ミタケトラノオ(コバノヒノキシダ×イワトラノオ)
Asplenium x mitsutae
チャセンシダ科 チャセンシダ属
生育している環境:薄暗い樹林内、林道沿いにコンクリートの擁壁や石垣が連続する。
観察された特徴:常緑性。披針形の葉を叢生。葉の大きさは15~20㎝、葉の質はコバノヒノキシダに似てやや厚く光沢がある。最下羽片はそれほど短縮せず、羽片は長卵形。3回羽状に分かれる。胞子のう群は棒状。葉の裏側に不稔の胞子をあふれるようにつける。周辺の石垣にはコバノヒノキシダとイワトラノオ、クモノスシダ、イセザキトラノオ(雑種)などが生育。
生育確認数:1地点。 奥多摩 鋸山山麓。
栽培株の様子:2016年9月25日採取。それ以降栽培を行っている。胞子嚢群は充実しない胞子であふれ、最初白色から飴色に変化する。今回(2020年10月26日)膨らみ始めの胞子嚢を観察すると、白い未発達の胞子嚢の中に黒褐色の胞子嚢が見られ、採取し胞子を観察することができた。胞子のようすは充実した胞子と未発達な胞子が混在し、雑種の特徴を表していた。
2020年10月26日 胞子の様子を観察。
胞子のようすから大きさ・形が乱れ雑種と思われる。再度、ミタケトラノオ(コバノヒノキシダ×イワトラノオ)として掲載します。
ミタケトラノオ(コバノヒノキシダ×イワトラノオ)
(1)1つの胞子嚢を壊したようす、カラクサイヌワラビ胞子嚢d
(2)1つの胞子嚢を壊したようす、カラクサイヌワラビ胞子嚢f
(3)1つの胞子嚢を壊したようす、ミタケトラノオ胞子嚢a
(4)1つの胞子嚢を壊したようす、ミタケトラノオ胞子嚢b
(5)1つの胞子嚢を壊したようす、ミタケトラノオ胞子嚢a
(6)1つの胞子嚢を壊したようす、ミタケトラノオ胞子嚢b
※形の整った胞子を掲載します。
(1)胞子のようす、ミタケトラノオ胞子嚢f胞子1上面
(2)胞子のようす、ミタケトラノオ胞子嚢f胞子1側面
(3)胞子のようす、ミタケトラノオ胞子嚢d胞子1上面
(4)胞子のようす、ミタケトラノオ胞子嚢d胞子1側面
(5)胞子のようす、ミタケトラノオ胞子嚢d胞子3上面
(6)胞子のようす、ミタケトラノオ胞子嚢d胞子3側面
(7)胞子のようす、ミタケトラノオ胞子嚢d胞子4上面
(8)胞子のようす、ミタケトラノオ胞子嚢d胞子4側面
(9)胞子のようす、ミタケトラノオ胞子嚢f胞子2上面
(10)胞子のようす、ミタケトラノオ胞子嚢f胞子2側面