イマクマホラゴケか(アオホラゴケ×チチブホラゴケ)仮称
コケシノブ科 アオホラゴケ属
※もう少しよい状態の胞子を観察する必要がある。
生育している環境:スギ植林地内を流れる渓谷、上部は樹冠に覆われた渓谷沿い、切り立った岩壁や同じ岩のそばの樹幹を覆うように生育。
観察された特徴:胞子の状態から雑種と推定される。常緑性。
①葉の大きさはアオホラゴケよりも小さく1.5cm~4cm。
②根茎は長く這い根茎の周りにはアオホラゴケよりも褐色が強い暗褐色の毛が密につく。
③葉柄~中軸には翼があり、葉柄の翼はアオホラゴケにくらべると狭く、葉柄~中軸下部にかけての翼の辺縁にはアオホラゴケに見られるような毛はほとんど生えない。
④葉はほぼ2回羽状に分かれる。
⑤裂片の辺縁に沿って入る偽脈はいびつにつながるようにつく(アオホラゴケの偽脈は一定の長さで切れてあまりつながることは無い)。
⑥包膜は2弁状で先端は水鳥の嘴状(アオホラゴケはひし形)で先端は尖らない。胞子のう床は棍棒状。
今熊山ではチチブホラゴケが観察されているとの情報があり、推定される両親はアオホラゴケ×チチブホラゴケが考えられる。胞子が正常であればアオホラゴケとなるのであらためてよい季節に再度、胞子のようすを観察してみたい。
胞子の形状:観察した胞子のう全てで胞子は大きさがさまざま・形はいびつで中身がほとんど無く、不稔で雑種と考えられる。
生育確認数:1地点、個体数は多い。今熊山。
イマクマホラゴケ、根茎(上左、上中)
イマクマホラゴケ、根茎先端(上右)
イマクマホラゴケ、葉柄基部(上左、上中)
イマクマホラゴケ、葉柄(上右)
イマクマホラゴケ、胞子のう床(上左)
イマクマホラゴケ、胞子のう(上右)