ノキシノブ×フジノキシノブ
ウラボシ科 ノキシノブ属
詳しい方に生葉をみていただきコメントを頂きました。
胞子はイレギュラーと思われますので、確かに雑種の可能性が高いですね。両親種の推定は難しいです。ゲノム解析をしないと正確な判断はできそうにありません。各地にノキシノブ×フジノキシノブ、ノキシノブ×クロノキシノブ、フジノキシノブ×クロノキシノブ、九州ではツクシノキシノブ×クロノキシノブと思われるものがあります。
フジノキシノブとノキシノブと雑種と思います。葉柄に黒みがありませんのでクロノキシノブは関係ないのではないかと思いました。ノキシノブ類はゲノム解析によっていくつかの種に分けられましたが、生物学的には別種であっても実際の区別は必ずしも容易ではありません。それぞれの種の範囲を見極められるようになるまでには時間がかかりそうです。
生育している環境:山間の谷を通る道路の石垣に生育。ウエットな空気に包まれ付近の木の幹には地衣と共にカヤランが着生する。
観察された特徴:ノキシノブとフジノキシノブの雑種と推定される。 葉は大きいものでは長く23㎝・幅は広く1.8㎝。葉柄と葉身の区別ははっきりしない。葉は長紡錘形~線形、明るい緑色で光沢があり、葉の質はやや柔らかく(一緒の石垣に生えるクロノキシノブの葉は硬く、垂れ下がることは無く石垣面から突き出すように葉を展開している)、葉の先は鋭頭。胞子嚢群は中間につく。
フジノキシノブが生育する1つの谷の中で、最も大きい葉をつけた株であった。胞子を観察すると胞子は形が歪なものが混ざり大きさも大小あり、雑種とわかる。周辺にはクロノキシノブが多いがフジノキシノブとノキシノブとの雑種と思われる。いのでフジノキシノブとクロノキシノブとの雑種と思われるが片親がノキシノブの可能性も考えられる。今後、生育場所の石垣のノキシノブ類の分布状況を調べてみたい。
(1)ノキシノブ×フジノキシノブ、葉
(2)ノキシノブ×フジノキシノブ、葉裏側
(1)ノキシノブ×フジノキシノブ、葉身基部の鱗片
(2)ノキシノブ×フジノキシノブ、葉身の鱗片
(1)(2)ノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(3)(4)ノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
(5)ノキシノブ×フジノキシノブ、1つの胞子嚢を壊したようす
ノキシノブ×フジノキシノブとフジノキシノブとの葉先の比較
(1)ノキシノブ×フジノキシノブ、葉先
(2)ノキシノブ×フジノキシノブ(下)とフジノキシノブ(上)との葉先比較