ハリガネワラビ Thelypteris japonica
ヒメシダ科 ヒメシダ属
生育している環境:標高1000m付近コナラ・シラカバなどの夏緑広葉樹や植林されたカラマツ・アカマツ林が広がる森。小さな群落を点在して生育。5地点で群生を確認。ここではアオハリガネワラビとハリガネワラビの両方が見られるが、ハリガネワラビはもっと標高の低いところが適地。
観察された特徴:葉柄は太く2㎜程度、色はエンジ色~赤褐色。葉柄は葉身とほぼ同長。葉柄下部には茶褐色・三角状長楕円形の鱗片がつく。葉の大きさは60~70㎝、栄養葉と胞子をつける葉に分かれ、栄養葉のほうが胞子をつける葉よりも葉身・羽片とも幅は広く三角形~三角状長楕円形、やや厚みのある草質、淡緑色。最下羽片を含め基部の羽片は下を向く。裂片は深裂し先端は鈍頭~円頭、裏面には黄色い腺点がつく。胞子嚢群は辺縁寄りにつく。包膜は円腎形で毛と腺毛が密に生える。胞子数は60個程度確認でき有性生殖種。胞子を取り巻く襞の辺縁は一部弱い鋸歯がある部分と全縁の部分とがある。
(1)ハリガネワラビ、葉柄の太さ
(2)ハリガネワラビ、葉柄の鱗片
(1)ハリガネワラビ、栄養葉の羽片
(2)ハリガネワラビ、胞子をつけた葉の羽片
(1)ハリガネワラビ、胞子をつけた葉の羽片裏側
(2)ハリガネワラビ、胞子嚢群