キヨズミイノデ(サイゴクイノデ×イノデモドキ)
オシダ科 イノデ属 Polystichum x kiyozumianum
生育している環境:樹齢を経たスギ・サワラ林内林床、周辺の林床にはベニシダの仲間やクマワラビの仲間などがよく生育し、イノデモドキやサイゴクイノデも見られる。
観察された特徴:サイゴクイノデアとイノデモドキの雑種と推定される。常緑性。葉柄はそれほど長くならず、葉柄下部の鱗片には栗色が入り、葉柄基部~下部にかけては辺縁が全縁の鱗片と細かく裂けた鱗片が混ざり、葉柄下部~中軸にかけては辺縁が細かく裂けた鱗片をつける。葉の大きさ50~70㎝、イノデモドキに似て葉身先端は徐々に細くなりやや尾状となる。葉の表面はサイゴクイノデに似て艶は乏しいが葉の色は濃い。胞子のう群は辺縁寄りにつき、葉身基部の羽片では胞子のう群は耳垂の両側に1~3個、規則正しくつき、同じく下部羽片耳垂に1~2個ずつつくイノデモドキの特徴というよりはサイゴクイノデの特徴を表している。
生育確認数:1地点1株。津久井城山。
キヨズミイノデ、羽片(上左)
キヨズミイノデ、胞子のう群(上右)