ムクゲシケシダとして掲載していたものを変更いたします。2014年11月21日
ケブカセイタカシケシダとして掲載していたものを変更いたします。2020年8月20日
セイタカムクゲシケシダ Deparia dimorphophylla × D. kiusiana
メシダ科 オオシケシダ属 Deparia dimorphophyll
生育している環境:渓谷沿いのスギ林内中腹部、林道沿いのやや平坦な林床、林床はテイカカズラ等丈の低い下草が生育する。一部の範囲に群生しているが間隔をあけて生育。
観察された特徴:セイタカシケシダとムクゲシケシダの雑種と推定される。夏緑性。葉柄には白色で先が褐色の鱗片や白色の毛を密生させる。中軸には白色の毛を密生させる。葉は2形を示すが栄養葉・胞子葉ともに葉の幅は広い。栄養葉は広卵形~卵形、胞子葉は長卵形で立ち上がり40~50㎝。2回羽状に分かれ、裂片の先は鈍頭。葉の表裏には葉脈に沿って毛が生える。葉の質は艶がなく白青緑色~白黄緑色。胞子のう群は線形~緩やかな三日月形、包膜上には毛が生える。胞子が未熟な時期は包膜の辺縁は巻き込んでいるが、胞子が熟すころには包膜は開き、包膜の辺縁に鋸歯があることがわかる。
胞子のようす:今までに2回胞子の観察を行ったが、正常な胞子を観察することはできなかった。胞子嚢はの中には未発達な淡褐色の胞子があるだけで不稔と思われる。2020年10月、やっと有色の胞子嚢を観察、45㎝程度の胞子をつけた葉の胞子嚢群はほとんどすべて未発達で半透明な未熟な胞子嚢であったが、わずかに数粒の有色の胞子嚢があり、観察することができた。
ムクゲサシシケシダとの違いは、①ムクゲサシシケシダにくらべ葉の幅が広くセイタカシケシダに似る。②葉柄や中軸の毛はムクゲサシシケシダほど長くない。(もう少し多くの個体を見比べなければ正確なところはわかりません。)
生育確認数:1地点、12株。相模湖底沢。
(1)セイタカムクゲシケシダ、葉柄下部
(2)セイタカムクゲシケシダ、新芽葉柄
(1)セイタカムクゲシケシダ、栄養葉(新葉)
(2)セイタカムクゲシケシダ、栄養葉芽立ち
(1)セイタカムクゲシケシダ、胞子葉
(2)セイタカムクゲシケシダ、胞子葉芽立ち
(1)セイタカムクゲシケシダ、中軸
(2)セイタカムクゲシケシダ、新芽の中軸
(1)セイタカムクゲシケシダ、若い胞子のう群
(2)セイタカムクゲシケシダ、若い包膜
(1)セイタカムクゲシケシダ、胞子のう群
(2)セイタカムクゲシケシダ、包膜