アイオオバノハチジョウシダ:仮称(オオバノハチジョウシダ×オオバノアマクサシダ)
イノモトソウ科 イノモトソウ属
フィールドで観察した当時は(2019年1月3日)はまだ胞子をつけておらず、オオバノハチジョウシダかオオバノアマクサシダかはっきりわからなかった。外観はオオバノハチジョウシダであるが、葉によっては最下羽片後側第1小羽片の先端の列片は長く伸びオオバノアマクサシダのようでもあった。そばに生えているよう株には関東でオオバノアマクサシダでみられるような白斑は見られなかった。
採取した株を栽培し今年(2020年7月16日)胞子をつけ観察することができた。胞子はどれもみな大きさ・形が歪で雑種であった。
生育している環境:樹林内あまり日が当たらない環境、林道脇の斜面、崩れて堆積した岩屑上に生育。
観察された特徴:オオバノハチジョウシダとオオバノアマクサシダの雑種と推定される。①[2019年1月フィールドで]葉の大きさは60~80㎝。まだ胞子をつけていない。同じ株から最下羽片後側第1小羽片が対称の葉と非対称の小羽片がつく葉が確認された。また、付近で10㎝程度の幼株が見られたが、関東でときどき見られるような白い斑は観察できなかった。
②[2020年7月栽培]:葉の大きさは90~100㎝。葉身の左右でシンメトリーではないが最下第1・第2羽片には基部後側に第1・第2小羽片が発達することがある。基部の小羽片は大きいものは小羽軸に対してシンメトリーになるが小さい小羽片では片側の羽片が欠けることがある。側羽片の先端の頂小羽片は長さに変化があり1~6㎝。胞子は胞子は大きさ・形が歪で雑種。
(1)アイオオバノハチジョウシダ:仮称(オオバノハチジョウシダ×オオバノアマクサシダ)、非対称の最下羽片後側(下側)第1小羽片をつける葉
(2)アイオオバノハチジョウシダ:仮称(オオバノハチジョウシダ×オオバノアマクサシダ)、幼株
2020年7月16日 栽培個体の胞子を観察
(1)(2)アイオオバノハチジョウシダ、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)(4)アイオオバノハチジョウシダ、1つの胞子嚢を壊したようす