クロ×フジ  クロノキシノブとフジノキシノブの雑種

ウラボシ科 ノキシノブ属

専門家の方にこの個体の倍数性を調べていただきました。また、詳しい方からコメントを頂きました。2020年7月3日
この個体の染色体の解析結果:染色体数は2n=100 倍数性は4倍体 胞子:充実+委縮。
解析結果と外部形態とを総合的に勘案して判断しますと4倍体でしたので、クロ×フジと思われます。
染色体の倍数性は4倍体で親種はクロノキシノブ(4倍体)とフジノキシノブ(4倍体)の雑種と考えられます。
クロ×フジの親種はクロノキシノブ(4倍体 n=50型とn=51型)とフジノキシノブ(4倍体 n=50)でクロ×フジは2n=100となります。この個体は染色体数100確認されクロ×フジと言えます。

クロ×フジ。2020年6月15日 相模湖周辺の谷

生育している環境:谷間の林道沿い、石垣の上にスギ林を抱えた東に開けた明るい石垣。ノキシノブ・クロノキシノブ・フジノキシノブおよびそれらの雑種が生育する石垣。

観察された特徴:胞子が乱れ雑種。クロノキシノブとフジノキシノブの雑種と思われる。根茎は短く葉を込み合ってつけ、葉をたくさんつけ大きな株になる。葉柄は明瞭で黒褐色を帯びる。葉は長紡錘形で幅が広く1.5㎝大きい葉では2㎝になり、濃緑色多少光沢があり葉は厚味があり葉の縁は多少波打つ。
クロノキシノブに似ているところ:①葉柄は明瞭で黒褐色を帯びる。②葉は厚味があり濃緑色。
フジノキシノブに似ているところ:①葉の辺縁が多少うねる(波打つ)②葉の幅が広い。③葉を込み合ってつける。

周辺にも見られるクロ×フジ。2020年4月22日 相模湖周辺の谷 クロ×フジ。2020年4月28日 相模湖周辺の谷
(1)周辺にも見られるクロノキシノブ×フジノキシノブ(胞子は調べていない)
(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ

クロ×フジ、葉身先。2020年4月28日 相模湖周辺の谷
クロノキシノブ×フジノキシノブ、葉身先

クロ×フジ、葉柄ー葉身基部。2020年5月8日 相模湖周辺の谷 クロ×フジ、葉柄ー葉身基部。2020年5月8日 相模湖周辺の谷
(1)(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、葉柄ー葉身基部  

クロ×フジ、葉身。2020年4月28日 相模湖周辺の谷 クロ×フジ、葉身裏側。2020年4月28日 相模湖周辺の谷
(1)クロノキシノブ×フジノキシノブ、葉身
(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、葉身裏側

クロ×フジ、胞子の中には大きさに大小が見られ形も歪なものが混ざり雑種。2020年4月28日 相模湖周辺の谷 クロ×フジ、胞子の中には大きさに大小が見られ形も歪なものが混ざり雑種。2020年4月28日 相模湖周辺の谷
(1)(2)クロノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす

クロ×フジ、胞子の中には大きさに大小が見られ形も歪なものが混ざり雑種。2020年4月28日 相模湖周辺の谷 クロ×フジ、胞子の中には大きさに大小が見られ形も歪なものが混ざり雑種。2020年4月28日 相模湖周辺の谷
(3)(4)クロノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす