ハコネイノデ(アイアスカイノデ×サイゴクイノデ)

オシダ科  イノデ属 Polystichum × hakonense

ハコネイノデ(アイアスカイノデ×サイゴクイノデ)。相模湖 嵐山

生育している環境:緩やかな山麓沿いのスギ林林床に生育。アイアスカイノデ、サイゴクイノデが生育する森で見られる。

観察された特徴

  1. 相模湖ダム付近で観察されたものはやや大形で葉の大きさは80㎝に達する。
  2. 葉柄基部には栗色で辺縁に淡い褐色が入る披針形の鱗片が密につく。
  3. 葉の色はサイゴクイノデに似て光沢が無く白味を帯びるがサイゴクイノデよりも緑色は濃い。
  4. 胞子嚢群は最下羽片まで付き、下部の数対の羽片では耳垂に優先してサイゴクイノデと同様に規則的につく。
  5. 胞子嚢群は辺縁寄りにつく。胞子嚢は弾けず塊状となる。

生育確認数:2地点。相模湖 嵐山、奥畑。

ハコネイノデ、葉柄基部の鱗片はアイアスカイノデに似て細長いが栗色は明確に入る。相模湖 嵐山
ハコネイノデ、葉柄基部の鱗片

ハコネイノデ、最下羽片の胞子嚢群はサイゴクイノデに似て整然とつく。相模湖 嵐山 ハコネイノデ、最下羽片の胞子嚢群はサイゴクイノデに似て整然とつく。相模湖 嵐山
(1),(2)ハコネイノデ、最下羽片の胞子嚢群

ハコネイノデ、胞子嚢群ははじけず色は薄い。相模湖 嵐山 
ハコネイノデ、胞子嚢群

ハコネイノデ、胞子嚢の中は空っぽ。相模湖 嵐山 ハコネイノデ、胞子嚢の中には正常な胞子は確認できない。相模湖 嵐山
(1)ハコネイノデ、胞子嚢
(2)ハコネイノデ、胞子



標本2
ハコネイノデ(アイアスカイノデ×サイゴクイノデ)2017年7月23日 相模湖周辺
ハコネイノデはアイアスカイノデとサイゴクイノデの雑種と推定される。

ハコネイノデ、葉柄基部。2017年7月23日 相模湖周辺 ハコネイノデ、葉柄基部鱗片。2017年7月23日 相模湖周辺
(1)ハコネイノデ、葉柄基部
(2)ハコネイノデ、葉柄基部鱗片

ハコネイノデ、中軸鱗片。2017年7月23日 相模湖周辺
ハコネイノデ、中軸鱗片

ハコネイノデ、最下羽片裏側。2017年7月23日 相模湖周辺 ハコネイノデ、胞子嚢群。2017年7月23日 相模湖周辺
(1)ハコネイノデ、最下羽片裏側
(2)ハコネイノデ、胞子嚢群


2011,9,24相模湖嵐山
葉身下部羽片の胞子嚢群の付き方