ハコネタチクラマゴケ(仮称)
イワヒバ科 イワヒバ属
生育している環境:須雲川沿いのウエットな日陰の石垣に群生。
観察された特徴:常緑性。植物体は立ち上がらず生育する岩上や崖面では貼りつくように生育し立ち上がることはない。腹葉・背葉ともにタチクラマゴケより小さく、茎も細く全体に華奢。葉は淡緑色~黄緑色で光沢は乏しく葉の質は薄く柔らかい。多少日が当たるところでは紅葉する。腹葉は中肋部がやや膨らむ。小さい背葉を茎上につけるが先端はそれほど反り返らない。長さ2~3㎝程度の胞子嚢穂をつける。胞子嚢穂は、側枝の先につき枝分かれせず、ヤマクラマゴケの胞子嚢穂を長くした形で、胞子嚢穂下部の胞子をつけ始める部分の腹葉が長さ・幅とも最も大きくなりまた込み合って腹葉をつけそれより上部の腹葉は小さく、先のほうは腹葉・背葉は同形になる。
ハコネタチクラマゴケ(仮称)
標本3 箱根 塔ノ沢
ハコネタチクラマゴケ
生育している環境:スギ植林地内林床。
観察された特徴:一般的なタチクラマゴケとハコネタチクラマゴケ(仮称)を同一環境で2年にわたり栽培してきたが、胞子嚢穂の形状など異なることが分かった。なお、研究者の方からは※「タチクラマゴケの中には典型品よりもかなり小さくなるものがある。2018年6月8日」とのコメントを頂いています。
(1)ハコネタチクラマゴケ、胞子嚢穂裏側
(2)ハコネタチクラマゴケ、胞子嚢穂表側
(3)ハコネタチクラマゴケ、胞子嚢穂下部の込み合ってつく大きな腹葉
(1)ハコネタチクラマゴケ、胞子嚢穂裏側
(2)ハコネタチクラマゴケ、胞子嚢穂表側
(3)ハコネタチクラマゴケ、胞子嚢穂下部の込み合ってつく大きな腹葉
(1)ハコネタチクラマゴケ、胞子嚢穂裏側
(3)ハコネタチクラマゴケ、胞子嚢穂表側
(2)ハコネタチクラマゴケ、胞子嚢穂下部の込み合ってつく大きな腹葉
※タチクラマゴケとハコネタチクラマゴケの栽培比較
タチクラマゴケとハコネタチクラマゴケ(仮称)を同一環境で栽培を試みた。
タチクラマゴケとハコネタチクラマゴケ比較 2018年6月1日