アシカワトラノオ 仮称ミタケトラノオ(コバノヒノキシダ×イワトラノオ)
チャセンシダ科 チャセンシダ属 Asplenium ×mitakense
生育している環境:上部が樹冠に覆われた石垣で付近にはコバノヒノキシダやイワトラノオが生育。1地点であるが20株程度まとまって群生。
観察された特徴:常緑性。葉の大きさは15~25㎝で卵状披針形、3~4回羽状に分かれる。羽片は底辺の広い三角状卵形で基部は切形に近い。小羽片は広卵形・手のひら状で鋸歯があり間隔をあけず混み合ってつく。コバノヒノキシダとイワトラノオの雑種と推定される。コバノヒノキシダとイワトラノオ両種の中間的な形態をしているが、葉の質が薄い点や裂片が丸みを帯びている点はイワトラノオに似、羽片の色が濃緑色の点や羽片が込み合っている点はコバノヒノキシダ似である。
最初、雑種ではないかと思いミタケトラノオ(コバノヒノキシダ×イワトラノオ)としたが、山梨県芦川村で観察された個体の胞子が数・形とも整い有性生殖種であることが確認でき、アシカワトラノオ(仮称)とした。ただし、羽片が極端に短縮したコバノヒノキシダの可能性も考えられるので、今後も形態・胞子など調べる必要がある。
生育確認数:1地点。奥多摩栃寄沢。