エゾデンダ Polypodium virginianum
ウラボシ科 エゾデンダ属
観察地:大室山、およそ1,600m付近。
生育環境:山頂部北側緩やかな斜面に広がるブナの巨木が広がる森。大人2人で抱えられそうなブナの幹に着生。美しい原生林の森。
特 徴:常緑性。根茎~葉柄基部には中央に黒褐色(栗色)が入る淡褐色・膜質の鱗片をつける。観察された個体の葉の大きさは12~18cm、葉の色は淡緑色。葉の裏側中軸上には短い毛があるがそれ以外は毛がない。胞子のう群は葉身の上から2/3につく。よく似たオシャグジデンダの葉の裏面には長い毛がまばらに生える。
※大室山北面の森は神奈川県内では(県外を含め)最も興味深く、かつ美しい森であるが、行程の関係で長く留まれなかった。改ためてゆっくり訪れたい思う。この巨木の林の林床にはブナの幼木は見られなかった。大量発生しているシカ食害と思われるが、このままではこの林はそう長く維持されないように思われる。後世に残すためには植樹を行う必要があると思う。
訂正長らくオシャグジデンダとして掲載してきたが、葉の裏側に毛がないこと・特徴的な鱗片をつけることでエゾデンダに訂正した。2019年10月25日