ハタジュクイノデ (アイアスカイノデ×イノデモドキの雑種)
オシダ科 イノデ属 Polystichum × hatajukuense
生育環境:相模湖嵐山北面、緩斜面に広がるスギ林内の林床に生育。あたりにはイノデモドキ・サイゴクイノデの大きな群落、その中にアイアスカイノデ・イノデが点在している。イノデの雑種としてはハコネイノデ(アイアスカイノデ×サイゴクイノデの雑種)が普通に見られ、ドウリョウイノデ(アイアスカイノデ×イノデの雑種)が少数見られる。
観察された特徴
- 相模湖ダム付近で観察されたものはやや大形で葉の大きさは80~100㎝。
- 葉柄基部の鱗片は広披針形~広卵形で辺縁には細かい鋸歯が密につき、中央が栗色で周りが淡褐色のものが混じる。中軸の鱗片には鋸歯が目立つ。
- 葉は一般的な濃い緑色で光沢がある。
- 胞子嚢群は葉身全体につき、最下羽片では耳垂に優先してつくが、サイゴクイノデほど規則的ではない。
- 胞子嚢群は辺縁寄りにつき、胞子嚢は弾けず塊状となる。
生育確認数:3地点 相模湖嵐山、底沢など。場所によっては個体数は多いところもある。
標本2
ハタジュクイノデはアイアスカイノデとイノデモドキの雑種と推定される。
(1)ハタジュクイノデ、葉柄の鱗片
(2)ハタジュクイノデ、中軸下部の鱗片
(1)ハタジュクイノデ、羽片
(2)ハタジュクイノデ、小羽片
(1)ハタジュクイノデ、羽片裏側
(2)ハタジュクイノデ、胞子嚢群
(1)ハタジュクイノデ(上)とイノデモドキ(下)、葉身の比較
(2)ハタジュクイノデ(右)とイノデモドキ(左)、羽片の比較
標本3
ハタジュクイノデ