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コダマイヌイワガネ(チチブイワガネ × イワガネソウ) Coniogramme ×fauriei f. kojimae
イノモトソウ科 イワガネゼンマイ属 Coniogramme intermedia f.nose
生育していた環境:側面が高い崖の林道脇き、崖や岩屑や土砂が堆積したところ、北面だが上部が開けて明るく、ほかの背の高い高茎草本類と共に生育。狭い範囲に群生し、葉形が異なる個体がいくつか見られた。
観察された特徴:常緑性。葉の大きさは80~120cm。羽片は披針形で先端まで徐々に尖る。コダマイヌイワガネチチブイワガネの獅子葉typeの特徴は①羽片は披針形で表裏両面が有毛で、②葉の辺縁が深く切れ込み葉縁がなめらかな葉は少ない。③平行脈はときどき左右の脈が合着し網目を形成。④胞子嚢群には未熟なものが多く混ざり、⑤胞子は凹んでいるものから正常に見えるものまで変化が多い。
生育確認数:1地点20株。檜原村小岩。
観察された胞子の特徴:胞子数は60個程度確認。実体顕微鏡では胞子は正常そうに見える。倍率を上げると正常な形の胞子や凹んで不稔な胞子が観察された。
※最初はコダマイヌイワガネ(チチブイワガネ×イワガネソウ)ではないかと思いましたが雑種ではありませんでした。
訂正
このシダは観察した当時、葉の形がシャープで葉脈もところどころで合着しており、観察会ではコダマイヌイワガネとしました。その後、胞子が正常ではないかとのご意見を頂き、チチブイワガネ獅子葉typeといたしました。後日改めて胞子を観察すると、胞子が凹んでおり(3稜の稜と稜の間が中心に向かって凹む)、コダマイヌイワガネといたします。(正常な形の胞子も見られました。)2018年10月21日
(1)コダマイヌイワガネチチブイワガネの獅子葉type、葉身下部
(2)コダマイヌイワガネチチブイワガネの獅子葉type、葉身上部
(1)コダマイヌイワガネ、羽片裏側
(2)コダマイヌイワガネ、胞子嚢群
(1)コダマイヌイワガネ、羽片裏側
(2)コダマイヌイワガネ、胞子嚢群
観察されたいろいろな胞子
(1)(2)コダマイヌイワガネ、胞子(同一胞子)