シムライノデ Polystichum shimurae
オシダ科 イノデ属
生育している環境:このあたりのシダに詳しい方に案内していただきました。樹齢50年以上のスギ・ヒノキが植林された急峻な森林、谷部~やや乾燥気味の山地中腹部まで生育。地質は中生代の泥・砂岩、土壌には泥・砂岩の角礫状の小石が多く見られ薄い表土。付近にはツヤナシイノデ、サイゴクイノデ、イノデモドキ、イノデ、アイアスカイノデ、少数のカタイノデも生育。雑種も多い。比較的シカの害が少ない森。
観察された特徴:常緑性。①葉柄基部には赤味を帯びた黒褐色・広披針形の鱗片をつけ、向軸側では膜質淡褐色・卵形鱗片も混ざる。冬芽は黒褐色。②葉柄上部までしだいに小さくなるが幅ののある赤味を帯びた鱗片がつく。③中軸下部の鱗片は広披針形で粗い鋸歯がある。④葉はやや黄色味を帯びた緑色で光沢があり色の濃いカタイノデのよう。⑤小羽片の鋸歯(ノギ)は非常に長い。⑥胞子嚢群は辺縁寄りにつく。⑦胞子の形状はまだ確認できていません。
生育確認数:1地点、個体数は多い。五日市
(1)シムライノデ、葉柄基部向軸側の鱗片
(2)シムライノデ、葉柄基部向軸側の鱗片 拡大