アイハリガネワラビ  Thelypteris japonica × T. musashiensis.

ヒメシダ科 ヒメシダ属

崖下の岩屑の上に生育するアイハリガネワラビ。2019年5月25日 奥多摩 倉沢
アイハリガネワラビ、葉柄は基部まで緑色で黒褐色の鱗片が目立つ。5月25日

生育している環境:上部が樹冠に覆われた岩壁の下の岩屑が堆積したようなウエットな礫地に生育。
観察された特徴:ハリガネワラビとイワハリガネワラビの雑種と推定される。夏緑性。葉柄の太さは一般的なハリガネワラビと同じで1.5~2.0㎜、葉柄は淡緑色で赤褐色~黒褐色の鱗片をやや密につける。葉身・羽片はハリガネワラビより幅が細い。胞子嚢群は中間につき、包膜上には腺点のような突起と毛が確認できる。付近にはハリガネワラビ・イワハリガネワラビが生育。胞子数は60個程度確認できるが、胞子は形が歪なものが混ざったり大きさに大小があったり乱れる。

研究者の方からは以下のコメントを頂いています。
ハリガネワラビとイワハリガネワラビの雑種のアイハリゲネワラビと思われる。アイハリガネワラビは雑種なので当然形態は変異があり、軸の色も変化がある。

アイハリガネワラビ。2019年7月31日 奥多摩 倉沢
アイハリガネワラビ、7月31日

アイハリガネワラビ。2019年5月25日 奥多摩 倉沢 葉柄は緑色。2019年7月31日 奥多摩 倉沢
(1)アイハリガネワラビ、新芽
(2)アイハリガネワラビ、葉柄

アイハリガネワラビ、葉柄は淡緑色でハリガネワラビと同じくらいの太さとなる。2019年5月25日 奥多摩 倉沢 アイハリガネワラビ、淡緑色の葉柄には赤味を帯びた黒褐色の鱗片がやや密につく。2019年5月25日 奥多摩 倉沢
(1)(2)アイハリガネワラビ、葉柄

アイハリガネワラビ、包膜上には腺点と毛の両方が見られる。2019年7月31日 奥多摩 倉沢 アイハリガネワラビ、包膜上には腺点と毛の両方が見られる。2019年7月31日 奥多摩 倉沢
(1)(2)アイハリガネワラビ、包膜

アイハリガネワラビ、胞子数は60個以上確認できるが胞子が乱れており雑種と言える。2019年7月31日 奥多摩 倉沢 アイハリガネワラビ、胞子数は60個以上確認できるが胞子が乱れており雑種と言える。2019年7月31日 奥多摩 倉沢
(1)(2)アイハリガネワラビ、1つの胞子嚢を壊したようす

アイハリガネワラビ、胞子の大きさは乱れ、大小に分かれる。2019年7月31日 奥多摩 倉沢 アイハリガネワラビ、胞子の大きさは乱れ、大小に分かれる。2019年7月31日 奥多摩 倉沢
(1)(2)アイハリガネワラビ、胞子のようす

アイハリガネワラビ、胞子の大きさは乱れ、大小に分かれる。2019年7月31日 奥多摩 倉沢 アイハリガネワラビ、胞子の大きさは乱れ、大小に分かれる。2019年7月31日 奥多摩 倉沢
(1)(2)アイハリガネワラビ、胞子のようす