ホソバイヌワラビ
イワデンダ科 メシダ属 Athyrium iseanum
生育環境:市内では新百合ヶ丘の森でしか観察されていなかったが、区画整理事業で生育地ごと消失。新百合ヶ丘の郵便局付近にあった森で、スギ林および常緑・落葉広葉樹との混生林からなり、林縁を厚くササ群落に覆われていた。生育場所は、三方を急な傾斜の丘陵斜面に囲まれた凹地で丘陵上部は常緑および落葉広葉樹林、中~低部はスギ林が広がる。生育場所は低部の谷戸末端の平坦なスギ林で、ウエットな林床に大群落を形成していた。周りにはイノデ類の大きな群落が見られるよいシダ谷であった。川崎市の指示により移植を行う。移植先は津田山緑地と早野霊園の森。元の生育環境と似たスギ林を中心とした常緑・落葉広葉樹との混生林からなる丘陵地低部のウエットな林床に移植。現在(2012,2,29)早野霊園の森では観察できず消滅したと思われる。津田山緑地では5株確認。川崎産の個体を維持するのは難しいかも知れない。
特 徴:夏緑性。観察され個体の葉の大きさは25~40cm。羽軸・小羽軸には長いトゲが生える。葉身上部に不定芽を付ける。
生育確認数:移植後1地点、5株。 津田山緑地。