ヒメクラマゴケ
イワヒバ科 イワヒバ属 Selaginella heterostachys
生育していた環境:スギ林内のウエットな谷部の中央を深くえぐるようにしてできた深さ2m・幅80~1m、長さは15m程度、谷に沿って長く続く薄暗い溝の中の壁面に生育していました。崖面縦40㎝×横30㎝の範囲に10㎝程度の長さの株が20本程度まとまって生育。
観察された特徴:常緑性。①腹葉は葉先が鈍頭でいびつなおむすび形・背葉は小さく先端は急に細くなり鋭くとがり細く伸びる。腹葉・背葉とも辺縁には鋸歯がある。②胞子のう穂は扁平な長いわらじ形(長い小判形)で背葉は大きく、横に張り出し、腹葉は小さく基部に胞子のうを抱え込む。③他のクラマゴケの仲間と異なり、胞子茎を立ち上げ(あるいは垂下させ)複数の胞子のう穂を房状につける。観察した季節が冬季のため胞子のう穂は観察できませんでした。ただ、小さな群生なので夏季に胞子のう穂をつけるかどうかわかりません。
生育確認数:1地点。小田原三竹。
ヒメクラマゴケ、新芽(上左)
ヒメクラマゴケ、栄養葉主茎(上右)
ヒメクラマゴケ、腹葉(上左)
ヒメクラマゴケ、背葉(上右)
ヒメクラマゴケ、腹葉の鋸歯