フモトシケシダ
メシダ科 オオシケシダ属 Deparia pseudo-conilii
生育している環境:スギ植林地内を流れる渓谷、上部は樹冠に覆われた渓谷沿い、流れのそばの苔むした岩場に生育。同じ岩場にはアオホラゴケが生育するようなウエットで光量が抑えられた環境
観察された特徴:渓谷沿いの岩上などではときどき小形のシケシダの仲間を目にする。最下羽片が特に発達しない個体もあり外観だけではフモトシケシダと同定しにくいこともある。夏緑性。根茎は30節以上ありこの岩上で長く生育してきたことをうかがわせる。葉の大きさは20~30cm、葉身の幅は最大でも10cm程度。最下羽片は最大となる葉もあったが、それほど発達しないものもあり特に特徴とは言えない。葉は2形性を示すが、観察した季節(2016年11月)では胞子葉は倒れていた。若い包膜は辺縁が巻きこんでいることが多いが、成熟するころには包膜が開き、辺縁に浅鋸歯が見られる。包膜上には突起様のものは見受けられるがあまり特徴が見られない。
胞子の形状:胞子数は55~60個確認。形も整っている。胞子表面の突起の形状もやや大きくフモトシケシダの特徴が現れている。
生育確認数:1地点。20株。今熊山。
フモトシケシダ、胞子葉(上左)
フモトシケシダ、葉身下部(上右)
フモトシケシダ、胞子表面(上左)
フモトシケシダ、胞子側面(上右)
フモトシケシダ、胞子表面(上左)
フモトシケシダ、胞子側面(上右)