長野県富士見町周辺から大鹿村周辺まで石灰岩が帯状に走っている。奥多摩日原とは離れているが同じ地層で、中央構造線外帯の秩父帯と四万十帯の境(仏像構造線)となる。
今回は富士見町中部南部周辺(標高800~1100m)を歩いた。林道沿いの周辺には石灰岩がところどころで顔を出し、大きな石灰岩の岩峰も見られる。陽当たりのよい岩峰の1つでは、クロウメモドキ、ハギの仲間、ツクバネ、ヤハズハハコ、カワラサイコ、ススキ、クサボタン、イワギボウシ。シダではツルデンダ、クモノスシダ、オウレンシダ、イチョウシダ、イワヒバなどが見られた。また石灰岩地帯のカラマツ林林床ではタチヒメワラビ、オオヒメワラビ、オウレンシダ、ホソバナライシダ、ヘビノネゴザなどが見られた。カラマツ林内の石灰岩の岩上にはスグリ(日本固有種)が生育。今後、富士見町南部山岳地域も歩いていきます。
オオヒメワラビ
イチョウシダ
タチヒメワラビ
石灰岩地帯で見られたその他の植物
カワラサイコシオガマの仲間
カワラサイコシオガマの仲間
※詳しい方に教えていただき、訂正いたします。2021年6月28日
トモエシオガマ
トダイハハコヤハズハハコ
ヨモギの仲間か
陽当たりのよい石灰岩の岩峰に生育。
クロウメモドキ
陽当たりのよい石灰岩岩峰に生育。
(1)(2)クロウメモドキ
スグリ(日本固有種)
カラマツ樹林内、クモノスシダが生育する苔むした石灰岩上に生育。ヨーロッパ産西洋スグリ(グーズベリー)とは葉や実の形・刺の数などが異なる。あらためて果実が実っている時に撮影してみたい。
(1)スグリ(日本固有種)、若い茎
(2)スグリ(日本固有種)、刺
ツクバネ
石灰岩の岩峰やその周辺でよく見られる。半寄生植物。