クロノキシノブノキシノブの仲間(山地形)

ウラボシ科 ノキシノブ属 Lepisorus thunbergianus

クロノキシノブ 2011年9月25日 道志村大室指

※研究者の方からご指導いただきクロノキシノブに訂正いたします。2019年10月7日
(頂いたコメントを掲載いたします。)
「藤原泰央氏の論文によりますと、クロノキシノブ(4倍体)はノキシノブ(2倍体)とナガオノキシノブ(2倍体)が交雑したもの(2倍体雑種)が倍数化して4倍体になり正常な胞子繁殖をする種になったものとのことです。」

生育していた環境:スギ林林内(標高600~700m)の涸沢の大きな転石の切り立った面に着生。
観察された特徴染色体の倍数性が確認できていないのでノキシノブの仲間(山地形) といたします。ノキシノブの個体変異の範囲に入る可能性もあり、今後、もう少し多くの標本を観察したいと思います。
 常緑性。根茎には長い鱗片が密生する。葉柄は黒褐色を帯び2~3㎝程度。葉の大きさは15~20cm、葉の質は厚く、革質で、やや光沢がある。中肋を挟んで両側の葉面は中肋に対し少し斜め上の角度で着き、左右の葉面は平面的で端はあまい内曲せず。葉の先は胞子が着かない先端で急に尖る。胞子のう群は大きく、葉の上部1/3~1/4につく。胞子のう群は円形~楕円形。
生育確認数:1地点、1株。大室山登山口。

クロノキシノブ 2011年9月25日 道志村大室指
クロノキシノブノキシノブの仲間(山地形)

クロノキシノブ、革質で光沢のある葉を込み合ってつける。2011年9月25日 道志村大室指 クロノキシノブ、葉柄は濃褐色。2011年9月25日 道志村大室指
(1)クロノキシノブノキシノブの仲間(山地形) 、葉身下部
(2)クロノキシノブノキシノブの仲間(山地形) 、葉柄

クロノキシノブ、胞子のう群は葉の上部1/3~1/4につく。2011年9月25日 道志村大室指 クロノキシノブ、胞子のう群は大きく、円形~楕円形。2011年9月25日 道志村大室指
(1)クロノキシノブノキシノブの仲間(山地形) 、葉身裏面
(2)クロノキシノブノキシノブの仲間(山地形) 、胞子のう群