イノデモドキ
オシダ科 イノデ属 Polystichum tagawanum
生育環境:丘陵地中腹スギ林およびスギ林と落葉広葉樹との混生林にも生育。
特 徴:常緑性。ふつう葉柄は葉身よりも短いが、葉柄がある程度長くなるものも見られる。葉柄および中軸につく鱗片には著しい鋸歯がある。観察された個体の葉の大きさは35~65㎝。葉身の先端は細長く尾状に伸びる。胞子のう群は小羽片の辺縁よりにつく。葉身最下部につく胞子のう群は耳垂に優先的につくtypeとそうでないtypeがある。
生育確認数:山地では普通に見られる。小田原久野、大雄山最乗寺。
イノデモドキ、葉身
イノデモドキ、葉柄下部の鱗片(上左)
イノデモドキ、葉柄上部の鱗片(上中)
イノデモドキ、中軸の鱗片 (上右)
イノデモドキ、葉身下部羽片につく胞子のう群(上左、上右)
標本2
イノデモドキ
イノデモドキ、胞子のう群(上)
イノデモドキ、中軸鱗片(左下)
イノデモドキ、葉柄下部鱗片(右下)
標本3
イノデモドキ タカチホイノデ(チャボイノデ×ツヤナシイノデ)
※ご指摘を受け訂正いたします。2016年8月3日
生育していた環境:広い範囲で樹齢を経たスギ林が広がる林床に生育。丈の低い林床植生が生育するようなある程度の明るさのある林内に生育。狭い範囲に5株ほどがややまとまって生育していた。
観察された特徴:チャボイノデとツヤナシイノデの雑種と推定される。葉の形はチャボイノデ似、葉柄下部の鱗片にはツヤナシイノデの特徴が現れる。常緑性。葉柄は短く、葉柄下部には卵形や広卵形の鱗片を密につける。観察された個体の葉の大きさ30~40cmと小さく、葉の形は幅の狭い長楕円形で葉身の中央から先は先端に向けてなだらかに尾状となる。中軸には辺縁に鋸歯のある広披針形の鱗片を密につける。胞子のう群は辺縁寄りにつく。
生育確認数:1地点。5株程度。久野。