アケボノオオイタチシダ(ベニオオイタチシダの仲間)
オシダ科 オシダ属
生育環境:林内の林床や崖などに生育。今のところ海岸からさほど遠くないところでしか観察していない。
特 徴:常緑性。観察される個体の葉の大きさ50~120cm、腐植の堆積した林床では大きく育ち、崖や岩場ではあまり大きくならない。葉身の形は長卵形~長い三角形。葉の表面は白味を帯びた緑色~黄緑色で光沢が無い。よく成長した株では最下羽片下側(後側)第1小羽片は重なる(交差する)ことが多い。展開したばかり葉は薄い紅色~鮮やかな紅色を帯びる。胞子のう群は裂片の中肋と辺縁の中間につき、胞膜の中央は薄い紅色~紅色を帯び、辺縁は全縁あるいはわずかに毛のようなものが生える。
近い仲間と言われているベニオオイタチシダDryopteris erythrovariaは葉は緑色~濃緑色で光沢あり、最下羽片下側(後側)第1小羽片はあまり交差しない。
オオイタチシダ(ツヤナシオオイタチシダtype)Dryopteris hikonensisは葉はアケボノオオイタチシダ同様光沢が無く白っぽい緑色であるが、最下羽片下側(後側)第1小羽片はあまり交差しない。
生育確認数:5地点、
(1)明るい林床に生育するアケボノオオイタチシダ
(2)アケボノオオイタチシダ、葉身
(1)アケボノオオイタチシダ、葉身(成葉)
(2)アケボノオオイタチシダ、最下羽片(成葉)
(1)アケボノオオイタチシダ、胞子嚢群
(2)アケボノオオイタチシダ、包膜
標本5
樹冠に覆われた深い森に生育するアケボノオオイタチシダ
(1)アケボノオオイタチシダ、最下羽片(成葉)
(2)アケボノオオイタチシダ、羽片(成葉)
(1),(2)アケボノオオイタチシダ、包膜
標本6
樹冠に覆われた深い森に生育するアケボノオオイタチシダ
(1)アケボノオオイタチシダ、葉身(成葉)
(2)アケボノオオイタチシダ、最下羽片(成葉)
冬季に観察
(1)アケボノオオイタチシダ、最下羽片
(2)アケボノオオイタチシダ、羽片