カナワラビの仲間 2021年春
ヤクカナワラビ
オオカナワラビに似ているが、小羽片の切れ込みは深い。最下羽片後側第1小羽片が全く発達していない小さな個体でも胞子をつけている。葉は濃緑色で普通光沢があるが光沢のないものも見られる。包膜は全縁と言われているが、今回は観察できなかった。低山~中腹林内の岩場ではよく目にする。
標本2
(1)川沿いの林内斜面に生育するヤクカナワラビ
(2)ヤクカナワラビ、羽片裏側
標本3 標本4
(1)胞子をつける最下羽片後側第1小羽片がないヤクカナワラビ
(2)光沢のないヤクカナワラビ
ヤクシマカナワラビ
中腹部、常緑樹に覆われたあまりウエットではない稜線斜面に点在して生育。
ヤクシマカナワラビ
(1)(2)稜線斜面の常緑樹林下に点在して生育するヤクシマカナワラビ
(1)ヤクシマカナワラビの新芽、葉柄下部の鱗片
(2)ヤクシマカナワラビ、葉身裏側
オノアイダカナワラビか
コバノカナワラビに似るが最下羽片後側第1小羽片が発達する。特に最下羽片後側第1小羽片が発達したコバノカナワラビかもしれない。
尾之間では林縁の沢沿いで観察。周辺にはコバノカナワラビが生育。コバノカナワラビが生育する中で住み分けるようにして生育していた。
(1)(2)低地のスギ林内に生育するオノアイダカナワラビか(2017年撮影)
ホソコバカナワラビ
コバノカナワラビとホソバカナワラビの雑種と推定される。
人家のすぐ裏側の谷沿いの森、周辺にはコバノカナワラビ、ホソバカナワラビが生育している。最下羽片後側第1小羽片が発達した全体にぼってりとしたコバノカナワラビ似のシダが生育。やや間隔を空けて葉をつけていたので、根茎を調べてみると予想通り長く這っていた。コバノカナワラビの根茎は塊状であるがホソバカナワラビの血が入るため長く這う。
人家のすぐ裏側の谷沿いの森に生育するホソコバカナワラビ
テンリュウカナモドキかあるいは別種か
樹林内、ウエットな空気に包まれた谷沿いの岩上に生育。同行のhybrid(ハイブリッド)に詳しい方からヤクカナワラビとの雑種の可能性も考えられるとのご意見を頂きました。
テンリュウカナモドキかあるいは別種か