クロ×フジ クロノキシノブとフジノキシノブの雑種
ウラボシ科 ノキシノブ属
専門家の方にこの個体の倍数性を調べていただきました。また、詳しい方からコメントを頂きました。2020年7月3日
この個体の染色体の解析結果:染色体数は2n=>90 倍数性は4倍体 胞子:充実+委縮。
解析結果と外部形態とを総合的に勘案して判断しますと4倍体でしたので、クロ×フジと思われます。
染色体の倍数性は4倍体で親種はクロノキシノブ(4倍体)とフジノキシノブ(4倍体)の雑種と考えられます。
クロ×フジの親種はクロノキシノブ(4倍体 n=50型とn=51型)とフジノキシノブ(4倍体 n=50)でクロ×フジは2n=100となります。この個体は染色体数が90以上確認できています。
生育している環境:谷間の民家の苔むした石垣に生育。上部は樹冠に覆われているが明るい環境。
観察された特徴:フィールドでの外観は葉の幅が広く、葉の質は厚く濃緑色の葉をまとまってつけていた。クロノキシノブとフジノキシノブの雑種と思われる。
根茎は短く葉は込み合ってつける。葉柄は明瞭で2~3㎝、黒褐色を帯びるが淡緑色のものも見られる。葉の長さ20~25㎝・幅1.2~1.6㎝、葉は厚く濃緑色~暗緑色で光沢は弱い・長紡錘形。葉面はうねるように波打つ。中軸は浮き出る、胞子嚢群は葉身の先から半分程度につき、大きく中間につく。胞子は大きさに大小があり・形が歪なものが多く雑種と考えられる。
クロノキシノブに似ているところ①葉柄は明瞭で黒褐色~淡緑色。②葉は濃緑色~暗緑色。
フジノキシノブに似ているところ①根茎には混み合って葉をつける。②葉は長紡錘形。③葉はうねるように波打つ。④葉は光沢が弱い。
(1)(2)苔むした石垣に生育するクロノキシノブ×フジノキシノブ
(1)(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、胞子を観察した葉