷。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖

ハイホラゴケの仲間
ハコネハイホラゴケ(仮称)、コウヤコケシノブ、ホソバコケシノブなどが見られた。

ハコネハイホラゴケ(仮称)
同行されたひろちょん氏が見つけられました。当日の曇り空も影響したのか非常に薄暗い切り立ったウエットな岩壁の下部に群生。普通、暗くて見過ごすところを、変わっている株にに気づかれ、観察することができました。群生するハコネハイホラゴケ(仮称)の葉はすべて非常に小さく2~3㎝程度、羽片は5mm程度でした。羽軸・小羽軸にも淡褐色の鱗片をつけ、包膜は丈の短いラッパ形で辺縁はゆるく切れ込む(波打つ)。1個の胞子のう中には胞子数50個程度確認、大きさ・形葉整い有性生殖種と考えられる。

※今まで多くのハイホラゴケの仲間を見てきましたが、最も小さいハイホラゴケの仲間です。自生する環境が明るすぎたり乾燥気味であったりすると成長に障害が出ることもありますが、この場所はハイホラゴケの仲間が成長するのに問題のない良好な環境と思われます。

薄暗い切り立ったウエットな岩壁に群生するハコネハイホラゴケ(仮称)。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖
①薄暗い切り立ったウエットな岩壁に群生するハコネハイホラゴケ(仮称) 

ハコネハイホラゴケ(仮称)。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 ハコネハイホラゴケ(仮称)。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖
②③ハコネハイホラゴケ(仮称)

ハコネハイホラゴケ(仮称)。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖
④ハコネハイホラゴケ(仮称)

ハコネハイホラゴケ(仮称)、根茎および葉柄。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 ハコネハイホラゴケ(仮称)、根茎および葉柄。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖
⑤⑥ハコネハイホラゴケ(仮称)、根茎および葉柄

ハコネハイホラゴケ(仮称)、中軸には明るい褐色の鱗片がつく。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 ハコネハイホラゴケ(仮称)、中軸には明るい褐色の鱗片がつく。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 
⑦⑧ハコネハイホラゴケ(仮称)、中軸の鱗片(裏側)

ハコネハイホラゴケ(仮称)、羽軸裏側、小羽軸裏側にも鱗片がつく。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 
⑨ハコネハイホラゴケ(仮称)、羽軸・小羽軸上の鱗片(裏側)

ハコネハイホラゴケ(仮称)、包膜。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 ハコネハイホラゴケ(仮称)、包膜。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 
⑩⑪ハコネハイホラゴケ(仮称)、包膜

ハコネハイホラゴケ(仮称)、包膜の辺縁はゆるく波打つ。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 ハコネハイホラゴケ(仮称)、包膜の辺縁はゆるく波打つ。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 
⑫⑬ハコネハイホラゴケ(仮称)、包膜拡同一写真大角度違い

ハコネハイホラゴケ(仮称)、包膜の辺縁はゆるく波打つ。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 ハコネハイホラゴケ(仮称)、包膜の辺縁はゆるく波打つ。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 
⑭⑮ハコネハイホラゴケ(仮称)、包膜拡大一写真大角度違い

ハコネハイホラゴケ(仮称)胞子のう1、胞子数は53個程度確認できる。胞子の大きさ・形は整う。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 ハコネハイホラゴケ(仮称)胞子のう1、胞子数は42個程度確認できる。胞子の大きさ・形は整う。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 
⑯⑰ハコネハイホラゴケ(仮称)、1つの胞子のうを壊したようす

ハコネハイホラゴケ(仮称)胞子のう1、胞子数は41個r程度確認できる。胞子の大きさ・形は整う。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 ハコネハイホラゴケ(仮称)胞子のう1、胞子数は53個r程度確認できる。胞子の大きさ・形は整う。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 
⑱⑲ハコネハイホラゴケ(仮称)、1つの胞子のうを壊したようす

ハコネハイホラゴケ(仮称)胞子のう1、胞子数は50個r程度確認できる。胞子の大きさ・形は整う。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 
⑳ハコネハイホラゴケ(仮称)、1つの胞子のうを壊したようす





ハリガメワラビの仲間
ハリガネワラビ、イワハリガネワラビ、アオハリガネワラビなどが見られた。

アオハリガネワラビ





シケシダの仲間
ホソバシケシダ、シケシダ、フモトシケシダ、ムクゲシケシダ、コヒロハシケシダ?などが見られた。

ムクゲシケシダ
箱根芦ノ湖周辺では時々観察される。観察された個体は胞子のう群はつけていたが胞子が観察できずムクゲシケシダとほかのシケシダの仲間の雑種の可能性も考えられる。
林内に生育するムクゲシケシダ。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 
①林内に生育するムクゲシケシダ

林内に生育するムクゲシケシダ。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 ムクゲシケシダ、中軸の鱗片(胞子をつけた葉)。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖
①林内に生育するムクゲシケシダ
①ムクゲシケシダ、中軸の鱗片(胞子をつけた葉)

ムクゲシケシダ栄養葉。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 ムクゲシケシダ栄養葉、中軸の鱗片。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖
①ムクゲシケシダ栄養葉
①ムクゲシケシダ栄養葉、中軸の鱗片 

ムクゲシケシダ胞子をつけた葉。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖 ムクゲシケシダ胞子をつけた葉、中軸の鱗片。2022年8月6日 箱根 芦ノ湖
①ムクゲシケシダ胞子をつけた葉
①ムクゲシケシダ胞子をつけた葉、中軸の鱗片 




フモトシケシダあるいはコヒロハシケシダ
林内に生育する膜質の鱗片が多くつく中型のシケシダの仲間。フモトシケシダは葉が細くなればホソバシケシダと区別が難しくなり、最下羽片はよく発達してくればコヒロハシケシダと区別が難しくなる。またフモトシケシダには最下羽片が発達しない個体もみられる。
今回の観察会では、以前コヒロハシケシダを観察した場所を目指したが、山道がブッシュで覆われ目的地まで行くことができなかった。改めて訪れてみたい。





Diplazium(ディプラジウム)の仲間

キヨタキシダ