シムライノデ Polystichum shimurae

オシダ科 イノデ属

日陰の谷の岩屑が堆積したところに生育するシムライノデ。2018年2月26日 

生育している環境:このあたりのシダに詳しい方に案内していただきました。樹齢50年以上のスギ・ヒノキが植林された急峻な森林、谷部~やや乾燥気味の山地中腹部まで生育。地質は中生代の泥・砂岩、土壌には泥・砂岩の角礫状の小石が多く見られ薄い表土。付近にはツヤナシイノデ、サイゴクイノデ、イノデモドキ、イノデ、アイアスカイノデ、少数のカタイノデも生育。雑種も多い。比較的シカの害が少ない森。

観察された特徴:常緑性。①葉柄基部には赤味を帯びた黒褐色・広披針形の鱗片をつけ、向軸側では膜質淡褐色・卵形鱗片も混ざる。冬芽は黒褐色。②葉柄上部までしだいに小さくなるが幅ののある赤味を帯びた鱗片がつく。③中軸下部の鱗片は広披針形で粗い鋸歯がある。④葉はやや黄色味を帯びた緑色で光沢があり色の濃いカタイノデのよう。⑤小羽片の鋸歯(ノギ)は非常に長い。⑥胞子嚢群は辺縁寄りにつく。⑦胞子の形状はまだ確認できていません。

生育確認数:1地点、個体数は多い。五日市

急傾斜のスギ・ヒノキ林に生育するシムライノデ、やや陽が射し込むところでは黄色味が強くなる。2018年2月26日 急傾斜のスギ・ヒノキ林に生育するシムライノデ、黄色味が強くなるとカタイノデに似る。2018年2月26日 
(1),(2)急傾斜のスギ・ヒノキ林に生育するシムライノデ

シムライノデ、葉柄の長さはは葉身の1/2~1/4。辺縁に狭く淡色が入る赤味を帯びた栗色の鱗片がつく。2018年2月26日 シムライノデ、葉身下部羽片には胞子嚢群をつけない。赤味を帯びた栗色の鱗片が葉柄~中軸にかけてつく。2018年2月26日 
(1)シムライノデ、葉柄
(2)シムライノデ、葉身下部裏側

シムライノデ、葉柄基部には辺縁に狭く淡色が入る赤味を帯びた栗色の鱗片をつける。2018年2月26日 シムライノデ、葉柄基部には辺縁に狭く淡色が入る赤味を帯びた栗色の鱗片をつける。2018年2月26日
(1),(2)シムライノデ、葉柄基部赤味を帯びた栗色の鱗片

シムライノデ、向軸側には淡褐色の鱗片をつける。また冬芽は黒褐色。2018年2月26日 シムライノデ、向軸側には幅の広い淡褐色の鱗片が混ざる。2018年2月26日
(1)シムライノデ、葉柄基部向軸側の鱗片
(2)シムライノデ、葉柄基部向軸側の鱗片 拡大

シムライノデ、葉柄上部には辺縁に狭く淡色が入る赤味を帯びた黒褐色の鱗片が葉柄に沿ってつく。2018年2月26日 シムライノデ、中軸下部には辺縁に狭く淡色が入る赤味を帯びた黒褐色の鱗片が開出してつく。2018年2月26日 シムライノデ、中軸には辺縁に狭く淡色が入る赤味を帯びた黒褐色で辺縁淡色・披針形・辺縁に粗い鋸歯のあるの鱗片をつける。2018年2月26日
(1)シムライノデ、葉柄上部の鱗片
(2)シムライノデ、中軸下部の鱗片
(3)シムライノデ、中軸の鱗片

シムライノデ、羽片。2018年2月26日 シムライノデ、羽片。2018年2月26日 
(1),(2)シムライノデ、羽片

シムライノデ、小羽片の鋸歯(ノギ)は非常に長い。2018年2月26日 シムライノデ、小羽片の鋸歯(ノギ)は非常に長い。2018年2月26日
(1),(2)シムライノデ、小羽片

シムライノデ、羽片裏側。2018年2月26日 シムライノデ、胞子嚢群は辺縁寄りにつく。2018年2月26日
(1)シムライノデ、羽片裏側
(2)シムライノデ、胞子嚢群



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