ウスバイシカグマ

コバノイシカグマ科 フモトシダ属 Microlepia substrigosa 

アリドウシが点在するヒノキ林林床に生育するウスバイシカグマ 2016年1月9日 久野

生育していた環境:海からは5~6㌔離れた丘陵地上部、樹齢30年程度と思われるヒノキ林林床に生育。林床はヒノキ林特有の林床植生が少ない林床にアオキ、アリドウシ、アスカイノデなどが点在して生育。
観察された特徴:根茎には濃褐色の毛が生えていると思われるがここでは1株しか生育していないので掘って確認することはできない。地面から伸び始めた新芽には濃褐色の毛が密生している。葉の大きさは60~75㎝、葉の質は薄く柔らかく表面に艶は無い。葉の形は長卵形~卵状披針形。葉の表側には毛が生える。羽片も先のほうまで幅が広く卵状披針形。羽片の先のほうの小羽片でも深裂する。葉脈は裂片の辺縁に達しない。胞子のう群は辺縁寄りやや内側につき包膜はコップ状。
生育確認数:1地点、1株。 久野。

イシカグマとの違いはこちらをご覧ください。


ウスバイシカグマ、新芽に密生する毛の色は濃い褐色。 
濃褐色の毛に覆われる芽立ちの新芽


ウスバイシカグマ ウスバイシカグマ、羽片上部まで3回羽状に分かれる。
ウスバイシカグマ(上左)
3回羽状に分かれるウスバイシカグマ(上右)


ウスバイシカグマ、羽片の先のほうまで小羽片の柄が確認できる。 ウスバイシカグマ、葉の質は薄く柔らかい。
ウスバイシカグマ、小羽片の柄(上左)
ウスバイシカグマ、葉の質は薄く柔らかい(上右)


ウスバイシカグマ、葉の表側には毛が生える。 ウスバイシカグマ、葉の表側には毛が生える。
ウスバイシカグマ、葉の表側の毛(上左、上右)

ウスバイシカグマ、葉の表側には毛が生える。2017年5月25日 ウスバイシカグマ、葉の表側には毛が生える。2017年5月25日
ウスバイシカグマ、葉の表側の毛(上左、上右)



ウスバイシカグマ、表側からも包膜がやや内側につくことがわかる。
ウスバイシカグマ、表側から見える包膜のふくらみ


ウスバイシカグマ、胞子のう群は辺縁の少し内側につく。 ウスバイシカグマ、胞子のう群は辺縁の少し内側につく。
ウスバイシカグマ、胞子のう群(上左、上右)


ウスバイシカグマ、包膜はポケット状。 ウスバイシカグマ、包膜はポケット状。
ウスバイシカグマ、包膜(上左、上右)


ウスバイシカグマ、葉脈は辺縁に達しない。 ウスバイシカグマ、葉脈は辺縁に達しない。
ウスバイシカグマ、葉脈(上左、上右)

ウスバイシカグマ、葉脈は辺縁に達しない。 ウスバイシカグマ、葉脈は辺縁に達しない。
ウスバイシカグマ、葉脈(上左、上右)

以前、川崎市生田緑地でオニヒカゲワラビの成株が1株確認されましたが、観察しやすいところに生育していたためか残念なことに数年後には姿を消してしまい、それ以降観察されていません。このウスバイシカグマも周りできちんと保護しなければ姿を消してしまう危険性があります。葉の一部でも採取は厳に控えなければならないと思います。