シシガシラ

シシガシラ科 ヒリュウシダ属 Blechnum niponicum

標高1000~1400mで見られるシシガシラ。蛭ヶ岳。 
生育環境:丹沢では菰釣山北麓道志の湯(およそ標高700m)の渓谷の岩場や林道沿いの崖などで観察される個体と、1000~1400m以上の稜線沿いの林内や頂上付近の丈の低い林床植生が生育する疎林内で観察される個体が見られます。道志の湯で見られる個体は大きく、葉の大きさは25~40cm、胞子葉は栄養葉よりも少し大きい。標高の高いところで見られる個体は小さく、胞子葉は栄養葉に比べて大きく2倍程度長くなる個体も見られます。両者が連続的に観察できれば同じ種類と決めやすいのですが、今のところ連続的には観察されていません。また、両者とも石英閃緑岩(正確にはトーナル岩)地帯に生育しています。  
特  徴:常緑性。葉柄基部の鱗片は明るい褐色~赤褐色で狭披針形。道志の湯で見られる個体の栄養葉の大きさは25~40cm、胞子葉は栄養葉の3/2倍程度大きく、立ち上がるようにつく。標高が高いところで見られる個体は小株が多く、胞子葉をつける成株の栄養葉の大きさは12~20cm、胞子葉は栄養葉より2倍程度大きく15~40cm。
生育確認数:5地点。標高の高いところ:犬越路、畦が丸、桧洞丸、蛭ヶ岳。標高の低いところ:道志(菰釣山北麓)
標高700mの山麓渓谷で見られるシシガシラ、菰釣山北麓。 シシガシラ、栄養葉と枯れた胞子葉。菰釣山北麓。
山麓で見られるシシガシラ(上左)
山麓で見られるシシガシラ、枯れた胞子葉(上右)

標高1000~1400mで見られるシシガシラ、葉柄基部の鱗片。蛭ヶ岳。
シシガシラ、葉柄基部の鱗片